地平線上の月を見るのと天頂あたりで見る月とでは、
天頂の月が小さく見えます。
何故ですか?
過去の質問も見たのですが・・・
どうも心理学的な錯覚とのことですが、いま少し詳しく教えて下さい。
もしかすると心理学のカテゴリーで質問したほうがよかった?
【過去の似た質問】
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1465354
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=849569
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=603355
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
【月の錯視】の問題は【知覚バイアス】で説明するのが適当と思います。
「月の錯視」は、古代ギリシャのアリストテレスの時代から謎とされている有名な現象です。錯視の量を測ってみると、地平の月は天頂の月より2~3倍も大きく見えると言われています。これだけ大きな【錯視】は他に類を見ません。
実はこの錯視の原因は完全に解明されていません。もっとも有力な仮説は、地平の月には風景など距離の手がかりがあるためだという説です。手がかりがあることで、奥行き感が生じ、そのため月は遠い距離にあると【脳】で判断されます。その結果、ポソゾ錯視と同じように、遠くにあるものはサイズが大きくなるように【知覚的】に補正されるのです。
ロックとカウフマンは1960年代に月の錯視をくわしく研究しました。彼らはプラネタリュームで実験し、完全な暗闇ではほとんど月の錯視が起こらないことを発見しました。さらに屋外で人工的に作った月の像を比較する実験を行い、地平の風景が見える場合と見えない場合では、前者の方が1.34倍大きな月に見えることも報告しています。
このように大きさの知覚は、周囲の環境の手がかり次第で変化してしまうのです。
もう少し掘り下げて考えて見ますと【網膜像にうつる真実】と【網膜に映った真実を脳で解釈し見る事実】は異なります。そうですね・・・。身近な例で視覚では少し前のデジカメで写す写真は手ぶれに問題がありました。私たちも動いているので網膜でも真実、画像はぶれているのです。ここに脳での処理(補正)があり、像をぶれずに認識しているわけです。
このような【知覚の恒常性】は誰もが生まれつきもっている基本特性ですが、知覚の構えや期待、経験など個人的な要因の影響があることも知られています。
一般に距離や方向、対象の属性などの手がかりが豊富なほど、恒常性は強く働き、手がかりが少ないほど弱まってしまいます。ということは、同じように何かを見ても、そのものや環境についての知識や経験をもっていて、見たものに手がかりをたくさんみつけられる人には、恒常性が強く働くのです。
恒常性が強く働くほど、網膜に映った画像情報は大きく変容してしまいます。その意味で、私たちが見ているものは、網膜像という外界の投射を正しく反映したものではありません。私たちの脳は、無意識的な推論によって、網膜ではなく、対象そのものをできるだけ正確に再構成しようとしているのです。
そして、これらの情報処理のおかげで、私たちは時々刻々変化する情報を補完し、その大きさ、形、明るさなどの特徴を安定して知覚することができるのです。
だいぶ、知覚心理学の領域にきました・・・。
この辺りでご理解いただけたでしょうか。不明な点があれば補足質問ください。
ご回答ありがとうございます。
だいぶ納得してきました。
しかしながら目で見ている真実と脳で補正解釈している事実が、
異なるのはほんとビックリです。
映画、マトリクスの世界はデフォルメされてるとはいえ、
認知心理学・知覚心理学の領域を考えるに
一面真実ですねー。
No.9
- 回答日時:
>太陽の場合は間違いなくその大きさは一定です。
>というのは、コロナ(太陽外側の炎)を観測する時にコロナグラフという太陽光を遮る円盤を使うのですが、これの大きさは常に1種類で足りるのです。
太陽の大きさも変化します。コロナグラフの円盤が1種類なのは太陽のふちギリギリを隠しているのでなく、余裕を持って大きな円盤で覆っているからです。
ですから、太陽表面ごく近傍のコロナは観測できません。観測機器の発達した今でも、皆既日蝕でコロナを『学術的に』観測(研究)する意義は、ここに有ります(皆既日蝕の際にしか見られない)
No.7
- 回答日時:
no3で答えた者です。
関連したホームページを見つけたので紹介します。
このページによると「見かけの距離説」(No4さんNo6さんと同じ?)と
「凝視角度説」(No4)などがあって前者のほうが有力とあります。
>【網膜に映る像】と【脳で認識する像】に違いがあるのでしょうか?
違います。脳が情報を処理するとき解釈が入るということです。
解釈による錯視で顕著なものに「クレーター錯視」というのがあ
りますので気になったらネットで検索してみてください。
おもしろい絵がみつかるでしょう。
参考URL:http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~xshimizu/html/psy …
No.6
- 回答日時:
今晩は。
私も錯視らしいとは知っていたのですが、どのような錯視なのか不思議に思っていました。昨年の朝日新聞の日曜版の「目の冒険」(錯視の話)の記事(一つの画面の中に、水平線近くと30度位上空の両方に月を配した図が載っている)が手元にありますが、その図を見る限りではNo4様のご意見に近い考え方です。
上空を見上げたとき、人は無意識に空を半円球の奥行きのあるものと認識し、地平線近くの空を見るときは周りに見える風景や建造物の距離の近くに空があるかのような、つまり上空の空よりも奥行きがずっと浅くみえるような錯覚をしているように思われますがどうでしょうか…?
