人生最悪の忘れ物

専門家の方にお尋ねします。先日WAIS-Rを授業で実施したのですが、私の検査結果は言語性IQと動作性IQに30点近く差があり、動作性IQが77点でした。結果を見た先生から「動作性LDだね」と言われました。日頃から、注意力や観察力が人より劣っているとことは実感していたのですが、動作性の能力になんらかの障害があるということでしょうか?専門的に検査をしていただいたほうがよいのでしょうか。回答よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

授業で実施した検査で,そのような結果が出て,しかも教員から“動作性LD”といわれ,心配になられたことと思います.



直接のお答えにはならないかも知れませんが,心理アセスメントを正しく実施するためには,以下の点に留意が必要です.

1.心理検査(WAIS-R)を正しく実施すること
授業で検査を実施したと言うことですので,お互いに初心者同士が検査を実施し合ったのではないかと思います.
想像するに,マニュアルと首っ引きでの検査実施だっただろうと思います.
そこで,まずは,実施方法や,採点に誤りがなかったかをよく確認する必要があります.

2.言語性IQと動作性IQとの差(ディスクレパンシー)について
従来は,15以上の差があれば,有意な差があるという見解が取られていたと思います.
マニュアルに,このディスクレパンシーについて,どのくらいの差があれば,有意差といえるかや,30という差がどの程度の頻度で出現するものかが示されていると思います.
以上の点について,マニュアルを調べてみてください.
そして,本当に意味のある差ということが確認できたら,質問者自身の日常行動や,学業成績などと比較して,質問者自身の特徴と,確かにいえるかどうかを検討してみましょう.

3.検査結果と日常行動などとの関連性の確認
2.の最後に書いたこととも関連しますが,検査結果(IQで見られる知的水準,下位検査のプロフィールなど)が,質問者自身の日常行動の特徴や,学業成績などと一致したものであるかどうかをご検討下さい.
検査結果というのは,質問者自身についての,その検査を通して得られたデータの1つと位置づけられます.
つまり,検査は,客観的な測定が実施できるよう作られてはいますが,正しく,マニュアルに沿って実施し,その範囲で,被検者の最大能力を測定しなければなりません.
また,100%客観的な測定が常にできるわけではありません.
被験者の体調などによっても測定誤差が現れる可能性があります.
さらに,得られた結果は,上述のように,検査を通してみた被験者の特徴についての「仮説」です.
したがって,得られた結果と一致する観察所見があるかどうかを,主に日常行動や学業成績などと比較・検討し,両者で一致した見解が得られたものが,被験者の特徴とみなします.

場合によっては,WAIS-Rの「プロフィール分析」を実施して,同様に,それを支持する証拠があるかどうかを検討してください.

*これらについては,次の文献を参考になさってください:
小林重雄・藤田和弘・前川久男・大六一志・山中克夫(編):日本版WAIS-Rの理論と臨床―実践的利用のための詳しい解説― .日本文化科学社.5,040円,ISBN4-8210-6359-.

4.診断
LDを初め心理・行動の障害についての診断は,心理検査の結果だけでは行えません.
診断基準に照らして,それらが当てはまるかどうかで診断をします.
DSMや,ICDという診断基準・疾病分類もありますので,参照してください.

基本的には,以上の通りです.
ご心配であれば,心理アセスメントの専門の先生にご相談になられては如何でしょうか?

ただ,単に臨床心理士や,臨床心理学の教員でも,専門領域がありますので,知的能力のアセスメントや,発達障害が専門の先生に相談されることをお勧めします.
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この回答へのお礼

VZb04330さま

お礼を申しあげるのが大変遅くなってしまい申し訳ありません。とても丁寧な回答をいただき、本当に感謝しております。

先生から「LDだ」と言われたことで、とても気に病んでいましたので、専門的な回答をいただいて、安心しました。

おっしゃるとおり、初心者でマニュアルと睨めっこしながら実施しました。結果については、もう一度吟味するとともに、教えていただいた参考書で調べてみたいと思います。

本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/04/26 21:44

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