A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
>格子定数や結晶構造が分からない新規の物質の場合は、XRDで面指数を決定することは出来るのでしょうか
これは、非常に難しいです。かなりの専門的な知識がないと未知物質のピークの解析というのはできません。私も、XRDは実験で使っていますが、同定できないピークが現れた場合は非常に困ります。以下は、同定できないピークが未知物質であるとして話を進めます。
未知物質のピーク同定には、XRDのプロファイルだけでなく様々な実験や状況から判断して結晶構造などを特定します。
(1)構成元素:何らかの実験をしたのであれば、状況的に試料に含まれている元素は特定できると思います。未知物質はそれらの元素の組み合わせから成る物体であると考えられます。それぞれの元素の構成比などが出せるとなお良いです。試料が単相であれば、元素分析をすることをお薦めします。
(2)結晶構造・格子定数の同定:得られた回折ピークから大まかな結晶構造と格子定数を予測します。これは、専用の解析ソフトを必要とします。崩れた結晶構造をしている物質ほど同定は困難です。複数の物質が混じっている試料では、なかなか厄介です。
(3)TEM:TEMを用いてデータを得ます。TEMでは、電子線の回折パターンから、XRDと同様に構造解析を行うことが出来ます。
(1)、(2)、(3)のデータを複合して未知物質を同定することが考えられますが、私も未知物質の結晶構造解析は行ったことがないので専門家にアドバイスをもらった方がいいと思います。
No.1
- 回答日時:
専門が金属材料でして、主にθ/2θ法で測定した金属の場合で話させてもらいます。
XRDで得られたそれぞれのピークが、いったいどの物質のどの結晶面で回折されたかを同定するのはなかなか困難です。質問にある(100)や(200)が、面指数を示すとすると、
(1)なぜ、そのピークが(100)や(200)の面から成るとわかるのか
→測定した物質が、過去に報告にある(ICDDのデータベースに有る)物質ならば、得られたピークの"角度"と"強度"をデータベースに照らし合わせることで、そのピークがどの結晶面からなるピークかがわかります。
(2)データベースではどうやって、どの結晶面からでたピークかを調べたのか
→結晶構造をもつ物質であれば、その結晶構造に依存して回折ピークの出る面が決まります。
立方晶であれば、(111)(200)(220)(311)(222)(400)・・・・
といったふうに取り得る面指数が有る程度予測できます。
また、その面指数のピークがどの角度に表れるかは、その物質の格子定数によって一意的に決まります。
例えば、得られた試料が混じりっけのない完全な単相であれば、得られた回折スペクトルはその試料のものだけが現れます。どのような格子定数と結晶構造をしていれば、そのような角度でピークが出るのかを考えることで、逆にそれらのピークがどの面から出たかが予測できます。
ご期待に添える回答だったでしょうか?もし、問題を取り違えていたらすみません。
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