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 回折格子についての入試問題などで左右に回転させて溝の間隔を広げたり狭めたりして直線上にある明点の間隔を変えるなどがあるのですが、逆に、これを前方または後方に回転(溝が上下になっていて、上のほうを手前がわに下のほうを奥のほうなどのように)すると明点を結んだ線が放物線のように湾曲するのです。ホイヘンスの原理では説明ができないと思うのですが、この現象はどのように説明すればいいのか教えてください。
 また、単スリットや二重スリットでも同じ現象がおきました。またこのとき、入射角が同じだと湾曲も同じでした。どのように説明すればよいでしょうか。お願いします。

A 回答 (1件)

どのような光学系なのかが文面からは分りませんので一般的な話をします。



まず平面回折格子の場合、入射する光は平行な光です。
そのため、ピンホール、スリットなどを通った光をレンズ又は凹面鏡で平行光にします。
次にその光を回折格子に当てると、複数次に回折した光を得ることが出来ます。

しかしこれはそのままでは次数に応じた輝点を観察することは出来ません。
あくまで、次数ごとに進行方向の違う光を得ることが出来るだけです。

そこでまたレンズ又は凹面鏡で集光します。このときに角度に応じた位置に輝点ができますので、複数の次数ごとの輝点を見ることができます。

一般的な分光器では、凹面鏡2枚を使ったものは普通ですが(たとえばツェルニ・ターナー型分光器)、凹面鏡による結像系では収差が出てしまいます。
その中で歪曲(distortion)と呼ばれる収差は、光軸から離れるとその距離に応じて像の倍率が変化し、結果としてたとえば元の像が正方格子でも出てきた像は、たる型、又は糸巻き型に歪んでしまうというものです。
凹面鏡の場合はまず大抵はたる型になります。
凹面鏡を使う天体望遠鏡ではどんな収差も小さくしたいため同軸の光学系にすることも行われています。
(そのためには凹面鏡に穴をあけて取り出すところを設けたり、ミラーを光軸上において取り出したりなど工夫する)

したがって、この分光器で回折格子をご質問のようにあおり、回折光の方向を光軸方向と異なる方向にすると、回折光の輝点は一直線ではなくて湾曲して並ぶことになります。

なお、
>ホイヘンスの原理では説明ができない
ホイヘンスの原理を持ち出す理由がわかりませんが、光はホイヘンスの原理(厳密には、改良されたフレネルキルヒホップの回折理論)にいつでも従っています。
しかし歪曲などの収差についていうと、光の波動的なことは考えなくても(つまりホイヘンスの原理を持ち出さなくても)、幾何光学で説明可能です。
(そのほうが簡単に説明できる。もちろんホイヘンスの原理・キルヒホッフ回折理論をベースにして導き出すことが出来ないわけではありませんが)

分光器ではピンホールではなくスリットを入射側の光源としていますが、この歪曲のために実はスリット像は多かれ少なかれ湾曲しています。
なので、大抵の分光器ではスリット幅を制限するようなものがついているのが普通です。
(光量を犠牲にして分解能をあげたいときに使用する)

では。
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