プロが教えるわが家の防犯対策術!

先ほど、他の方の質問に答えていて、ふと私も質問したくなりました。

といのも、ユゴーの「レ・ミゼラブル」についてです。
これまでの自身の読書遍歴を振り返っても、これほど感動した本はありません。非常に難解ですべてを理解できた訳でもないのですが、断片的にさまざまな印象的なシーンが思い起こされます。
例えば、ジャンバルジャンの生き様。テナルディエの悪漢ぶりを「蟹のような人物(前に歩くことができず、常に後へ、暗闇へと好んで進む人物)」と形容した言いまわし。失敗に終わる革命のシーン…などなど。
しかし「レ・ミゼラブル」を読んだことのある知人というのは、まず周囲にはおりません。この感動を他人と共有できない自分が今ここにいて、すごく寂しいと痛感した次第です。

そこで「レ・ミゼラブル」を読まれたことのある方へ御協力いただきたいのですが、その時の想いを、教えていただきたいと思います。私も記憶がおぼろです。簡単なことで結構です。どうかお気軽にお願いします!

A 回答 (8件)

やっぱり小説なんて読むものではない

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この回答へのお礼

早速の回答、ありがとうございます。
あまりにも、簡潔かつストレートな表現に、思わず笑ってしまいました。

過去にも何度かご回答をいただき(私事ですが引越しの際に、たたみかけるようにこのサイトで質問をしましたので…)、本当に助かりました。この場を借りてお礼申し上げます。今後も、折あらばよろしくお願いします。

お礼日時:2002/03/24 05:13

レ・ミゼラブルは映画、テレビ、音楽、オペラ、絵本などを通じて日本でもよく知られていますが、小説を完読する人は少ないかも知れません。

読後感をうまく知人に伝えられないもどかしさを感じておられるようですが、全てを伝えるのは諦めたほうがいいでしょう。一言で表現、30秒、60秒で概略を語る・・・それはあなたの友人の関心次第です。添付URLにあらすじがよくまとめてあるので、これとあなたの実感を上手くアレンジして相手によって長短を調節して「感動」をうまく伝えてください。私の感想は、感動を覚えたあの昔に戻りたい・・ですね。

参考URL:http://www2u.biglobe.ne.jp/~hiromu/musical/ca_wh …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

おっしゃられる通り、周囲の人間に伝えることは、すでに諦めています。
特に読書家でもない友人・知人にこの本を勧めるほど、罪なことはない
と痛感しております(懺悔)。

ミュージカルは見たことがありませんが、あの長編物語をどのように編集しているのか興味深いです。一度機会があれば、見てみたいですね(同行者は皆無ですが…)。

お礼日時:2002/03/24 13:39

御協力いたします。



読みました、感動しました、悲しいかな忘れました。

幸か不幸か、本のような善人にも、悪人にも会ったことがないような気がします。
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この回答へのお礼

そうですね。感動しても忘れてしまうんですよね。
♯2さまのご回答にもありますが、体を振るわせながら読みふけった日々が、本当に懐かしいです。

>幸か不幸か、本のような善人にも、悪人にも会ったことがない
というのは、深いお言葉です。
果たして現実に、己を捨てて善に徹しきれる人がいるのか、または悪に徹しきれる人がいるのか…でも物語を通じて、疑似体験できるのが小説(や映画)の素晴らしいところだと思います。
確かに、「ジャンバルジャンのような人間でありたい」と夢想したこともあります。あのころは若かった(笑)。

お礼日時:2002/03/24 13:55

私は読んだ時嗚咽をしてしまった記憶があります。


それ以上に記憶に残っている「レ・ミゼラブル」体験は小学校高学年の頃に教師が毎日5分か
10分程度読んで聞かせてくれたことですね。普通に生活していたら一生縁のなさそうなクラス
で一番の悪ガキも楽しみにしていて、名作偉大なりという感じでした。愛も偉大なり~。
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この回答へのお礼

