No.5ベストアンサー
- 回答日時:
(1)なぜレーベンスボルンという考がうまれたのか
正式名称は、「社団法人 生命の泉」(Der Lebensborn e.V.)で、つまり、国(第三帝国ですが)から認められ支援された団体でした。その目的は、ナチス、とりわけハインリヒ・ヒムラーの政策で有名なように、ドイツ人のアーリア化と、さらに、純粋なアーリア人のエリートを育成するためです。
(2)なぜレーベンスボルンを実施しなければいけなかったのか
ドイツには、ユダヤ人という劣等民族の血やその他の非ゲルマン系の血も混ざっていました。強いドイツを再建するには、雑種は徹底的に排除して、優れたアーリア人種を育てなければならないということです。
さらに重要な問題として、当時の出生率が挙げられます。第一次大戦後ドイツの出生率は、1920年には894.978人だったのですが、1932年には516.793人へと激減しました。これは当時のどの先進国にも見られなかった問題だったようです。
また、第一次大戦では多くの男性が亡くなりましたので、女性の人口が過剰になりました。200万人以上も女性が過剰で、そのためか堕胎の件数も増え、さらに堕胎のために毎年3万から4万人の女性が死んでいたということです。いろいろ計算すると、とにかく、ドイツ人の未来を担うべき生命が無駄に失われていたということでしょうか。
そこで、母と子を支援する団体がつくられます。「生命の泉」もその流れにのって作られました。1935年の12月12日、ベルリンに「社団法人 生命の泉」が創立されました。
(3)レーベンスボルンが行われたことにより何がどのように変わったか
1936年8月15日に「生命の泉」の最初の施設「ホッホラント」がオーバーバイエルン地方のエーベルスベルク近くのシュタインヘーリッヒに開かれました。当初はお母さん用30ベッド、子供用55ベッドだったのが、40年までには二倍のベット数になりました。
これに応募しても、厳しい検査があったので、その競争率に勝ち抜くのは難しかったようです。しかし、戦争によってますます若い人口が危機になるにつれ、後にはその厳しい理念も妥協せざるを得なくなり、ある程度は質より量という感じになったようです。
さらに、ドイツだけでは足りないので、他の国でもアーリア人種を増やそうと頑張りました。
施設の場所(あ、ドイツ語のHeimというのは、日本でも○×ハイムなどと使われているように、「うち、養護施設」という意味があります)
M=母親 K=子ども
"Hochland" (1936 - 1945)
- 50 ベッドM / 109 K
"Harz" in Wernigerode (ハルツ地方) (1937)
- 41 M / 48 K
"Kurmark" in Klosterheide (マルク地方) (1937)
- 23 M / 86 K
"Pommern" in Bad Polzin (今はホーランド領) (1938 -1945)
-60 M / 75 K
"Friesland" Gut Hohehorst in Schwanewede (ブレーメンの近く)(1937 - 1941)
-34 M / 45 K
その他 いくつか
オーストリアの施設は、"Ostmark"、 "Alpenland"、 "Heimstaett" 、
その他、ルクセンブルク、ベルギー、フランス、オランダにあり、
なかでもノルウェーは特別に多いです。
1944年9月30日までに、6.584人のノルウェー人女性が出産のための施設に入りました。
Heim Geilo (1942)
- 60 M / 20 K
Kinderheim Godthaab (1942)
- 165 K
Heim Hurdalsverk (1942)
- 40 M / 80 K
Heim Klekken (1942)
Heim Bergen in Hop bei Bergen (1943)
- 20 M / 6 K
Kinderheim Stalheim (1943)
- 100 K
Stadtheim Oslo(1943)
- 20 M / 6 K
Stadtheim Trondheim« (1943)
- 30 M / 10 K
Heim Os
-80 K
.
出生(ノルウェーを除く)
31. Dezember 1939 1.371人
31. Dezember 1940 2.408
1. April 1942 3.477
30. September 1943 5.047
11. Mai 1945 7.000 - 8.000
ノルウェーでは約9000~12000人と言われています。
ということで、少しは子どもが増えたとは言えるでしょう。(こんなコメントで申しわけありませんが)
このレーベンスボルンの子どもたちは、
もちろん親も誰かわからず、戦争孤児のように悩んでいるということです。
もちろん、今ではかなり高齢ですが。
すいません、これくらいしか調べられませんでした。
少し自分のためにはなりませしたが・・・
参考URL:http://www.shoa.de/content/view/183/114/
No.4
- 回答日時:
ナチス・ドイツでは、よりよい遺伝子を持った民族の育成のために、
・民族の優れた遺伝子の培養(レーベンスボルンなど)
・民族の不適な遺伝子の排斥(精神障害者等の抹殺、ユダヤ人抹殺など)
といった政策が行われました。これを優生政策といいます。
レーベンスボルンを実施しなければならなかったというよりも、
優生政策の一環としてレーベンスボルンがあったということです。
一般的には、不適な遺伝子は「断種」(子孫を残させない)という形で排除され、
「抹殺」までくると、ちょっと方法が違うという面はありますが。
こういった優生政策は、
アメリカや北欧などでも
知的障害者や精神障害者の断種という形で行われました。
ダーウィンの進化論を人間に適用することを狙った
20世紀の流行(狂気?)とも呼ぶべきもので、
ドイツに限らず各国で連携して行われていたようなものです。
ただ、極めて粗雑な考え方であり、
これで人類が改造されるということはありませんでしたが。
日本でも行われており、ハンセン病患者の断種はその一環です。
関連書籍を読むと、状況がわかると思います。
入門書として以下の書籍を挙げておきます。
『優生学と人間社会―生命科学の世紀はどこへ向かうのか―』米本昌平他(講談社現代新書)
他にもAmazonで「優生学」「優生思想」等で検索してみて下さい。
No.3
- 回答日時:
ナチスの「純粋なゲルマン人信奉」を実行した施策ですが、このような優性学的思想は日本、アメリカにも存在して、医学上の知識を蓄積するため関東軍の731部隊では生物兵器の人体実験を行っていました。
アメリカでは医学実験を死刑囚の応募者に対して薬剤投与実験を行ったといいます。
アメリカは731部隊の実験結果を入手する為、戦犯訴追を免除する約束をした位です。
当然医学知識は進歩し人類に貢献する意味はあります。 しかし全面的に賛成するものではありません。
No.2
- 回答日時:
ナチス・ドイツの「優性政策」の一環だったと考えればいいのでは。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hb/a6fhb7 …
細かい情報はなかなか「お手軽」に入手できるものではないと思います。関連書籍を当たってみては。
参考URL:http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hb/a6fhb7 …
No.1
- 回答日時:
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