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最近スイングなどジャズ調の曲がはやっていますよね。私もスイング系の音楽が大好きです。一口にジャズといってもかなりいろんな種類があると思いますが、どういうものを含むのか教えてください。

A 回答 (5件)

こんにちわ



ジャズとひとくちにいってもほんとに色んな種類があって、「え?これもジャズなんですか!?」と驚かれることが多いと思います。

20世紀の大衆音楽としてもっとも各方面に影響を与えたジャズは、ほぼ10年単位で成長変化発展をしていきました。

では、それらの中から実際に音を聞いてみて確かめてみて下さい♪

1:世界最初のジャズ録音
http://www.amazon.com/gp/product/B000002WTQ/sr=1 …
こちらの試聴コーナーにある「Livery Stable Blues(馬小屋のブルース)」と「Dixie Jazz Band One-Step」が、1917年に録音された世界最初のジャズのレコードです。

こういうスタイルを「デキシーランド・スタイル」といいます。
1910-1920年代のスタイルです。
この試聴欄にある「世界最初のジャズレコード」は、実は白人のバンド(オリジナル・デキシーランド・ジャズ・バンド、略してODJBとよく呼ばれています)なんですよ。
ジャズは黒人からはじまったはずなのに、おかしいですよね??
実は、本当の「世界最初のジャズ録音」は、本家本元の黒人プレイヤー、フレディ・ケパードに依頼をされていたのですが、「レコードって一体何だ? おれの演奏が誰にでも簡単に再生できるのか? それではおれの秘伝の技が盗まれてしまうから困る、お断りだ!」と返答されてしまったために、当時は二流だった白人のODJBが歴史的な初レコーディングを果たすことになりました。
(上記のサンプルは、今私たちが試聴しても「これって上手なの?」と思いますよね^^。その理由はこんな裏話があったのでした)
しかしこのケパードの返答は、当時めちゃくちゃだったはずの著作権の意識が、フレディ・ケパードという無学な黒人が期せずして非常に高い意識を持っていたことがわかり、非常に興味深いものがあります。



2:スイング
1930年代中期から、1940年代前半に栄えたのがスイング、とよばれるスタイルです。
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こちらの試聴コーナーにある曲はほとんどが「典型的なスイングとは何か?」がわかるようになっていて便利です。
ここの多くの曲がそうであるように、大編成のオーケストラ(ビッグバンド)でダンスホールの伴奏として栄えました。
しかし当然ながら、この試聴欄の15-18番(Quartet,Quintetと表記されている演奏)のように小編成のスイングバンドもありました。
(巨大なダンスホールが当時の商売として栄えたことからこの時代にビッグバンドが特に目立つ結果となりました。同じ理由から、この時代は特に白人のバンドが「商売として」非常に栄えたことで知られています。)

3:最初のモダンジャズ「ビー・バップ」
1940年代の中期頃、ジャズに「大革命」が起きました。
それまでのジャズではあまり用いられなかった5番目の音をフラットさせる風変わりな手法や、非人間的ともいえるほど跳躍のはげしいフレーズが、チャーリー・パーカー(アルトサックス)とディジー・ガレスピー(トランペット)の二人の黒人を中心に普及されました。
これがモダンジャズのはじまり「ビー・バップ」です。

http://www.amazon.com/gp/product/B0009Q0EQ0/sr=1 …
この試聴欄で、激しく跳躍する、これよりほんの数年前のスイングと比べて、まるで別の種類の音楽と思える「革命的サウンド」を感じ取ってみてください。

4:モダンジャズ花盛り1950年代
この1950年代の十年間は、ジャズの歴史において大変な豊年満作の十年間でした。
●あまりに跳躍の激しすぎるビー・バップに代わり、洗練された「ハード・バップ」
http://www.amazon.com/gp/product/B00005MIZ8/sr=1 …
こちらでアート・ブレイキーのクインテット(のちにジャズメッセンジャースというバンド名になって非常に人気が出ました)によるハードバップの例を試聴してみてください。