>小学校高学年の頃に教師が毎日5分か 10分程度読んで聞かせてくれた
ものすごい体験ですね。悪ガキをもトリコにしてしまうとは…。
FFMANさんの回答を読んで、改めて本作品を(読める時に)読んでおいてよかった、と思わされます。

といいますのも、働き出して社会人ズレしてくると、「とにかく金を稼いで、経済的に裕福にならないと」とか「負け組には入りたくない」とか、そんなことばかり考えるようになって、「こんな古典大作の郷愁にふける暇があるなら、新聞やビジネス書でも読め!」という社会世相に洗脳されている自分がいます。「『レ・ミゼラブル』なんて口に出すのも恥かしい…」という思いですね。
でも、やはり
>名作偉大なり
ですね!
せっかくの体験を封印することなく、語る相手を間違わず、(特にもうすぐ産まれる)子どもには、しっかりと語っていきたいと思います。(←先走りすぎ)

何か、自分の話ばかりで、お礼になってませんね。
ありがとうございました。

お礼日時:2002/03/24 14:22

coranevilさん、こんにちは。


確かにこの本を読んだ、という人はすごく少ないと思います。私のまわりでも。

私のこの作品との接点は3つです。

まず、5、6歳くらいの時に「ああ無情」という子供向けダイジェスト版(それでもかなり長かった)を読み、波乱万丈のストーリーに圧倒されました。私に「レ・ミゼラブルのストーリーを話せ」といわれると、この時に何度も読んだこの本でのストーリーを言ってしまいます。ダイジェストで子供向けなんでかなり違うのでしょうが・・・。
子供だったため、市民運動とか、ジャベール氏の心の葛藤とか細かいところはわかりませんでしたが、エポニーヌが死ぬところや、最後の場面などは涙うるうるだったと思います。
他に印象に残っているシーンは、コゼットがテナルディエ夫妻に人形を買ってもらえなくて、ジャンバルジャンが買ってくれた人形で遊ぶシーン。人形をあげたのに、コゼットは仕事をしなくてはいけないので、ジャンバルジャンが編みかけの靴下を買ってあげて、じゃあ、遊んでもいいよ、となる場面があったように思います。(でもその本は母に捨てられてしまったのでもうないのです。読み返せなくて残念です)

高校生の頃に、ふともう1度読もうと思った時、新潮文庫版で4冊か5冊あったので、なかなか読む勇気がなかったのですが、夏休みに図書館で借りて一気に読むことにしました。長かったことと、思想や歴史的背景などの描写がくどくて、ストーリーを知らなかったら投げたくなりましたが、人物それぞれに愛着があるので何とか読み通し、やはり偉大な物語だよなあ、と思いました。
でも、いちばん衝撃を受けたのは、フォンティーヌ(コゼットの母)が娼婦だったことでした(汗)。お子様向けの本ではカットしてあったのです。コゼットが病気との偽手紙に騙され、お金を作るため歯を抜いて売ってしまうシーンには泣かされました・・・。そして、物語が長いだけに、最後にジャンバルジャンが亡くなるシーンは深く深く感動します。マリウスが「自分の命を救ってくれたのはジャンバルジャン」と気づくシーンもウルウルしますね。

最後に、だいぶ前、ロンドンに行った時、ミュージカルでも見よう!という話になったので、友人が取ってくれたチケットがたまたま「レ・ミゼラブル」でした。本を読んでなくてもみんななんとなくストーリーを知ってるから、ということだったと思いますが、その時も深く感動しました。
上で書いた重要なシーンは本当にウルウルもの。特にエポニーヌの歌(日本でも島田歌穂さんが歌って有名な歌)の場面はうまくて鳥肌は立つし、涙ぼろぼろで素晴らしかったです。
あのミュージカルは、見る価値ありです!(私はロンドン版しか見ていませんが)
私はその後、またロンドンに行った時にももう一度見に行きました。
前にNHKでロンドン版はダイジェストで2時間くらいで放送されていましたので、またやることがあれば御覧になってみてください。

