前田愛の『文学テクスト入門』に、次のような旨の
ことが書いてありました。
1「日本の小説のタイトルは主人公が題名になっているもの
が少ない。」
2「一方で西欧では多い。ヨーロッパの小説では
悲劇は主人公の名前がタイトルになることは多いが、
喜劇は少ない。」

これはなぜなのですか?教えてください。

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A 回答 (2件)

日本の場合、実在の人物でないかぎり、主人公の姓名がそのままタイトルになる例はきわめてめずらしいと思います。



欧米の場合、特に18世紀や19世紀には、架空の主人公の姓名がタイトルの作品は非常に多く、それが普通であったと思います。

18世紀イギリス小説「トム・ジョーンズ」「トリストラム・シャンディ」「モル・フランダース」など。
19世紀イギリス小説「ジェーン・エア」「バリー・リンドン」など。
私はイギリスが専門なので、イギリスの場合について説明しますと、イギリス小説は18世紀にまず、ピカレスク小説として発達しました。つまり、ピカレスクの主人公の恋や冒険を描く物語で、いわば、キャラクター小説というか、こういう名前の主人公が冒険するんだな、という印象を読者に与えるインパクトが強かったと思います。
また、心理小説の場合も、ヒロインが誰をどう好きになってどうなる、といった、やはり、こういう名前のヒロインが恋をするんだな、という印象を与えるタイトルとしてインパクトがあったと思います。
つまり、18世紀、19世紀の欧米小説は、主人公がメインのキャラクター小説としての面が強く、そのため、主人公の姓名がタイトルになるものが多いと考えれます。
他方、日本の小説は欧米よりも遅く、19世紀末に始まったので、キャラクター小説としての色彩が薄く、主人公の姓名をタイトルにしてもインパクトが少ないと思われます。そうした違いが出ているのではないかと思います。
また、悲劇は多いが喜劇は少ない、というのは誤りで、イギリス小説ではむしろ、喜劇的なピカレスク小説の題が主人公の姓名になることが非常に多いです。上に上げた作品はどれも悲劇ではありません。
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 おもしろい着眼なので、ざっと拾いだしてみたところ、とくに結論に
導かれるような傾向は見られません。
 強いていえば、日本では女性が、西洋では男性が多いようです。
 
 ハムレットとドン・キホーテのように、同時代のイギリスとスペイン
に登場し、悲劇と喜劇に分かれて、いまも男性の二大典型でありつづけ
る例も、他になさそうです。
 
── 夏目 漱石《三四郎 19080901-1229 朝日新聞》
── 芥川 龍之介《おぎん 1922‥‥ おしの 1923‥‥ 》
── 宮本 百合子《伸子 1924‥‥ 》
 
── 富田 常雄《姿三四郎 194209‥-194407‥錦城出版社》
── 檀 一雄《リツ子、その愛・その死 1950‥‥ 》
── 宇野 千代《おはん 1957‥‥ 中央公論社》
 
 ◇
 
── シェイクスピア《ハムレット 1600-1602‥‥ England》
── セルバンテス《ドン・キホーテ 1605-1615‥‥ Spain》
── デフォー《ロビンソン・クルーソー 1719‥‥ England》
 
── スウィフト《ガリヴァー旅行記 1726‥‥ England》
── ゲーテ《ファウスト 1808-1833‥‥ Duitz》
── フローベール《ボヴァリー夫人 1857‥‥ Francd》
 
── トウェーン《トム・ソーヤーの冒険 1876‥‥ America》
── トルストイ《アンナ・カレーニナ 1877‥‥ Russia》
── ハーディ《テス 1891‥‥ 》Tess of the D'Urbervilles
 
── ロラン《ジャン・クリストフ 1903-1912‥‥ Francd》
── ヘッセ《デミアン 1919‥‥ Duitz》
── ローリング《ハリー・ポッター 1997‥‥ England》
 
♂前田 愛(籍=よしみ)国文学 19310420 神奈川 19870727 56 /立教大学教授~記号論《近代読者の成立》
 
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