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岡山博愛会なのか、キングスレー館なのか判りますか?
文献によって見解が違って困ってます。

A 回答 (1件)

1891(明治24)年、


アダムス宣教師が純粋なキリスト教精神に基づいて始めた日曜学校が、
わが国初のセツルメントです。
1896(明治29)年に、岡山博愛会としての私立小学校に
発展しました。
岡山博愛会はいまも社会福祉法人として現存しているので、
以下のURLを参照してみると良いと思います。

http://www.okayama-hakuaikai.or.jp/annai/enkaku. …

※ セツルメントとは?
 一定地域に定住して(住み込んで)、
 教育・育児・授産・医療などの生活全般に亘って
 住民を援助してゆく社会福祉事業、およびその施設を言います。
 (キリスト教精神がその柱となっています。)

岡山博愛会のセツルメントは、上述の基本概念に基づくもので、
必ずしも「貧困層対策(特に、スラムや被差別地区)」に限った、
というわけではありませんでした。

これに対して、1897(明治30)年に
片山潜が東京・神田三崎町に設けたキングスレー館は、
トインビー・ホール(1884年~)の理念に立脚した「隣保館」で、
特に「貧困層対策」に重心を置いていますし、
1つの政治運動でもありました。
つまり、政治性が強かった、という意味で、
岡山博愛会とは、かなり性質が異なるわけです。
(片山は日本初の労働組合を作ったほか、日本社会党の結党にも関与。)

※ 隣保館とは?
 セツルメントの一種ですが、
 スラムや被差別地区の労働者の貧困の問題に対して、
 「労働者を取り巻く制度・環境」を改良・整備したり、
 「労働者に対する十分な教育」(労働組合)を普及したりすることで
 その解決を図ってゆこうとする、
 そういった社会福祉活動・労働運動を行なうための施設を言います。
 (労働運動的な色彩が濃いものです。)

いずれにしても、セツルメント全体の歴史的な流れでとらえると、
時間的に、岡山博愛会の活動がわが国初のものとなりますし、
一方で、セツルメントを、トインビー・ホールの理念を厳格に適用した
「貧困者対策としての労働運動」として狭義にとらえれば、
キングスレー館が最初となります。
(私としては、前者、すなわち「岡山博愛会が最初」という見解です。)
 
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
自分なりに整理できました。

お礼日時:2008/12/17 09:16

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