
統計学を勉強している者ですが、分散の性質について、具体的なイメージがつかめないためか理解のできない問題の個所があるので質問させていただきます。
設問は以下です。
単位をgとして、
リンゴ1個の重さの期待値が200、分散が400、1gあたり3円
ミカン1個の重さの期待値が100、分散が100、1gあたり1円
バナナ1個の重さの期待値が150、分散が900、1gあたり2円
として、
1)リンゴ1個とミカン1個とバナナ1本を購入した時の値段の期待値と分散を求めよ。
2)リンゴ3個とミカン1個とバナナ2本を購入した時の総重量の期待値と分散を求めよ。
このとき、期待値はどちらもE[aX+b]=aE[X]+bの公式より、
3*200+1*100+2*150=1000
となりそうなのですが、分散に関してV[aX+b]=a^2V[X]の公式をどちらに適用したらいいのかがわかりません。確率変数が独立かそうでないかが関係していると思うのですが、この二問の違いと求め方について教えていただきたいのです。
基本的なことで申し訳ないのですが、重要な単元だと思いますので、しっかり理解したいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
1)の問題は、X, Y が独立な確率変数、a, b が定数のとき
E [ aX + bY ] = a E [ X ] + b E [ Y ]
V [ aX + bY ] = a^2 V [ X ] + b^2 V [ Y ]
を利用
2) の問題は、1) に比べて確率変数の数が増えたけれど、定数が絡んでこない問題と考えることができます。
以下、リンゴ、ミカン、バナナ各1個の重さの平均を r, m, b、分散を (σr)^2, (σm)^2, (σb)^2 と表すことにします。
1) リンゴ1個とミカン1個とバナナ1本を購入した時の値段の期待値と分散
確率変数を、R : リンゴの重さ、M : ミカンの重さ、B : バナナの重さ、と定めてみましょう。リンゴとミカンとバナナの重さは互いに無関係であり、R, M, B は互いに独立。
さらに、確率変数 Xr, Xm, Xb を、Xr : リンゴの値段、Xm : ミカンの値段、Xb : バナナの値段と定めれば、Xr = 3 R, Xm = M, Xb = 2 B であり、R, M, B が独立であるから Xr, Xm, Xb も互いに独立。
値段の期待値と分散は
E [ Xr + Xm + Xb ] = E [ 3 R + M + 2 B ] = 3 E [ R ] + E [ M ] + 2 E [ B ] = 3 r + m + 2 b
V [ Xr + Xm + Xb ] = V [ 3 R + M + 2 B ] = 3^2 V [ R ] + V [ M ] + 2^2 V [ B ] = 3^2 (σr)^2 + (σm)^2 + 2^2 (σb)^2
説明がくどくなりましたが、こういうことです。
2) リンゴ3個とミカン1個とバナナ2本を購入した時の総重量の期待値と分散
今度は、総重量を確率変数 W で表して、W = 3 R + M + 2 B というようには表せませんね。リンゴが3個ならリンゴに関する確率変数は3つ、バナナが2本だからバナナに関する確率変数は2つ、とそれぞれちゃんと確率変数を用意して考えるのが良いでしょう。 R1, R2, R3 : 3個のリンゴそれぞれの重さ、M : ミカンの重さ、B1, B2 : 2本のバナナそれぞれの重さ、と確率変数を定めると、問題から察するに R1, R2, R3, M, B1, B2 はすべて互いに独立としてよいでしょう。また、
E [ R1 ] = E [ R2 ] = E [ R3 ] = r , V [ R1] = V [ R2 ] = V [ R3 ] = (σr)^2
E [ B1 ] = E [ B2 ] = b, V [ B1 ] = V [ B2 ] = (σb)^2
総重量は W = A1 + A2 + A3 + O + B1 + B2 なので、その期待値と分散は、
E [ W ] = E [ A1 + A2 + A3 + O + B1 + B2 ]
= E [ A1 ] + E [ A2 ] + E [ A3 ] + E [ O ] + E [ B1 ] + E [ B2 ]
= 3 r + m + 2 b
V[W] = V [A1 + A2 + A3 + O + B1 + B2 ]
= V [ A1 ] + V [ A2 ] + V [ A3 ] + V [ O ] + V [ B1 ] + V [ B2 ]
= 3 (σr)^2 + (σm)^2 + 2 (σb)^2
これも説明がグダグダと長くなりましたが、丁寧に考えるとこういうことです。
ご回答ありがとうございます。とても丁寧な解説をしてくださったおかげで理解することができました!