●ロサンゼルスとハリウッドで白人を中心に栄えた「ウエスト・コースト・ジャズ」
http://www.amazon.com/gp/product/B000001CQF/sr=1 …
こちらで、白人アート・ペッパーの例を試聴してみてください。
あぶらぎったエネルギッシュなニューヨークの黒人に比べて、さらりとしたドライでおしゃれな感覚を感じ取っていただけると「ウエストコーストジャズ」の真髄がおわかりいただけることになります。
(しかし、上記の黒人アートブレイキーたちによるハードバップと、音楽理論上の内容は同じ演奏手法であり、これは音楽的には単純に雰囲気の違いにすぎません)

●ハードバップの進化(深化)型としての「ファンキー」
http://www.amazon.com/gp/product/B0000AC8N9/sr=1 …
こちらの試聴欄の13番「Opus De Funk」という曲が、音楽の歴史において始めて「ファンク」という単語が使われ世に出た作品として非常に有名です。

http://www.amazon.com/gp/product/B000005H4X/sr=1 …
こちらの試聴欄の1番「Moanin'」は大変なファンキーのヒット曲で、日本でもおそば屋さんの出前のお兄さんが鼻歌で歌いながら自転車をこいだ、という伝説!?もある名曲です。
くどいほどにブルーノートを多く使用するファンキーの特徴を感じ取っていただけるとOKです。
また、ファンキーでは特に黒人キリスト教会のゴスペルとの融合がなされて宗教的な題名が主題(「Moanin'」など)になっていることも特徴です。

5:1960年代
●なんでもアリに行き着いた「フリージャズ」
http://www.amazon.com/gp/product/B000002I55/sr=1 …
おおよそ、健全?な音楽的発展を10年毎にとげてきたジャズですが、とうとう新しいことをやることがなくなってきたドンづまりから、フリージャズが生まれました。
試聴欄から、そのなんでもアリぶりを感じ取ってみてください。

●あたらしい秩序の「モード(新主流派)」
http://www.amazon.com/gp/product/B00000IL29/sr=1 …
それまでの「コード(和音)」で音楽を構成していたジャズが行き場を失って、フリージャズに進んだ者と、和音よりももっと行動範囲が広くてなおかつ秩序が立てられる音階(モード)でジャズを演奏する者とが分かれましたが、モードはその後21世紀の今でもずっと主流に位置するジャズとなりました。

6:1970年代
ロックに恋したジャズ「クロスオーバー」
http://www.amazon.com/gp/product/B000002AGP/sr=1 …
この時代になると、すっかり「ポピュラー音楽」の主流はロックが王座を占めるようになっていました。
あたらしいジャズを切り開こう、としたジャズメンたちの苦悩は、ロックと融合する方向に進み、ジャズ単独での発展はここでもうおしまいになってしまいました。

7:1980年代
●「フュージョン」って何だ?
1970年代に始まった「クロスオーバー」が、そのまま十年後には「フュージョン」と名前を変えて呼ばれることの方が多くなりました。
「十年ごとに何か新しいジャズ」が欲しくてたまらなかったジャズ界の商業的な意味での苦肉の策としての名付け、と言えるかもしれません…。
ロックのリズムに乗せて、モードのアドリブを展開する、という手法自体はそのままイコールでクロスオーバーのままです。
http://www.amazon.com/gp/product/B0000001SC/sr=1 …
こちらのブレッカー兄弟バンドは、大変人気のあった一例です。


●ジャズの先祖帰り「新伝承派」
http://www.amazon.com/gp/product/B0000025OI/sr=1 …
どん詰まりのジャズ界に突如、彗星のごとく現れた天才少年ウィントン・マルサリスは、ジャズ界の期待を一身に背負っていましたが、彼のこころざした方向はモードによる1960年代の演奏手法を基本に、とことんジャズの伝統に逆戻りして「ジャズとしての様式美」を再認識再定着させる哲学でした。
「新伝承派」と「新主流派」は演奏された年代と中心となる奏者が異なるだけで音楽的手法はいずれもモードによる手法になっています。

