
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
>有機化学者などでも簡単に理解でき利用できるような良い文献また
>は教科書などがあればご紹介いただけないでしょうか?
残念ながらこの種の話で有機化学者向けものに就きまして疎く、よく存じません。
物理化学の代表的教科書(アトキンス、バーローなど)をご覧になれば反応速度論の部分があり、そこで取り扱われております。
Eyringのアプローチで多少なりとも有機物が出てくるのはおそらく古本しかないでしょうが(あるいは図書室で探されては?)ドーデルの「量子化学」が挙げられます。この本に”化学反応性の理論・反応速度”の章があり、ベンゼンやナフタレンのニトロ化とか交互共役単価水素の置換反応機構、付加反応等が論じられています。
なおEyring自身に「絶対反応速度論」があり翻訳も出ています。しかし買って全部読むのは速度論でも専門にしようという人ですね。図書室にでもあれば上巻のさわりのところに目を通すのはよいかも知れません。また、Eyringは有名なQuantum Chemistryの教科書を書いていす。(Eyring, Walter, Kimballの本)この本の後の方にThe Quatum Mechanical Theory of Reaction Ratesという章があります。物理が得意なら手っ取り早く理解するのにはよいかも知れませんが、有機化学者には面倒かも知れませんね。
以上あまりお役に立てなかったかも知れませんが...
No.2
- 回答日時:
>実際にプロットを行う場合にどの数値を用いれば良いかということな
>のですが、二次反応においてアイリングプロットを行う場合、k*を用
>いる必要があり、K*を求めてk* = k2/K*を算出しなければならないの
>でしょうか。しかし、k2はまだしもK*を求めるというのはかなり大変
>なことのように思えます。
まずEyring流では
d[C]/dt=k*[(AB)*]...(1)
でした。
k*は活性錯合体がある遷移状態を通り抜けられるかの目安です。特定の、問題となる振動モードの振動数をνとすると、この振動数に比例して反応が進むと考えていますので
k*=κν...(2)
です。一回振動すると必ず遷移状態を通過できるとは限らないし、分子の回転も影響を与えるかもしれないのでκという透過係数を入れます。κは多くの場合約1だと言います。しかし原系に平衡であるとする[(AB)*]の量が問題です。(これがわかればK*がわかるのでk2はk2=k*K*より計算できます。)活性錯合体の分配関数を出せ、ということなのですが活性錯合体の分配関数は活性錯合体自身がどんなものか不明なので、質問者さんが懸念されているように簡単には計算できません。(この分配関数のうち一つの振動モードがkT/hνの形で出されるので、k*K*の計算で不明だった値νは消えるのですが。)
いろいろな形での計算は過去からあったとは思いますが、申し訳ありませんが私は詳しく存じません。そもそも原系と活性錯合体が平衡だというのは大丈夫でしょうか?この理論に就きましては理解したり計算したりする労苦に見合うほどの成果が出ないのではないかと個人的には思っております。
A+B→Cにおいて、初期に[A]=a, [B]=bとして反応の実測の[C][A][B]の時間に対する値があれば、A=a-x, B=b-x, C=xから
dx/dt=k(a-x)(b-x)...(3)
の微分方程式は
{1/(b-a)(a-x) - 1/(b-a)(b-s)}dx=kt
と変数分離できて解けます。
から解けます。(1/(b-a))ln{(b-x)a/(a-x)b}をtに対してプロットしてkを勾配とする直線のグラフを作ることができます。もし直線にならないならばモデル不成立です。もし直線が得られるならkの実験値を得たことにはなります。これがEyringの計算のk2にあたるのか、といわれるとメカニズムが判らないのではっきりしないと思います。
もしa=b=Aと等しい値からの出発なら
(1/(A-x)^2)dx=kdt
でこれも解けます。これからはx/A(A-x)をtに対してプロットしてkを勾配とする直線のグラフを得ます。以下上の議論に同じです。(計算違いがあったらごめんなさいです。)
物理化学的な点から要点を教えてくださったため、大変勉強になりました。
ありがとうございました。
最後になりますが、有機化学者などでも簡単に理解でき利用できるような良い文献または教科書などがあればご紹介いただけないでしょうか?
No.1
- 回答日時:
Eyringの式の形は、大雑把に言えば、原系と活性錯合体の間の平衡を仮定して、反応速度はその錯合体が壊れる速度としたはずです。
d[C]/dt=(k*)[(AB)*]
ということにして、原系と活性錯合体との平衡を考え
[(AB)*]=(K*)[A][B](ここでK*は濃度の逆数の次元を持ちます。)
とし、
d[C]/dt=(k*)(K*)[A][B]=k2[A][B](k*は時間の逆数の次元をもちます。)
を得て、k2=(k*)(K*)の中味を考察していたはずです。k2とは二分子反応の速度定数の意味で、k(ボルツマン定数)と区別して2をつけています。k2は時間と濃度の逆数の次元です。
以下蛇足ですが
k2=κ(kT/h)K*
の形を得ているはずです。(κは透過係数)
明瞭なご説明ありがとうございます。かなり理解できました。
残る疑問は実際にプロットを行う場合にどの数値を用いれば良いかということなのですが、二次反応においてアイリングプロットを行う場合、k*を用いる必要があり、K*を求めてk* = k2/K*を算出しなければならないのでしょうか。しかし、k2はまだしもK*を求めるというのはかなり大変なことのように思えます。
ご面倒とは存じますが、その辺りまで教えていただけると非常に助かります
。よろしくお願い致します。
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