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タイトルのとおり、金とパラジウムを基板にスパッタして堆積させたいのですが、一般的に用いられるSiO2の基板などは貴金属との接着がよくありませんので間にクロムを挟むのが通常です。ですが私は間に何も挟まないで直接基板に金・パラジウムを堆積させたいのです。そこで直接堆積できるような貴金属と接着性が良いような基板はないものかと困っています。サファイア基板などはどうなんでしょうか?どなたか詳しい方お教え下さいますととてもありがたいです。宜しくお願いします。

A 回答 (1件)

一般に、熱膨張係数(熱膨張率を温度差で割ったもの)は、金属の方がセラミックスよりも数倍程度大きいです。

すなわち、熱膨張している特定の温度から室温に冷却すると、金属の方がより収縮します。
さて、スパッタリングにおいて、SiO2(クオーツ?)などの基板にエネルギーの大きい(温度の高い)金属のクラスター(スパッタ粒子)を堆積させると、クラスターが冷えて固化する際に収縮します。一方、セラミックス基材は、熱膨張係数が小さいため、あまり収縮しません。したがって、この金属とセラミックスの熱膨張係数の差ため、金属のスパッタ皮膜にはひずみが残り、密着性は悪いものになります。
一般に、密着性を上げる対策としては、ご質問のように金属を間に挟むことなどが行われるのですが、基材に直接スパッタする場合は以下の戦略的アイデアが適用できると思います。

1.熱膨張係数のより大きな基板を用いる。
(SiO2よりもアルミナ(サファイヤ)の方が、熱膨張係数が大きいので密着性を上げるのに有効です。また、可能ならば金属製基材に切り替えてください) 
2.基材を加熱しながらスパッタリングを行う。
(基材を冷却する際の収縮を大きくすることで、金属皮膜との収縮率差を小さくする)
3.基材の表面を荒らす。
(スパッタ皮膜は、ボンバードメントと言って、基材表面に衝突するクラスターとの高温反応が部分的に起こる場合がありますが、基本的には、スパッタ皮膜の密着性は、物理的な噛み合い(アンカー効果)によるものです。より、表面を荒らすことで、密着性を改善することができます)

   
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
私、基板にスパッタ等のことについて知識が乏しいもので。
SiO2と貴金属の接着性が悪いのはSiO2が酸化物であるから悪いのだろうな
・・・ぐらいしか考えておりませんでした。
とても参考になる回答・アドバイスありがとうございました。とても助かります。

お礼日時:2005/09/26 12:25

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