8:1990年代
●アシッドジャズとヒップホップ
http://www.amazon.com/gp/product/B00000IWV0/sr=1 …
それまでずっとアメリカにあったジャズの中心が、一時的にロンドンへ行ったのがこの時期でした。
ロンドンのクラブDJがはじめた怪しい薬物(アシッド)を吸いながら催されたパーティーでの音楽、として、既存の古いモダンジャズのレコード音源と、現在のプレイヤーの生音のミックスや、ラップとの融合が行なわれました。
これも広い意味での90年代版クロスオーバー(フュージョン)と言えるかもしれません。

★マイルス・デイビスについて
…実は上記の例にはひとつも出てきませんでしたが、1940年代から90年代まで、亡くなる直前まで「その時代ごとの新しいジャズ」の第一線にいつづけた重要な大スターが、黒人トランペット奏者 マイルス・デイビスでした。
この人の足跡をたどることが、そのままイコールで、20世紀モダンジャズの足跡をたどることになります!
ぜひ、第二段階として自習してみてください。
http://en.wikipedia.org/wiki/Miles_Davis

…と、ここまでが私が一生懸命勉強してきた20世紀ジャズのあらましです。
いろいろな書物や資料を参考に、「あなたのジャズ」をさがしてみてください♪
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すみません、とても大事なジャズを一つ抜かしていました…



#これを抜かすと辛口評論家!!のosietenick さんに大目玉をいただいてしまうのです^^;
>osietenick さん、加筆修正等どうぞよろしくお願いしますm(_,_)m

1940年代の末から50年代の初めの一時期、「クール」とよばれるとても印象的な白人ジャズがありました。
(ウィキペディアの「クール・ジャズ」の項目では「創始者はマイルス・デイヴィスと言われ、彼のアルバムクールの誕生がその起源とされている。」と明記されているのですが、これは制作販売元のキャピトルレコードという会社がレコード販売上の営業的に名付けた題名でした。)
#多分、このウィキペディアの項目を投稿された方はクール・ジャズの専門家のかたではない様子です…


ところが「クール・ジャズ」という単語がこれまたくせ者で、よくジャズファンはまどわされてしまうのでした…

#2の先生が示してくださっているウィキペディアの
クール・ジャズ

* レニー・トリスターノ (1919-1978)
* リー・コニッツ (1927-)
* スタン・ゲッツ (1927-1991)
* ジョージ・シアリング (1919-)

…の項目にあるうち、レニー・トリスターノとリー・コニッツのふたりは、「演奏スタイル的に純粋な意味での(狭義の)クール」とされて、後半のスタン・ゲッツとジョージ・シアリングは広い意味で「(風俗的流行としての)クール・ジャズ」と言わることがあります。

その「純粋なクール」の代表作をこちらから試聴してみてください。
レニー・トリスターノとリー・コニッツ(アルトサックス)の師弟による歴史的な名盤です。
http://www.amazon.com/gp/product/B000000YAD/sr=1 …
激しく上下に跳躍するビ・バップと対照的に、ふわふわと横方向に浮遊するようなムードを感じ取っていただけましたらOKです。
この「横方向のふわふわ感」のことを「トリスターノ派のホリゾンタルライン」と呼びます。
また、凍りつくようにぞっとするような冷たいフィーリングもつかんで頂けましたら尚ベターです。

レニー・トリスターノは盲目の白人ピアニストなのですが、人格的に少し変わり者といわれていて、私塾の形で弟子を教える以外にはほとんど他のジャズメンとの交流がありませんでした。
そのため、弟子達のことを含めて「トリスターノ派」と呼ばれています。
この「外部から孤立した一派の音楽」のことを狭い意味での本当のクールだ、と賞讃することがよくあります。



スタン・ゲッツの「クールサウンド」の代表としては次の作品を試聴してみてください。
http://www.amazon.com/gp/product/B000000Y6Z/sr=1 …