最後に、ミュージカルが有名になってしまい、この本はついに日本では「レ・ミゼラブル」というのが定説になってしまいましたが、最初の体験があるため、私の頭のなかでは、「あ、『ああ無情』のことね!」といちいち思ってしまいます。
なかなか良い邦題だと思うのですが・・・。(レ・ミゼラブルを直訳すると憐れな人たち、かわいそうな人々なんですよね、確か)
長くなってしまいましてすみません。
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この回答へのお礼

お返事が遅くなってスミマセン。休日なしの徹夜続きなもので…なかなか世俗を離れることができません(笑)。

私も、この物語との最初の接点は「ああ無情」でした(TVアニメで、しかも途中までしか見てませんが)。コゼットがテナルディエ夫婦に虐げられるストーリに、子どもながら「なんて悲しい話!」と憤慨したものです。そういう意味でも「ああ無情」というタイトルはいい訳ですね。この初顔合わせが、いきなり「レ・ミゼラブル」だったら…どうなってたんだろう?何か、うろたえる子どもの頃の自分が脳裏に浮かんできて、笑えます。
大学に入ってから、「レ・~」が原作であることを知り、岩波の文庫本(挿画がすばらしかったのも印象に残っています)に挑戦した訳です。

nya-nya-kさんは「思想や歴史的背景などの描写がくどくて」と言われてますが、本当にその通り。私も苦労しました。しかし、この本が“ただ感動するだけの話”ではなく、後々まで“大切な一冊”として私の心に刻まれたのは、まさにユゴーの(思想というとおこがましいので)社会や人間描写の緻密さに感服したからです。「そこまで書くか」という感じですね。
修道院の話、下水道の話、革命の話、パリーの子どもの話、隠語の話…記憶がおぼろですが、それぞれ1つの本になるくらいの濃密さですよね。
また、革命の描写では、一介の庶民である子どもや老人が、まるで英雄のように描かれています。そんなところに、ユゴーの人々に対する暖かなまなざしが感じられ、ムムっと唸らされたものでした。

ミュージカルは…結構皆さん、ご覧になられてるんですね。「見る価値あり」とか「ロンドン版」とか言われると焦っちゃいます。でも手が届かない!みたいな(笑)。
書籍以外での私と「レ・ミゼラブル」の接点は、パリのユゴーの家に訪問したことです。友人数名と卒業旅行に行った際の出来事ですが、友人からは「せっかくパリに来たのに、そんなトコに行くのか!? もったいない!」という反応をされました。びくびくしながら歴史が息づくパリの街を一人で歩き、ユゴーの家を訪れ、一人18世紀(でしたかね?)にトリップしたものです。
ああ、お礼の項目に書くことじゃないですね。でもキーボードをたたきながら、とても懐かしい気分です。さて仕事の続きでもしようかな…というわけで、拙文を終わりにします。ありがとうございました。