そのような奥行きの無い浅い面に月が張り付いているとの無意識の認識の結果として月を近くに認識し、周囲の物体と比較して大きいと思うのではないでしょうか?
こんばんわ^^v
ご回答ありがとうございます。
難しいですね・・・。
【無意識の認識】につきもう少々お教えいただければ嬉しいです。
No.5
- 回答日時:
地平近くにあるときの月を 筒状のもので月以外が見えないようにして見てください
そのときの大きさを筒の径との比較で記録してください
月が昇ってきて天頂近くになるまで 何回か同様に観測してください
これで、大きさが変わらなければ目の錯覚が実感できるでしょう
明らかに違いが判るほど大きさが変わっていたら、そのときは・・・
アドバイスありがとうございます。
試してみます。
真実としては同じ大きさであることを頭の中ではわかっているのですが、
なぜ地平線上の月を見るのと天頂あたりで見る月とでは、
天頂の月が小さく見えるように認識してしまうのかを知りたいのですが・・・
No.4
- 回答日時:
諸説あるようですが、自分が一番納得のいった説は次のようなものです。
天球の形は人によって感じ方が違うが、多くの人が縦につぶれた半球、あるいは浅く切った球のように見ています。
これは雲を見てもそのように見えるのでそれからの類推でしょう。
月や太陽を見るときはその天球上に張り付いたかたちで認識するので、地平線近くの方向の天球は遠いので同じ大きさに見えていれば大きいはずと判断する。
地平線近くの月を、周りを囲って月だけを見たときに小さく見えるのは、比較対照をなくしたからではなく、天球上の位置が分からなくなったから。
ちなみにこれとは関係ないですが、月の大きさは実際に季節変化します。
ご回答ありがとうございます。
>地平線近くの月を、周りを囲って月だけを見たときに小さく見えるのは、比較対照をなくしたからではなく、
>天球上の位置が分からなくなったから。
難しいですね・・・
物体の位置がわかり難いとものは小さく見えるのですか?
>月の大きさは実際に季節変化します。
ええええぇぇ!!
知らなかった。何故季節変化するのでしょう?
No.3
- 回答日時:
私が思うに見上げる角度による錯覚の効果が大きいのではないかと
思います。
これを確認するもっとも簡単な方法は、地平線近くにある月を見る時
普通に見るのではなく背中を仰け反って逆さまに月を見ることです。
例えば30度見上げてみていたものを150度見上げて見てみます。
こうしてみて、小さく見えたら大成功です。
この効果は個人差もあるようですので一度お試し下さい。
このような錯覚は実生活における適応のためであると考えられています。
たとえば真上に5メートルの高さになっているリンゴと5メートル離れ
た所の5メートルの高さになっているリンゴを見た時を考えましょう。
リンゴの大きさが同じなら、後者のリンゴのほうが網膜には小さく映る
わけですが、脳はこれが同じ大きさであると認識する必要があります。
逆に網膜に同じ大きさの像が映った場合には、前者の(真上の)リンゴ
を小さいと認識するわけです。このような適応が天空の月を見る場合に
も影響しているのでしょう。
ご回答ありがとうございます。
>背中を仰け反って30度見上げてみていたものを150度見上げて見てみます。
うううぅぅ・・・
からだが硬くて出来ません(TT)
りんごのお話は興味深いです。
>リンゴの大きさが同じなら、後者のリンゴのほうが網膜には小さく映る
>脳はこれが同じ大きさであると認識する必要があります。
言われてる内容はわかるのですが・・・
大きさは異なって見えるのものを脳で【距離を勘案】【意図的に認識】し、同じ大きさのりんごと認識するのでは・・・
【網膜に映る像】と【脳で認識する像】に違いがあるのでしょうか?
最終的には脳が判断することなのでしょうが・・・
No.2
- 回答日時:
同様の現象は太陽にもありますよね。
夕日はでかく、日中は小さい。
ところが、太陽の場合は間違いなくその大きさは
一定です。
というのは、コロナ(太陽外側の炎)を観測する時に
コロナグラフという太陽光を遮る円盤を使うのですが、
これの大きさは常に1種類で足りるのです。
つまり、太陽の大きさは変わっていないというわけです。
おそらく月も同様でしょう。
赤が膨張色であること、比較物があること
この2つが主原因だと思われます。
参考URL:http://www.isas.jaxa.jp/home/solar/corona.html
No.1
- 回答日時:
数ヶ月前?に,新聞記事で解説されていました。
記事によると,諸説があるが,実は現代の科学でも本当の理由は分かっていない,とのことでした。
「諸説」としては,(たぶんご存じだと思いますが),赤が膨張色なので大きく見えるという説,周りの建物との比較で大きく見えるという説,など(他にもあったと思いますが,忘れてしまいました・・・)が紹介されていました。
早速のご回答ありがとうございます。
>数ヶ月前?に,新聞記事で解説されていました。
あああぁぁぁ・・・見たい!その記事。
>諸説があるが,実は現代の科学でも本当の理由は分かっていない
そうですか・・・
まだ、分からないのですか。
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