また、ジョージ・シアリング・クインテットの代表作としては次の作品を試聴してみてください。
http://www.amazon.com/gp/product/B000000D70/sr=1 …
こちらの試聴欄にある、
Lullaby Of Birdland(バードランドの子守唄)と
September In The Rain(九月の雨)は、大変なヒット曲として「クールなジャズ」の大衆的な推進役となりました。

スタン・ゲッツやジョージ・シアリングのクールは、おなじクールでも、トリスターノ派のような「冷血」的なおぞましさや「ホリゾンタルライン」のフレーズは登場していないことがおわかりいただけるとOKです。
クーラーの効いたお部屋でレモンジュースを飲みながら、なんとなくおっとりと聴きたいような…とでも言いましょうか…

…ここで、狭い意味と広い意味でのクールの違い、がなんとなく感じ取っていただけると、もう明日からジャズの通になるかもしれません♪


さて、問題の「マイルス・デイビスのクールの誕生」は、こちらです。
http://www.amazon.com/gp/product/B00005614M/sr=1 …

これは、「トリスターノ派」の弟子のリー・コニッツが参加していますので、コニッツのソロ演奏だけは「ホリゾンタルライン」なのですが、他のメンバーはあとで調べていただくとびっくりするような「黒人ハードバッパー」と「いわゆる知性派白人」の混合バンドになっています。

このバンドは1948年に最初に組織されたのですが、レニー・トリスターノたちの活動はすでに1940年代前半-中期から例の「ホリソンタルライン」で演奏していましたので、そういう意味でもトリスターノ派こそが「狭義のクール」といえそうです。

そして、肝心のマイルス・デイビスはリーダーになってトランペットを吹いているのですが、楽譜は全部他の人々に書いてもらった作品なのでした。
(しかしながら、今までのジャズとはまったく違った新しい非黒人的な音作りをしたい!というアイデアはマイルス・デイビス自身の希望であり、その呼び掛けに賛同して楽譜を書いてあげたのがこの「クールの誕生」の編曲者たちでした。)

…こういう意味で「サウンドクリエイター」としてマイルス・デイビスは以後約半世紀にわたって、つねに「その時代ごとの新しいジャズ」を模索する第一線にいつづけることになりました。

どうぞ素敵なジャズをこれから一杯吸収していってください♪
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この質問を読んだジャズ・ファンのほとんどのかたは回答に困ったと思います。



>スイングなどジャズ調の曲がはやっています
 スイングは「ジャズ調」ではなく「ジャズ」そのものです。

>スイング系の音楽が大好き
 ポップスの世界に「スイング系」というのがあるのでしょうか?

ジャズの中のひとつのジャンルとして「スイング」があるのです。他にはディクシーランド・ジャズ、ビーバップ、クール、ハードバップ、メインストリーム・ジャズ、ウェストコースト・ジャズ、フリー・ジャズ…など、いろいろあります。

質問にある「スイング」の好例としてはベニー・グッドマン、トミー・ドーシーなどの音楽が該当します。

パソコンでいろんなものを聴きたければ、参考URLのサイトを訪れてみては?(フレーム内の Sub channels をクリック、Old School をクリック)

YouTubeに「これこそスイング!」という映像があるのですが、YouTubeのリンクを貼ると、私の回答(またはこのスレッド)が削除対象(OKWave、教えて!gooの規約違反)になる可能性があるので、やめときます。

#1さんの回答にも1票です ^^

参考URL:http://www.accuradio.com/radioframe_noi.aspx?cha …
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ジャズは歴史的にも内容的にも奥深いものですので、一般的に「ジャズとは」というご質問に対しては、導入として百科事典がベストではないかと思います。



参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3% …
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ジャズの定義については、私も何だろう?と疑問に思ったこともありました。

結局、本人(達)が「これはJazzである」と宣言したら、それはJazzなのだっ!と言えば乱暴でしょうか(笑)
私は個人的にジャズに絶対かかせない大切な要素としては「即興演奏」、次に「ブルーノート」、「横ノリのリズム」だと勝手に思っていますがいかがでしょうか?どれもブルースやソウル、ヒップホップ(即興)など、黒人音楽の要素と共通してますね。
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