お礼日時:2002/04/01 02:05

 「ああ無情」として私が読んだのは友人の家で、ダイジェスト版でした。

うさんくさい話だと思いながらぱらぱらと斜め読みをしたのが小学・・・2年生のときですね、確か。私の犬が私の家にくる前ですから。その時は読むのにまだ早すぎたんでしょう。
 高校に入って実家の棚に岩波の「レ・ミゼラブル」があることに気がつき、二晩かかって全部読みました。
 当時の刑務所が犯罪者を更生させるためのものというより「人の皮をかぶった獣」であると信じられた人間を閉じ込めるためのものだったというくだりや前科がどこまでもジャンバルジャンを追いかけていく様子、現代との社会的な価値観の相違、警官であるテナルデュエの職業的なしつこさや世相を映した信念などを特に覚えています。母の悲惨な死に方のわりに恐ろしいまでに回りに順応して生意気に育っていくコゼットの姿に10代の子供というのはこういうものなのか、と思ったり。
 「親の心子なんちゃら」という言葉が頭に浮かびましたが、その高校の時からの私がまさにその言葉どおりなのですから、近親憎悪ってやつでしょうか?
 印象に残っているのは、コゼットがドレスをあつらえるシーンです。「顔は可愛いが服がなっていない」と言われて自分なりにキレイと思った組み合わせの生地で作るのですが、母親がいなかったためにその生地では変だということが彼女にわからなかったのです。何気なく描かれているところですが、親から子へと継がれるものがないという点で私も片親分同じ立場にいたからです。
 ぼろぼろになりながら、無力な中で自分を痛めつづけた社会に自分の子供を預けた母親に対し、ジャンバルジャンの保護を当たり前のように吸収して、年頃になって着飾ることに夢中になってくるコゼットにあまりいい感情をもっていませんでしたが、そこだけはよくわかりました。
 読みながら年齢層の違いを上手く描写しているなあと感心しました。革命に走っていくマリウスの血の気の多さ、変化を突き進める若さとか。
 しかし、なんと言っても私にはジャンバルジャンがよくわからなかったことが一番心に残っていることでしょうか。
 なんだか、貧しい育ちをして教育もろくに受けなかっただろう男で搾取されるだけされながら何の誇りも持てぬ仕事をあくせく働いたその結果何もかもを奪われた人間が、過酷な牢獄生活を経て中年になった後に一体何に触れて突然頭も切れて商業の才能もあって機転も利いて、何よりあれほど献身的な性格に改心したんだろうとずっと思っていました。
 なんていうか、人間って育った環境によって層っていうものがありますよね。俗っぽい言葉でいえばアッパークラスとかロウワークラスという言葉になりますが、単なるその時の身分という狭義を超えて代々伝わっていくような精神というものでしょうか?どういう人間であろうとするか、その方向を決めるものによっても人間を分類できるという意味で、差別的な区分けを意図して言っているのではありません。#4の方が仰っている、「普通に生活していたら一生縁のなさそうな」って感じです。
 私にとって、ジャンバルジャンはそういう意味で突然変異でした。なぜそこまで自分を非難する人たちに自己弁護をしないのか、自分のできることの中でなぜその行動を選ぼうとするのか、彼が神父の親切によってというよりその好意を受けて何かを考えて、そして大きく自分の人生を変えたことだけはわかったのですが、一体どんな考えをまとめあげてそこに至ったのかさっぱりわからなかったのです。
 「レ・ミゼラブル」を読んだ後になりますが、父がぽつりと「自分の人生を変えるのは本当にエネルギーのいることだ。もしかすると人一人の手に余るほどのエネルギーを必要とすることかもしれない。自分の性格を変えるということだからだ。年を取ればとるほどそれが難しくなっていく。大抵の人間は変えることができずに死ぬ」と言ったことがあります。
 ご質問を拝見したとき、私が回答させてもらえるような質問ではないと思ったので素通りしようとしたのですが、「レ・ミゼラブル」の主人公ジャンバルジャンの並外れた意思と、彼が回りの人間へ望んだことを理解できなかった私、父の言葉が重なり合ってこちらにおじゃまさせて頂きました。
 人間は必要とされることを必要とする生き物だと思います。人を言葉で揺さぶるとき、その属している場所、恃みとしている場所から引き離すことさえできればどれほど強い人間でも脆いものだということを知っています。そう信じている私に、ジャンバルジャンがその行動を通じて回りの人間に臨んでいたのは自分自身の贖罪なのか何なのか、とても難しい本でした。彼が言い訳がましいことを一つもしなかったからです。
 だから最後に彼が死ぬ場面、とても苦い気持ちで眺めていました。小説以外で、このように深い誤解が全て解け、めでたしめでたしということがありえるわけがないと思ったから。
 今、読んだときのことを思うと自分はどれほどよりよい方へと変われたのでしょうか?当時と同じ、与えられることを当たり前に思い与えられないものを不満がって、悩みともいえない悩みをさも大事に振り回す幼いままのような気がします。
 なんだかそう思うとまた読み返してきたくなりました。実家にあって、今私は入れないのですが・・・図書館にあるかな?
 そうそう、うんと昔の小説なので最初の導入部、時代背景やらなんやら細かく買い込んであって本筋に入るまでが長いんですよね。「一行目で読者の心をつかめ」なんてなったのはいつからなんでしょうね?
 
