
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ニュートンの冷却則は、ある温度の固体が、別の温度の流体で冷却(加熱)されるときの熱流量を表わすというのは理解されていると思います。
その場合 θ は流体の温度差の意味で、流体と固体の界面での流体温度を θs、無限遠方での流体温度を θa としたとき、θ = θs - θa で定義されているものです。したがって、固体が流体によって冷却されているときは θs > θa なので θ > 0 、加熱されているときは θs < θa なので θ < 0 になります。いずれの場合も、熱は高温側から低温側に流れるのですが、熱の流れる方向の座標の取り方によって、熱流量は正にも負にもなります。例えば、以下のように、固体表面の位置を x = 0 とし、x > 0 の側に固体があるとします。
温度 温度
θ↑ ↑
/ | ̄ ̄ ̄ ──┼───→ x
/ ← Q \ Q →
──┼───→ x \θ|___
流体 固体 流体 | 固体
(1) 冷却時(θ > 0) (2) 加熱時(θ < 0)
縦軸に温度差をとれば、冷却時はθ > 0、加熱時はθ < 0 となりますが、このとき熱の移動方向は、(1)のときは x < 0 の方向なので Q < 0、(2)のときは x > 0 の方向なので Q > 0 となります。したがって、この場合のニュートンの冷却則は
Q = -h*A*θ
となります(Aは断面積 m^2)。一方、x軸のとりかたを逆にすると、以下のようになります。
温度 温度
θ↑ ↑
/ | ̄ ̄ ̄ x ←──┼───
/ ← Q \ Q →
x ←──┼─── \θ|___
流体 固体 流体 | 固体
(1) 冷却時(θ > 0) (2) 加熱時(θ < 0)
この場合、座標を反転させても温度差の符号は変わらず、冷却時はθ > 0、加熱時はθ < 0 のままですが、このとき熱の移動方向は、(1)のときは x > 0 の方向なので Q > 0、(2)のときは x < 0 の方向なので Q < 0 と逆になります。したがって、この場合のニュートンの冷却則は
Q = h*A*θ
となって符号が反転します。
フーリエの法則は Q = -k*A*dθ/dx と、いつも - がついていますが、これは以下のように、x 軸の取り方を変えても、常に dθ/dx の符号と Q の符号は反対になっているからです。
温度 温度
↑ / ↑\
| /dθ/dx > 0 │ \ dθ/dx < 0
|/ ← Q < 0 │ \ → Q > 0
├────→ x ├────→ x
温度 温度
dθ/dx < 0/↑ dθ/dx > 0\ ↑
/ │ \ |
/← Q > 0 → Q < 0 \|
x ←────┤ x ←────┤
ニュートンの冷却則は、無限遠方にある流体温度 θa を基準として、流体と固体の界面の温度 θs を考えているので、θ = θs - θa は座標の取り方に依りませんが(冷却時は正、加熱時は負)、熱の移動方向は座標のとり方で変わるので、- がついたりつかなかったりするわけです。
No.1
- 回答日時:
dx/dtといったら「単位時間当たりの、単位長さの変化」
と読めますね(ここは大丈夫でしょうか)
この「~の変化」に-(マイナス)をかけることで
「単位時間当たりの、単位長さの減り具合」といった意味になります
裏を返せば、+だと
「単位時間当たりの、単位長さの増え具合」といった意味です
例えば、放射性元素の、まだ崩壊していない原子核数を求める際は、
「微小時間dtの間に崩壊する核の数dNは、元々の数Nと比例する」と仮定すると-dN/dt=λNと表され、この微分方程式を解くことである時刻の残存原子核数を求めることが出来ます。(λは比例定数)
つまり、ある変化に対してなにかが増えるようなら+、減るようなら-をつけるということです
ニュートンの冷却法則の場合、「温度θが、単位時間当たりに減る具合は温度θに比例する」なので-dθ/dt=hθとなります
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