街中で見かけて「グッときた人」の思い出

秋刀魚を食べているときにふと疑問に思ったことがあり質問させていただきます。

生物は環境の変化で環境に適応するようになると以前なにかで書いてありました。高い木の実を食べれない首の短い動物は長い時間で淘汰され長い首をもつ動物が有利に生き残っていく様にキリンのような動物が生まれたのだと思います。

私たちが普段食べている魚も漁師さんが魚の習性を利用して漁をしている様です。秋刀魚などは光に寄ってくるという習性を利用してそこを一網打尽にする方法でたくさん取っていると思います。

しかし、もし遺伝子の変異で光に寄って来ない秋刀魚が少数いたとしたら、その遺伝子を受け継ぐ秋刀魚は漁師に捕まらずに長い年月をかけて徐々に子孫を繁栄していくことが可能で、反面従来の光に寄ってしまう秋刀魚は子孫が次第に減っていずれほとんどいなくなってしまうのではないかと考えました。

 そうすると毎年の秋刀魚の漁獲高が減っていくと想像できるのですがそういう現象はおきることはあるのでしょうか。秋刀魚にかぎらず他の天然動物にもいえるように思うのですがどなたか教えてください。

A 回答 (3件)

 遺伝子の変異で走光性を失う、というのはいわゆる「進化」ですが、動物が進化によってある形質を獲得するためには何千何万という世代数が必要です。


 ですから、「毎年漁獲量が減る」という現象は起き得ないでしょうね。

 また、進化について多くの人が誤解しているのは、「生物は目的を持って進化するわけではない」ということです。キリンは高い枝の葉を食べようと思って首が長くなったわけではないのです。
 遺伝子の変異自体はランダムですから、走光性を持つがために人に捕獲されることに対応して走光性を失う方向に変異するわけではありません。
 つまり今現在、既に「走光性を持たない」サンマがいて、走光性を持つサンマが人に捕獲されて減り、走光性を持たないサンマは人に捕獲されないので増える、という現象が起きれば、短期間の内に漁獲量が減る、ということが起きるかもしれません。
 ただ、走光性を持たないサンマは来年出現するかもしれませんが1万年後かもしれません。ランダムですから。

 つまり、

>生物は環境の変化で環境に適応するようになる

 というのは厳密には間違った表現なのです。変異は常にランダムであり、その時の環境に適した形質を持つものが「選択」されるというのが正しい表現です。
 もう少し本格的な生物進化の本を読めば、「生物はあらかじめ全ての選択肢を用意している」というような表現を目にすると思います。
 よく考えれば当たり前の話で、生物が進化して新しい形質を得るには何千世代何万世代もかかるわけですから、「環境の変化」があってから進化しようとしても絶対間に合いません。1世代かせいぜい数世代で絶滅するのがオチです。
 あらかじめあらゆる方向に進化することによって多様性を確保し、環境が変化した時に大部分が滅びても何かが生き残る、というのが「生物の戦略」というわけです。
 恐竜が滅びてから哺乳類が出現したわけではなく、哺乳類は恐竜がこの世の春を謳歌していた時からずっと存在していたのです。哺乳類の登場は恐竜とほぼ同時の三畳紀だということですから。

 実際の話、サンマの走光性は「走光性を持つエサ(オキアミ等のプランクトン)を効率的に補食するために有利」な形質なので、走光性を失った時にはヒトによる捕獲を逃れる替わりにエサを効率よく摂れなくなるわけですから、差し引きすると「非常に不利」ということになる気がします。ですからそういうサンマが出現してもあっという間に消えてしまうのではないかと。
 また、もしヒトによる漁業が十分な選択圧になるほどの量なのであれば、サンマは進化する前に絶滅する可能性の方が遙かに遙かに大きそうです。進化のチャンスは何千年何万年に1回ですから。
 事実、そうやって絶滅した動物は枚挙に暇がないですよね。

 なので、
1.今現在、たまたま走光性を持たないサンマが出現する
2.ヒトによる漁業が、「走光性を失ったためにエサを効率的に摂れない」不利より、走光性を持たないサンマに有利に働くほどに大きい

 という条件が重なれば、サンマの生息数自体は減っていないのに毎年漁獲量が減っていく、という現象を見ることができるかもしれません。
 「そんなことは起きない」方に全財産を、それも死ぬまで毎日賭けたって良い、というくらい低い低い確率でしょうけど。

 なお、No.2の回答で「バイアス」という言葉を使っておられますが、ここは「選択圧」が正しいのでは?
 私は分子生物学や育種学は仕事で関わりがありますが、これらの分野ではここでは使いません。統計学用語としては多用しますが・・・
 進化論などではここで「バイアス」という言葉を使うのでしょうか。"経験者"なので気になります。
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この回答へのお礼

参考意見大変参考になりました。またのご回答よろしくお願いいたします。

お礼日時:2008/04/21 12:07

釣り堀の魚がすれて釣れにくくなるということに近く、学習と遺伝の違いはありますが、起こりえるとは思います。

ただ、実際漁で捕まるサンマは、自然に存在するサンマ全体のごく一部で、サンマの種全体にバイアスを掛けるほど大量に捕獲しなければおこらないと思います。
また、光に寄る習性を失うデメリットからのバイアスもかかりますから、捕獲量が全体に対してどれくらいかによるはずです。
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この回答へのお礼

参考意見大変参考になりました。またのご回答よろしくお願いいたします。

お礼日時:2008/04/21 12:07

十分あり得る話だと思いますが、人間の寿命と比べて変化にかかる時間が長すぎて認識するのは無理でしょう。



ただ、ウィルスや細菌では同じことが速いスピードで起こっているのではっきりと認識されています。
ペニシリン→メチシリン→バンコマイシンと人間が薬を作るたびにそれに耐性を持つ菌が流行します。
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この回答へのお礼

参考意見大変参考になりました。またのご回答よろしくお願いいたします。

お礼日時:2008/04/21 12:07

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