 回答をだいぶ削ってしまったので、読む方にわからない文になってしまったことをお詫びします。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってすみません。
ご回答を見ながら、いたる所に共感する部分があり、うれしい限りです。「革命に走っていくマリウス」の心理的な推移なんかは、とても興味深く読んだ記憶があります(一時は「皇帝ばんざい!」とか言ってましたよね。確か)。

KINGBIRDさんは「私にとって、ジャンバルジャンはそういう意味で突然変異でした」とおっしゃられていますが、私も自分の理解を超える登場人物がたくさんいます。特に、少年ガヴローシュ(でしたかね?)のあの底抜けの明るさの源がどこからくるのかが分かりませんでしたね。「パリーの街が育てた」というような感じでしたが、無理があるような…私の理解を超えています。また、ちょっと論旨がずれますが、テナルディエが一生改心せず悪党のまま終わってしまうのも、作家の意図が見えず残念でした。「世の中には、どうしようもない悪人というのが存在する」ということでしょうが、他の登場人物には何らかの“救い”(というか読者に感銘を与える美しい部分)を与えているのに…「どうして彼だけ?」という感じでした。
「自分の人生を変えるのは本当にエネルギーのいることだ」ということですが、もしそうなら、私も含めて多くの人は「ジャンバルジャンのようになりたい」と願いつつ、「テナルディエ」的な一生に終わっているのかもしれません。

いろいろと考えさせられるご回答で、この質問を立ててよかったと心底思います。(といいつつ、お礼が遅いのですが…)
どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/04/08 02:22

 はじめまして。


 少し前に岩波文庫版を読みました。映画で済まさなかったことを後悔しつつ、なんとか読破し終わった時は泣きました。この素人考えを聞いて下さい。
 正直言いまして、途中何箇所か読むのが苦痛に感じる所がありました。舞台の背景を描写しているようなシーンです。「どうして本題でないお話をここまで細かく、たくさん書くのだろう?」って何度も思いました。でも最後のシーン、ジャン・バルジャンがみんなに囲まれて眠りにつこうかという場面で、ジャンが
 「すべてがうまくいかないとしても、神を恨むことをしてはいけない」
 みたいなことを言いましたよね。私はこの一言ですごく満足、感動してしまいました。あの「ジャン」が最期に「あの言葉」を言ったことが素晴らしく感じました。今までの、先ほど言っていた煩わしさもすべて吹き飛びました。この本を読んで本当に良かったを思いました。ストーリーがおもしろい、とか描写が印象的とかではなく(単に私の読解力不足ですが・・・)、本を読んだという感じを忘れる位感動しました。
 ホントに稚拙なコメントで恥ずかしいのですが、私をこの感動を伝える人が周りにいないので、思わず書いてしましました。ご無礼致しました。
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この回答へのお礼

うれしいです! やっぱり皆さん、この作品に感動して、私同様に心にモヤモヤと蓄えている、ということが(笑)!

