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父が60をすぎて介護の資格をとるために心理学の勉強をしています。
課題で「プロトタイプ的な対人認知の特徴(長所と短所)について考えを記述せよ」というのがあったそうですが、そもそも「プロトタイプ的な対人認知」がどういうことなのかわからず途方にくれています。ネットで検索しましたが"プロトタイプ"、"対人認知"で検索しても素人の私達が理解できる解説がありませんでした。勉強のとっかかりとなるヒントでもいいので教えてください。

A 回答 (1件)

こんにちは。


お父さんが介護の資格ですか。凄いことですね、偉いと思います。

「対人認知」といいますのは相手の「外面的要素」から「自分の体験」や「社会的評価」などを基にそのひとの「内面的要素」を推測し、人柄を分類するという社会行動ですよね。
「プロトタイプ理論」といいますのは認知心理学の分野で提唱された概念でありまして、我々の脳が行なう「対象の分類」というのは「典型的・類型的」に行なわれるものであり、その判定は「文脈」に由来するということを述べたものです。
ですから、むちゃくちゃ簡単にしますと、「プロトタイプ的な対人認知」というのは「相手の人柄に対して典型的な分類を行なうこと」ということになると思います。
では、「文脈による典型的な分類」とはどういうことか言いますと、

例えば、
「Aさんは朗らかなひと=だから外交的だ」
「Bさんは真面目なひと=だから神経質なはずだ」
といったものです。
ところが、
「Cさんは大柄なスポーツマン=だけど気が弱くて優しい」
このような「典型的文脈」というのは経験的にありませんよね。ですから、上の二つとは違い、こちらは「規格外」として扱われることになります。

どうしていちいち「文脈」が関係するのでしょうか。それは、我々人間の脳が「言語情報」というもののカテゴリー分類を行なうからでありまして、プロトタイプ理論の原点とは果たして「言語認知の解明」に始まるものです。ですから、我々が何でも文脈で物事を判断するのは、そもそも脳の情報処理がそのような構造になっているからなんですね。
このように、「プロトタイプ的な対人認知」といいますのは、我々が全ての対象の分類に際して行っているように、それは「典型的・類型的な文脈」によって相手の印象を直感的に分類するという、言わば「人間の脳の性質に基づく経験的な習慣」ということになります。

そもそも「対人認知」といいますのは「相手の人柄を推測する」ということです。ですから、第一印象や個人的学習経験、あるいは他人の噂などによって様々な影響を受けるわけですし、自分の利益・不利益によって良い人と悪い人も変わってしまいます。このため、対人認知には必ずや「不正確さ」や「個人差」といったものが付き纏います。ですが、それは我々が円滑な社会行動を営むために重要な情報分析でありますから、主観の強い不正確な評価や価値判断といいますのはどうしてもデメリットになります。
では、ここにプロトタイプ理論を用いるならば、我々の対人評価・分類には「主観的な色眼鏡」だけではなく、「典型的な判定」というもうひとつの要素が日常的にあるわけです。何れにしましても、大雑把であることに変わりはありませんが、プロトタイプ的な典型分類に従うならば一般的に「当たり外れ」というものが少なくなります。ですが、逆にそのひとの本当の価値を知ろうと思ったらそれでは不十分ですし、個人的にお世話になったひとともなれば典型分類ではちょっと済まされませんよね。
このような観点から「プロトタイプ的な対人認知の長所・短所」といったものを考えてみてはいかがでしょうか。「対人認知というのは本質的に不正確なものである」というのがひとつのポイントになると思います。
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この回答へのお礼

丁寧な回答ありがとうございます!「プロトタイプ的な対人認知」について光明が見えてきました。

父は60になって一から勉強してるのでかなり苦労しています。
しかし、こつこつと勉強している姿を見ると励まされます。

早速父に報告したいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/10/11 23:47

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