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憲法76条2項の文言に
「行政機関による終審裁判の禁止」

がありますよね。終審でなければ、裁判を行うことができる、
という意味ですよね?

ここで質問なのですが、
司法権を持たない行政機関が、
前審であれ、そもそも、裁判自体を行っていいんですか?
またその根拠は何ですか?

A 回答 (2件)

行政審判のことですね。

海難審判庁、公正取引委員会、特許庁などは、それぞれの専門分野で裁判類似の手続を行なうことがあります。根拠はそれぞれの法律です。
ご質問は、それらの法律が憲法76条に抵触しないかということですね? それに対しては、抵触しない、が答です。その理由をだらだら書いてみます……。

(1) 行政機関や立法機関は司法権を持ちません。しかし、例えば弾劾裁判所は立法府に属し、国会議員によって組織されます(憲64)。裁判を行うのは、司法機関だけではないわけです。

(2) 日本国憲法は、次のような用語法を採用していないことになります。「司法機関の行なうものが『裁判』で、他の機関による裁判類似のものは別の名で呼び、決して裁判と呼ばないことにしよう」。

(3) なぜ、そのような用語法は採用しなかったかというと、私は素人で詳しいことは分かりませんが、常識的に考えてみましょう。
例えば、海で大事故が起きると、通常の裁判所には行かず海難審判になります。海難審判が実質的に裁判に相当するわけです。これを、「あくまでも裁判ではない」と言い張っても、得るところはないでしょう。
地方海難審判庁・高等海難審判庁が、いわば第一審・第二審の(類似)裁判所に相当します。ご存知のように終審ではないので、その後、東京高等裁判所に提訴できます(さらに最高裁に行ける)。

(4) 付け足しとして話を広げますと、国の唯一の立法機関は国会ですね(憲41)。しかし、行政機関は、政令・省令・……などを制定することができます。この権限は「準立法的」と呼ばれます。
例えば役所や会社勤めの方は、それぞれの業務について、法律だけ守っていればいいというものではなく、付随する政令・省令・通達などがウジャウジャあることを、ご存知だと思います。それらを守らないと、罰せられることもあります。
つまり、立法権はあくまでも国会に属するが、実際には他の機関もさまざまな規則制定権を持っています。どこまでが法律の守備範囲で、どこからが政令の守備範囲かということも、分野によっては多少変動するでしょう。
以上のようなことを、司法権についても当てはめて考えてみてはいかがでしょうか。ただし、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない」と釘を刺しているのが、76条2項というわけです。

この回答への補足

とても分かりやすくご説明してくださいまして、ありがとうございます。裁判を行うことができる権利=司法権だと思っていたのですが
そうではないのですね。あくまで、最高裁判所+下級裁判所のみが裁判を行う権利を司法権というのですね。(という解釈でいいんですよね?)

あと、行政審判についてですが、
審判というからには、これは公開ではないんですよね?
また、
>終審ではないので、その後、東京高等裁判所に提訴できます(さらに>最高裁に行ける)。

との内容についてですが、
審判で納得できない結果の場合には東京高等裁判所に提訴できる
と理解しましたが、しかし、逆に考えると、審判の結果に満足すれば
それで審判終了ということですよね?
それでは、結果的に終審になると思うのですが、それはいいんですよね・・? 憲法でいう「終審」とは、あくまで、提訴したい場合に、提訴あるいは上告することができる上の裁判所があるかどうかという意味ですよね?

補足日時:2007/07/17 19:39
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>司法権を持たない行政機関が、


>前審であれ、そもそも、裁判自体を行っていいんですか?
>またその根拠は何ですか?

行政不服審査の事でしょうか?これは裁判ではなく行政手続きです。
不服なら裁判を提起できますが・・・。
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