今まで、1)でXr = 3 R, Xm = M, Xb = 2 Bとすると、値段の合計がXr + Xm + 2X = 3R + M + 2Bと表せるのに対して、2)では総重量がR1 + R2 + R3 + M + B1 + B2と表されることの違いがわかりませんでした。
確かに、この問題のねらいはこの違いがわかるかだと思います。
また、このことの理解には何と何が独立なのかを明確にしないといけないと感じました。(今回の問題では、リンゴ、ミカン、バナナの重量(及び価格)が個体ごとに独立であるとうことですね)
独立は重要な概念だとは聞いていましたが、具体的に説明していただいたおかげで、また丁寧で噛み砕いた解説のおかげで私でも理解することができました。この度はありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
#2 です。
回答の最後のほう、なにやら確率変数が変になっちゃってましたね。察して頂けたようですが、ごめんなさい。謹んで訂正。総重量は W = R1 + R2 + R3 + M + B1 + B2 なので、その期待値と分散は、
E [ W ] = E [ R1 + R2 + R3 + M + B1 + B2 ]
= E [ R1 ] + E [ R2 ] + E [ R3 ] + E [ M ] + E [ B1 ] + E [ B2 ]
= 3 r + m + 2 b
V[W] = V [R1 + R2 + R3 + M + B1 + B2 ]
= V [ R1 ] + V [ R2 ] + V [ R3 ] + V [ M ] + V [ B1 ] + V [ B2 ]
= 3 (σr)^2 + (σm)^2 + 2 (σb)^2
また、分かっておられるとは思いますが、誤解させたら申し訳ないので以下補足。
E [ aX + bY ] = a E [ X ] + b E [ Y ]
は X, Y が独立でなくても常に成立。独立が問題なのは分散の方で
V [ aX + bY ] = a^2 V [ X ] + b^2 V [ Y ]
は X, Y が独立であるときに成立。独立でなければ共分散の項が出てきます。
> この問題のねらいはこの違いがわかるかだと思います。
多分そうなんでしょうね。
ご丁寧に訂正していただき、ありがとうございます。確率変数は英語の頭文字だったので、すぐ理解できました。
共分散がCov(X,Y)= E[XY] - E[X]Y[Y]なので、X,Yが独立でなければ共分散の項が出てきてしまうということですね。
仰るように、このあたりを意識しないでいると、つい間違えてV[XY] = V[X]V[Y]などとしてしまいそうになります。
今回教えて頂いたことによって、確率変数をなんとなく使っていたということが明らかになり、イメージが持ちづらかった期待値、分散の加法性に実例をもって取り組むことができました。そして、とても解りやすい解説をしていただき、大変勉強になりました。この度は本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
>どちらに適用したらいいのかがわかりません
適用すべきなのは 1)ですけど、どう説明すればいいものか。
とりあえず、答えは
1) V = 3^2*400 + 1^2*100 + 2^2*900
2) V = 3*400 + 1*100 + 2*300
なわけですが、計算式を見てなんとなく理解できますか?
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。何となく理解できたと思います。
教えていただく前は逆に考えていました。式を見て考えたのですが、
リンゴとミカンとバナナの確率変数をX1,X2,X3とすると、
1)は重量[1g]に応じて価格が3倍、1倍、2倍と変わるからV[3*X1+1*X2+2*X3] = 3^2*400 + 1^2*100 + 2^2*900=7300
2)は単純に重量のバラつきだから3*V[X1] + 1*V[X2] + 2*V[X2] = 3*400 + 1*100 + 2*300=1900
確率変数は取りえる値だから単位は[g]。
というような解釈でいいでしょうか。
お手数ですが、補足説明をよろしくお願いできますか?
ご回答ありがとうございました。皆様のおかげで、理解することができました。
すぐに教えていただきたい時に、素早く教えていただけたので考えをかなりまとめやすくなりました。(それ以前は、答えすら間違っていましたので…。)
疑問について解決いたしましたので、回答を締め切らせていただきます。
この度は、お力添えしていただきありがとうございました。
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