

最近幕末関係の本を読むのにハマっています。そこでちょっとよくわからないことが・・・・尊皇・勤皇・尊王・勤王って違う思想なのでしょうか?
「歴史を動かす力」という司馬遼太郎さんの対話集を読んだところ、勤皇と尊王の2つが分けて使われていました。「尊王というのは普通の概念である。勤皇というのは行動である、だから革命運動である。勤皇というのは恐ろしい、これは容易にやれないものだ」「勤皇といえば泥棒という語感に似ている。犯罪のにおいがして、非常に恥ずかしくて容易にいえなかった」と書いてありました。またいろいろ本を読んでいると、漢字が違う尊皇・勤王とかも見かける気がするのですが、これらの思想はどのような違いがあるのでしょうか。
詳しい方はぜひ教えてください。よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
尊王は、中華思想にある普通の概念です。
「王を尊べ」ということです。尊皇は、そこから派生した日本独自の概念です「天皇を尊べ」ですね。中国では皇は皇帝しかいませんから、これは尊王とは別の次元なのです。
勤王・勤皇は「王(皇)の為に勤める」ということです。つまり王(皇)のためなら、殉死できるという考えです。
司馬氏の「勤皇といえば泥棒という語感に似ている~」という文章は、たしか明治維新と2.26事件辺りの青年将校のクーデター事件を踏まえての発言だったと思います。
その後「子供だった私でもとんでもないことがおきたことが分かった」というような文章があるのではないでしょうか。(うろ覚えです)
これは、明治維新のころは権力者として祭り上げられた天皇も、戦前の昭和になると、「天皇機関説」が天皇実権のコンセンサスになっており、平たくいえば現在の象徴天皇制とあまり変わらない役割しか、天皇は担わないという解釈が一般的になった時代に、「天皇の為に殉死する」と言い切る一部軍人の言葉が、非常に反社会的に響いたという、司馬氏の印象を書いたものだったと記憶しております。
事実、司馬氏は「この国のかたち」という本の中で、総帥権を引き合いに出して、同様のことを語っています。
よろしければこちらも一読ください
丁寧なご回答ありがとうございます!なるほどそのような違いがあるのですね。明治維新以後の歴史も改めて勉強してみたいと思っていたところなので、それにつながるようなことまで教えてくださったことに感謝いたします。「この国のかたち」も読んでみたいです。ありがとうございました!
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