アキレスと亀の追いかけっこという、ゼノンのパラドックスという話を教わったのですが、よく分かりません。
ゼノンは自分の論理を使って、運動というものが、本当には存在しないということを証明しようとしたらしいです。
しかし、そもそも、どうして「論理がこうだから実際にもそれは存在しない」という結論が出るんでしょうか?
私は「実際にそれが存在するんだから、論理の方が間違っている」というふうに思うのですが。
つまり、ゼノンのパラドックスが証明しているのは、「論理による現実の本当の姿」ではなく、「論理の不完全性」だと思うのです。
論理は、原理的に不完全なものなのではないでしょうか?
みなさんは、論理というものについて、どうお考えですか?
1.論理とは何か?
2.論理は原理的に完全でありうるものか?
この2点についてお答えいただけると、助かります。
よろしくお願いします。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
『実を言うと、論理学が目覚しい威力を発揮するのは、日常生活ではなく、専門的な学問の世界においてです。
とくに、哲学や倫理学のような抽象的な人文科学と、数学のような形式科学においてです。日常生活では、自然な直観的判断に従っても、論理的思考に従っても、目覚しい差異が現れることはさほど多くありません。それでも、論理学を全く知らない人と、初歩の初歩だけでも心得ている人とでは、自転車に乗れる人と乗れない人くらいの視野の違いがあるはずです。論理学は、個々の知識の集まりではなく、各部分が緊密に結びついた壮大な方法論です。』
(論理学がわかる事典 三浦俊彦より)
偶々読んでいる本にこんなことが書いてありました、結局、論理学といっても万能薬という訳には行きませんね、当たり前のことですが、どんな学問にも「分野」というものがある以上、限界があるということではないでしょうか。この本でも「記号論理学」の説明がありますが、質問者様の仰るように言葉の問題を回避する為に、記号を使った真理値の扱い方が載っています、まぁ私にはさっぱり分からないのですが。
ただ、少し論理学の弁護をすれば、直観的に真偽を判断するよりは、論理的に真偽を判断した方が、誤謬や勘違いが少なくて済む、と言えるのではないでしょうか。
アキレスが亀を追い越すことは、直観的な判断で十分ではないでしょうか。
ゼノンのパラドクスに関しては、此処でも既に多くの質問回答があるはずです。
面白い文章を見つけました。うえと同じ本からです。
『A「彼はいつもウソをつく」
このAは、よく次のように「否定」してしまう人がいます。
「彼はいつもウソをつかない」
しかしこれは「決してウソをつかない」という意味なのか「いつもウソをつくわけではない」という意味なのか、曖昧です。というより前者の意味に取られるのが自然でしょう。しかし「いつもウソをつく」全体の否定になっているのは後者です。Aは時間に関する全部肯定でしたから、その否定は、時間に関し全部肯定されないようにすること、つまり時間的な部分否定となります。「いつもウソをつく、わけではない」つまり「ときにはホントのことも言う」さらに厳密には、彼が何も言わないとか、ウソでもホントでもない無意味なことを口走る場合も考えられ、それも「彼はいつもウソをつく」が否定される場合にあたります。ですから「彼はウソをつかないこともある」というのが本当の非Aということになるでしょう。』
言葉の問題も確かにあるのですが、言葉の使い方、隠されている前提などなど、正確な表現を使うことが大切だと思います、もっとも、その上でも解決しない問題が有る事には有るらしいのですが。
少々引用が長すぎますが、下手な駄文をひねり出すより、解り易いのではと書いてみました。
最後に、念のために繰り返します、完全とか不完全というより、どの分野でも「限界」というものもあるということです。
長々失礼しました、お役に立てば幸いです。
No.3
- 回答日時:
>1.論理とは何か?
帰納的思考の対極にあるものです。例えば、現場主義。マーケティング。いずれも
サンプルを多く見ることから経験知を得て、そこから浮かび上がる全体像を感覚的に
掴もうという方法論です。具体性があるけど発想には飛躍と個人差が伴います。
一方論理は、細かい事例のなかから結論を抽象化して全体を把握しようとする方法論。
抽象的ないなればなるほど現実からは乖離します。
>2.論理は原理的に完全でありうるものか?
>論理は、原理的に不完全なものなのではないでしょうか?
