プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

インターネットの接続業者になるにはどうしたらいいのでしょうか?
実際に働いている方や、委託経営などなれてる方がいらっしゃればぜひ教えてください。

A 回答 (1件)

ネットワーク屋です。



インターネットは既に成熟したマーケットであり、新規参入は、よほどの差別化を行わない限り、非常に困難です。

一般論としては、インターネットサービスプロバイダーは、届出制をとっており、総務省の担当者と相談しながら、こんな会社を作ります、インターネットを売りますという情報を総務省に提出することになります。音声サービスを本格的にやらないかぎり、届出制よりも管理のきついものになることはありません。他方、NTT東西は基礎的なインフラである電話サービスについて、サービス仕様や価格を明記した約款という、一般的契約条項を記した文書を提出することとなり、このレベルになると、ある程度の業界での経験がある人間でない限り、対応不可能です。

インターネットの接続サービスを提供したいのであれば、古典的な手段は、上位プロバイダーからトランジットと呼ばれるタイプの常時接続を買い、それを使ってエンドユーザからのアクセスを上位プロバイダに流すことで、インターネット接続を実現します。大きさが同じ程度の大手プロバイダの間では、トランジットという有料のサービスを大きいほうが小さいほうに売り込むのではなく、ピアリングといって無料で相互接続をしているケースが多いです。

この古典的手法で新参事業者が成功するには、特定の地域に密着したサービスにするとか、過去の経歴を生かしてターゲットを絞り込んだサービスにするとかの戦略が必要です。たとえば、保険会社のように社外活動の多い企業に勤めていた経歴があるのなら、そちらの会社に挨拶に行き、「当方で新しいプロバイダを立ち上げようと思っているのだが、保険会社の外交員むけに特化したサービスにしようと思うので、既存プロバイダに対する不満と問題点を教えて欲しい」というなどすると、有効でしょう。返答としては、おそらく、「末端の外交員がインターネット上で何をしているのか全く把握していないので、J-SOX法など、企業全体としての法令順守とネットワークセキュリティの確保や情報漏えい対策について、大きな不安がある」などの返答がありえます。その場合、「了解いたしました。それでは、そのようなご要望に沿えるようなネットワーク作りと、トータルソリューションを提供いたします」と言えば良いわけです。

その後、日立、Citrix、VMWareなどの会社と相談し、「シン・クライアントのリモートアクセスモデルで、十分実用性のある速度での対応について、コンサルして欲しい。できれば共同提案にしたい」といえば良いでしょう。CitrixとVMWareは初心者には難しすぎるので説明を省きますが、例えば日立の場合、ハードディスクを一切搭載していないノートPCを売っています。どうやって使うのかというと、本社LANにつながっている状態でない限り、なにもできないという機械なのです。本社にいればイーサネットポートに差し込むだけで、サーバ側がハードディスクのないPCに代わってアプリや作成ファイルを管理してくれるので、外部に持ち出したノートPCが、万一、盗難されても、情報漏えいのリスクは全く存在しないことになります。他方、このネットワークモデルは、外交員が自宅や取引先にいる場合は、何らかの方法で本社へのアクセスができない限り、PCが使い物にならないという弱点があります。日立やCitrix、VMWareに対しては、「できる限り、ナローバンド環境でも快適に動くリモートアクセスのできるモデルを紹介して欲しい」と相談すればよいでしょう。日立などのサーバ側機器をお客様LAN環境に組み込んだら、いよいよアクセスポイントの構築に移りましょう。一般的に言えば、セキュリティが高く、PCでのレスポンスが速く使っていてストレスを感じないようにするには、帯域が広いサービスよりも、遅延の少ないサービスを利用するほうが良いでしょう。たとえば、ウィルコムの場合、AIR-EDGEは最広帯域が512kbpsですが、明らかに体感できるほどの遅延がありますので、使っていてイライラするでしょう。逆に、64kbpsしか帯域はないものの、レスポンスの速いPIAFSという古いタイプのアクセスポイントのほうが、よほど使い易いという状況もありうるのです。当然、自宅での勤務を想定し、モバイルだけではなく、アナログ回線57kbpsでも快適に動くようにしなくてはならない以上、AIR-EDGEよりPIAFSのほうが向いているのです。アクセスポイントの構築にあたっては、古典的な手段は、自分で長距離電話会社を何社か呼び出し、「PIAFSとアナログ線について、全国からアクセスし、エンドユーザに課金するのではなく、当社に課金するというサービスを提案しろ」として、見積もりを作らせるわけです。その上で、自分でダイアルアップ接続サーバを作れば良いのですが、この方法がすでに、自分では対応不可能なレベルの業務であると考えるのであれば、既存のプロバイダでダイアルアップのホールセール向けサービスを持っている会社を呼び出し、「アクセスポイントとして貴社ネットワークを使いたいが、提案書を出してくれ」と頼みましょう。そのうち、外交員というエンドユーザに課金するのではなく、siraikouit様の会社に全額を請求させる機能を持ったプロバイダを選べば、外交員は通信費用を払う必要がなくなります。理想を言うと、L2TP強制トンネルに対応しているプロバイダを選ぶと、通常のインターネットダイアルだけではなく、インターネット上の住所をクライアントPCに与えることなく、いきなり本社につながるという閉域サービスの提供が可能となり、セキュリティが劇的に向上します。携帯電話のパケット網を使うという手もあるのですが、これはコストのかかるものであり、そもそも電波の通じない自宅にいる外交員が使うアナログ電話57kbpsで十分なパフォーマンスが引き出せないようなタイプのサービスは、使うべきではありません。