>「どうして本題でないお話をここまで細かく、たくさん書くのだろう?」って何度も思いました。

本当に、おっしゃる通りです。でも、お恥かしいのですが、当時の私はひたすら「文学的な表現」みたいなものに餓えていたので、がんばりました(笑)。下水道の話の中のワンフレーズ「石さえも腐っているかのように(…だったかな?)」といった表現の一つひとつに、しびれていました(恥)。とにかく比喩的な表現に、現代の文章と比べても遜色無いものを強く感じます(というか、最近の作品の方が、読んでいて赤面してしまうような比喩が多いと思います)。

…と書くと、fugaさんと読み方が違うように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。やはり、あのラストシーンにはひどく感動しました。「こんなにも自分を泣かせることができる事柄が、現実にあるなんて!」と今生きて自分がいることを幸福に感じたものです。

昨日、(#6さんには失礼ですが)実家から、本を取り寄せました。すべて読み返す気力はちょっとないですが、またパラパラと飛ばし読みしているところです。で、岩波文庫(他の出版物は知らないのですが…)の挿絵は本当にすばらしい!当時の流行の絵柄でしょうが、この一つひとつの挿絵だけ眺めているだけでも、楽しいです。
ご回答、ありがとうございました。

お礼日時:2002/04/08 02:57

非常に遅い回答なので読んでもらえるかどうか。



僕も25年ほど前(高校時代)に原文の長さで読みました。
それ以前にも小学生の時には児童文庫でも読んだことがあります。
当然ながら高校の時の感動の方が大きかったですが、何せ長い年月が経ってしまったのでほとんどの記憶がありません。

ただジャンバルジャンがジャヴェールに追われる部分と、当時読んだ『罪と罰』でラスコーリニコフがポルフィリーに追われる部分とが重なって、常にセットで思い出されます。

終わりの方でジャンバルジャンが自分を追い詰めたジャヴェールの命を助けるシーンがあります。
そして助けられたジャヴェールは自ら命を絶つというものだったと思います。
それを読んで小学生の時にも感じたことですが、『なんと人間の心は複雑なのか』ということを、改めて感じたことを覚えています。

大した悩みも無い高校時代に読んだ小説は、そのほとんどが単純なハッピーエンドではなく、人生の複雑さや理不尽さを書いたものが多かったですね。
ヘミングウェイや漱石なども読みましたが、『武器よ、さらば』をはじめ社会や人間の理不尽さを淡々と描いたものが多かったと覚えています。
そしてその全てが自分の人格形成の礎になったと思います。

そういう意味でも子供の頃に読んだ『ああ、無情』がそういう小説を読むきっかけとなったと今は感じています。
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この回答へのお礼

はい。読んでおります。お礼が遅い身で言うのもなんですが、もう少しこの質問は締め切らずにおいておこうと思います。

naoppeさんの回答を読んで、ちょっと恥かしい記憶が呼び起こされました。と言いますのも、私は大学時代にこの作品を読みましたが、ジャヴェールの心理的葛藤を理解できなかった! 「なぜ、自殺する!?」という感じでした。今思うと、本は読んでも新聞は読まない、今時(?)の学生だったからだと思います。つまり、「法の番人」という社会的な存在(←警察ですが…)が、リアルに想像できなかったからです。本当に遊びほうけた4年間でした。社会に出てから、やっと人並み(新聞を読むようになり、親父の酒の相手ができるようになったレベルですが)になってきたといいますか…学生時代の読書かぶれの唯一の弊害ですね。

でも、学生時代は本当にいろいろ読みました。ドストエフスキー、トルストイ、プーシキンなどロシアの文豪はじめ、ゲーテ、ヘッセ、ジッド、カフカ、カミユ…もちろん日本の作家も。文学部ではなかったのですが、「学生時代にしか読めない」と思って乱読し、案の定、少し実用書に偏っている現在です。結果、若干保守的になってる感は否めませんが、naoppeさんのおっしゃられる通り、自身の人格形成に大きな影響があったと思います。世間一般の同世代人とは違う自分に困惑することもありましたが、時代に翻弄されない(正体不明の)柱が自分にあって、すべてが不安定な時代に、胸を張って歩いていると我ながら思っています。
あらら?身の上話になってしましました。(すべてのお礼がそうですね)
どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/04/08 03:50

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