それは言うまでもありません。
英国の美術史家ハーバート・リードはその著作のなかで
すべての芸術は音楽にあこがれる。なぜなら音楽ほどその目的の
ためにのみ作られた素材で芸術を構成できるからだ
と言っています。
つまり、文学も日常に使う「言葉」という手垢のついた道具を
駆使しないといけないわけで論理もまた同じです。
言語というものは、記号論において、フーコーが「シニファイ」と
「シニフィエ」という二面性を指摘したように、言語そのものの定義が
常に意味するもの「記号としての言葉」と意味されるもの「概念としての
対象」に同一性が保証されていないのです。
同一性パラドックス話がありましたが、言葉こそ時間で積分するだけ
でなくその使い手と受け手の認識で積分した総和が本当の意味だと
いえます。
そうはいいながら、論理そのものは、記述の意味以上に、記述の
流れのほうに関心をおいています。
いわゆるロジックとは
大都会には田舎に比べ美人が多い
東京は大都会だ
だから東京には美人が多い
という流れであって
東京には美人が多い
わが社は東京にある
だからわが社には美人が多い
とはならない。
この場合、本当は東京という範疇や美人の概念は語り手聞き手てんでん
ばらばらなのだが論理は正しいという話になります。
でも、言説の中身は不完全極まりない記述です。
論理とは言葉という不完全な道具をつかって組み立てているがゆえに
不完全であるのと同時に、現象そのものを正確に記述しえている保証がないという
意味でも不完全なのです。
誰かの回答に付属しない形で返信する方法が分からなかったので、こちらでまとめて失礼します。
at9_amさんとumaiwinenomitaiさんに教わって、論理とは過程や方法の一種だと分かりました。そうすると、私の質問は「過程や方法というものは、原理的に正しいのか?」と言っているようなものでした。
これはsiyahqalamさんの言うとおり、原理的にどうこうという問題ではありませんでした。過程や方法は、正しければ正しい結果が出るし、間違っていれば間違った結果が出るんだから、そもそも原理的にこれが真であると言えるかという質問は、自分でも妙だと思います。
したがって、自分としては、2の「論理は原理的に完全でありうるものか?」という質問は、質問が悪かったという結論になりました。
また、umaiwinenomitaiさんが言うように、人間の扱う論理は、それが言語と密接に関係しているがゆえに、言語の不完全性を論理にも感染させざるをえないという事情から、不完全なものになりがちであるということにも、気づけました。
各人の概念理解の振幅という点に加え、言語は対象を恣意的に分節するために、内容に創作性が生まれてしまうという点からも、言語の不完全性について考えてみたいと思います。
私がこの疑問を抱いたのは、しばしば議論などで「論理的にこうなんだから、おかしいように見えても、それは正しいんだ」というような主張が、自説の擁護として使われるのを見ていたからです。
ゼノンのパラドックスでは、アキレスが永遠に亀に追いつけないということが、さも正しいことであるかのように言われていましたが、そんなわけあるかと、私は思っていたのです。それで、いったい論理とは何なのかと思った次第です。
今この回答を見終わって、論理をおかしくするものは、いったい何なのか、どのようなものなのか、もう少し詳しく考えてみようと思いました。その1つは言語の性質にありそうですが、まだ他にも原因がありそうな気もします。
ご回答、ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
数学者のマーチン・ガードナーは“aha Gotcha 2”の中で
「ゼノンのパラドックスは
ゲオルグ・カントールが無限集合の理論を作り上げるまでは、
なんら実質的な解答が与えられませんでした」
「ゼノンのパラドックスにはカントールの理論が必要でした。
このような理論によって、時刻とか地点という直感的な概念が
無限集合の系統的理論の中で初めて整理されたわけです。」
と述べています。
なんのことやらさっぱり分かりませんが、ご参考までに。
「論理は、原理的に不完全なものなのではないでしょうか?」
というご質問ですが、たぶん、原理的にどうこうという問題
ではないと思います。
ゼノンのパラドックスは古来人類を悩ませてきた有名な逆説ですが、
論理の不完全性を証明したわけではありません。
不完全な理論には太刀打ち出来なかった、というだけのことです。
ゼノンのパラドックスは、
「ひょっとして論理は原理的に不完全なのではないだろうか?」
と思わせるほどに強力でした。少なくとも完全な理論が現れるまでは。
No.1
- 回答日時:
ゼノンのパラドクス、ね。
アキレスが亀を追い抜けない、って話なんですが、実際、論理的には「追い抜く瞬間」までしか考えない世界なので、追い抜けないのが当然だったりします。
1.論理とは何か?
論理とは、前提から導き出される結論又は推論のこと、およびその導出過程のこと。前提を制限すれば、ゼノンのパラドクスのように、亀が決して追い抜かれない世界を考えることも出来る(それに意味があるとは思えないけれども)
2.論理は原理的に完全でありうるものか?
理論的には、全ての前提が正しければ、正しい過程を経て正しい結論にたどり着けるはずです。
問題は、適切な問題設定(前提)がなされるかどうか、という点です。前提を変えれば、結論も変わるのは分かるでしょう。
因みに、議論がかみ合わなかったりするのも正にここに問題がある(がそれと認識されていない)場合が多いです。
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