詳しいことはパートナー企業がいろいろと教えてくれるでしょう。

もうひとつのシナリオは、MVNOと言って、移動体電話会社のパケット通信サービスを自社ブランドで売ることです。ウィルコムやNTT DoCoMoなどの再販をやっている日本通信という会社がありますので、研究してみてください。そのほか、ディズニーのように、SoftBankのネットワークを自社ブランド再販するというビジネスモデルもありえます。MVNOパートナーとしては、ウィルコムが一番、楽だと思います。なぜかというと、無線通信には高度な技術が必要であり、特別な端末をわざわざメーカーに頼んで作ってもらうとなると、開発費用が膨大なものになるほか、最低受注ロット数がやたらと多くなりがちで、新興事業者にとっては、売れ残りのリスクが大きい端末を、大量に買わされるリスクがあるからです。ウィルコムの場合、W-SIMというものを持っており、この中にすでに無線機能が搭載されているので、無線の基礎技術を持っていない会社が、独自色の強い携帯電話を製造し、かつ最低受注ロット数を少なく抑えるのに向いているのです。完成した電話機は、どのような個性の強い端末であっても、それ自体としては通信機能を持たないので無線の基礎技術を持たない会社でも簡単に開発が可能となっており、その中にW-SIMを差し込むことで、電話機として機能するようになるわけです。ウィルコムはこのあたりのビジネスモデルについて、非常に柔軟なので、パートナーとして最適かと思います。
ただし、携帯電話業界には、他社が持っているサービスに対しては、どんなにつまらない機能であっても、必ず対抗策を打ってくる傾向をもったNTT DoCoMoという企業がありますので、NTT DoCoMoのレーダーにかからないようなニッチマーケットにフォーカスするか、NTT DoCoMoでは絶対に提供しないようなサービスモデルを考案するかという戦略が必要でしょう。えぐく行くのであれば、ポルノ・コンテンツ専業プロバイダとかに対して本気で競争を仕かけてくる会社など、まず、ありえないでしょうし、ポルノほどのキラーコンテンツは存在しません。その際、重要なのは、女性向けコンテンツを充実させることだと思います。出会い系サイトのサービスを行わず、ひたすらポルノコンテンツだけを流し、女性の性の悩みや本音に直結する特殊コンテンツを用意すれば、違法行為として摘発されるリスクも低くなるでしょう。完全を期すのであれば、加入条件に18歳以上であることを加えれば良いだけです。その際、中村うさぎという本音で生きている女性作家のエッセイを配信したりするとか(ハプニングバーでの出来事や、風俗嬢として働いた経験を、堂々と文書化して発表している人です)、松田聖子の生き方について議論を行うとか、内藤みかという女流ポルノ小説家のコラムを作るとかすると良いでしょう。この内藤みか、不覚にも感動してしまうほど、意外と文学性が高いのです。本人が自律神経失調で苦しんだというエピソードから出てきた現象だと思います。
また、おなじインフラを使ってはいても、ドメイン名を分けることで全く別の顧客層を狙ったサービスを提供することも可能であり、例えばこれもえぐい戦略ですが、風俗情報の発信(本番ありの店は、違法なので除外すること!)、キャバクラ情報の発信、ラブホ情報の発信、同性愛者のコミュニティサイト運営、SM趣味のコミュニティサイト運営などを行うことも可能でしょう。とにかく重要なのは、チャイルドポルノは明確に違法であるが、それ以外の分野では、違法か合法かのグレーゾーンが多く、適切な対策をとれば、合法の範囲内におさめることは可能だということです。また、ドメイン名とブランドを明確に分けておけば、同じ会社だとは、気づかれないケースが多いと思います。これは、どのような電話機を作るべきかという問題にもかかわってくるのですが、音声通話機能をもち、かつ、PHSが得意とする位置情報提供から周囲の店舗をリストアップした電話連絡先を作り、そこに電話をすれば金曜の夜や週末などの、混雑している状況においても、ユーザは電話をかけるだけで混雑状況を確認できるというメリットがあり、かつ、電話代も請求できるという会社側にとっても都合のよいサービスになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。お詳しい内容の返事をいただき感謝しております。
なかなかこの業界というのは難しいようですね…。
ただ諦めるというより、もう少し考えながらタイミングを図っていこうと思います。
単純にインターネットを繋ぐといった、家電小売店のネット接続委託のような業務は?という意見があったのですが、こちらの方の始め方など知っていたらお教えいただけたら幸いです。
harepandaさん。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

お礼日時:2008/04/21 18:13

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