裁判で有罪の判決を受けて,その後再審によって無罪となった事件がいくつかありますが,この場合国に刑事補償請求をしているようです。例えば逮捕されてしばらく身柄を拘束されて,その後容疑が認められず釈放となった時には
拘束された日数分の刑事補償を求めることはできるのでしょうか?そもそもこの刑事補償請求は裁判で有罪が確定した後無罪になった場合しか認められないのでしょうか?

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A 回答 (1件)

 はじめまして。

まず、刑事補償請求を理解するために少し憲法の条文を見てみましょう。

 憲法40条【刑事補償】
「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」

 とあります。この条文に「無罪」の裁判を受けたときにという要件がついてますね、そのため、刑事補償を受けるためには実際に起訴され、公判において無罪判決を得なければこの補償は受けられないことになっている訳です。「法律の定めるところ」の法律とは刑事補償法という法律のことです。

 これと似た制度で国家賠償というものがあります。また少し憲法の条文を見てみましょう。

 憲法17条【国家賠償責任】
「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」

 とあります。これには裁判とか無罪という言葉がありませんから、この条文にいう「法律」(この場合は「国家賠償法」ですが)によって補償してもらえそうですね。しかし、この条文には「公務員の不法行為」という要件が付いています。
 
 つまり、逮捕、勾留、拘禁、裁判手続のそれぞれに不法行為(暴力や手違いなど)がなければ、その公務員の行為は適法になされたことになり、この条文の要件を満たさなくなります。

 以上の二つがpusutaさんがご指摘している問題です。要するに、刑事補償請求するには「無罪」という判決が必要であり、国家賠償請求するには公務員(警察官・検察官・裁判官など)の「不法行為」が必要になります。
 ちなみに誤認逮捕などは警察官が「犯人に違いない」と確信して逮捕している限り正当な職務行為であり、不法行為にはあたりません。これをこの時点で不法行為にしてしまうと、全国の警察官は犯人逮捕の度に「不法行為になってしまったらどうしよう」と考えてビビってしまい、正常な行政警察活動が出来なくなってしまうからです。

 さて、無罪判決か不法行為がなければ刑事補償法でも国家賠償法でも救済されないという事態が現状なのは確かですが、以上は憲法に定められた補償の話です。
 実は、やはりこれでは濡れ衣を着せられた被疑者の人権が守れないので、なんとかしようと法曹関係者は悩みました。そこで考え出されたのが「被疑者補償規定」
という法律です(昭和32年制定)。

 これは、既に述べたように被疑者として抑留・拘禁されながら、罪を犯さなかったと認めるに足りる十分なり理由があって不起訴処分になった者を対象に補償しようとするものです。補償の内容も刑事補償法と同様に一日1000円以上1万2千円以下という金額の範囲内になっていますが、補償請求者が検察官であったり、請求可能な期間が刑事補償法が3年以内であるのに対し被疑者補償規定では6ヶ月以内であったりと、やはり補償の程度は他の2つに比べて少し弱いようです。

 結論としては、仰るとおり無罪が確定しない限り「刑事補償法」に定める刑事補償は求められません。不法行為がない限り「国家賠償法」に定める国家賠償もダメです。しかし、少し補償の程度は弱いですが、「被疑者補償規定」という法律があるので、これを使って拘束の種類・期間、財産上の損害、逸失利益、精神的苦痛などの一切の事情を考慮して検察官が裁定する金額の補償をすることができます。

 ふ~、だいぶ長くなってしまってごめんなさい。次回からはもう少し短く書く練習をしますね(笑)。

 ではでは。 
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました。すっきりしました!

お礼日時:2001/11/17 20:26

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(裁判官の除斥)
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1.裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。...以下略

裁判官も裁判の当事者(被告・原告)になることは当然できますが、自分で自分の裁判をすることはできない、ということです。

ちなみに、刑事訴訟法にも同様の規定があります。


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