この人頭いいなと思ったエピソード

現在、脳について勉強しています。ブロードマン52の領域について勉強しているのですが、理解するのに困っています。以下の質問の回答を教えていただけないでしょうか?

質問(1)
いつも思うのですが、ブロードマンを説明している脳の画像は脳を側面からしか表示していません。反対側の側面も全く同じ領域なのでしょうか?

質問(2)
左半球を損傷すると、どのような障害がでるのでしょうか?

質問(3)
右半球を損傷すると、どのような障害がでるのでしょうか?

A 回答 (1件)

こんにちは。


一般的なことしかお答えできませんが、お勉強の途中でふと行き詰まってしまったということでありますならば、一度簡単に整理をしておいた方が良いと思います。

>いつも思うのですが、ブロードマンを説明している脳の画像は脳を側面からしか表示していません。反対側の側面も全く同じ領域なのでしょうか?

脳に限らず、我々動物の神経系は全てが左右二系統に分かれており、ほとんどのものが「対称性」を持っています。ですから、基本的には大脳皮質も「左右対称」で、全く同じ機能が局在・分布しています。
但し、主に中枢系ではそのバランスが少々偏っておりまして、例えば多くの哺乳動物では機能局在とは別に大脳半球が「優位半球」と「劣位半球」に「機能分化」しており、それぞれが作業を補い合っています。また、我々人間の言語野といいますのは、この「機能分化」がたいへんはっきりとしておりまして、右利きのひとで約95%が左脳の言語野を言語中枢として使っており、左利きでは50%以上が右脳のものを使っています。ですから、人間の脳内に「言語野」という領野が特定されるというのは「機能局在」なのですが、「言語中枢」が左右どちらにあるのかというのは「機能局在」ではなく「機能分化」の方に属します。極少数ですが、左右両方使っているひともいるそうです。

>左半球を損傷すると、どのような障害がでるのでしょうか?
>右半球を損傷すると、どのような障害がでるのでしょうか?

大脳皮質が司る「感覚系」「運動系」の末梢神経は個体発生的な要因によって「交叉性投射」という一貫した構造を持っており、基本的には、左半球の損傷は右半身の障害、右半球の損傷は左半身の障害となって現れます。
運動神経系は皮質脊髄路を下降する過程でみな「脊髄交叉」を行いますので、左脳・運動野の損傷はそのまま左半身の運動機能障害となり、運動連合野での障害は随意運動の組み立てに不具合が発生します。表在感覚や内臓感覚もほとんどがこれと同じで、左半身の知覚性投射は右脳・知覚野の方に入力されます。知覚野では同側の知覚障害、知覚連合野の損傷は認知障害や記憶障害などの原因になります。
これに対しまして、視覚や聴覚では交叉と非交叉が同等の「半交叉」いうのが行われており、例えば両眼の知覚は左右・両知覚野にほぼ半分づつ投射されています。また、右脳・左脳の機能分化といいますのはたいへん広域なものでして、役割分担もそれほど明確なものではではありません。ですが、同じ機能分化でも言語機能の分化というのはたいへんはっきりとしていますので、言語中枢の破壊による言語機能の喪失というのは、脳医学の歴史の中でも超有名格になっています。
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