表題の件について皆さんのご意見を伺いたく。

随分昔に読んだ際には、主人公の回想であると思いました。
導入部分が現在、そして続くのが過去に出会った少女のこと、戦争で負傷した自身のことの回想。

しかし先日読んだ際に、もしかしたらこれは回想ではなく、エズミに捧げた作り話なのではないかと思いました。
主人公は、最後に眠る行で死んでしまっていて、導入部分の「結婚式に招待を受けた」という部分はすべて空想。
エズミに頼まれた「いつか私のために汚辱の話しを書いてね」という、その話そのものではないかと。
いつか戦争が終わり、成長したエズミが結婚することを思い描きながら、彼は壊れた時計を確かめることもなく死んでしまったのではないかと。

どうなんでしょう?
みなさん解説御願いします。

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A 回答 (1件)

こんばんは。



読者それぞれ自由な解釈があっていいと思います。
以下は、あくまで私個人の解釈です。

まず、冒頭で結婚式の招待状を受け取りますが、
この結婚式の花嫁は、まさに「エズミ」ですよね?
そして、そこから「私」は、彼女を知った時の秘話を話し始める訳です。
とてもほのぼのとした、心温まる彼女と弟(+家庭教師?)との出会いです。
そして、その帰り際に、私のために汚辱的な短編を書いてね、と彼女に頼まれます。
なので、ここまでは、私は作り話ではないと思うのです。
(汚辱的な内容ではないし)

場面が一転して、宿営していた民家での話になります。
ここからが、私は、"汚辱的"な話だと解釈しました。
何が"汚辱的"かというと、サリンジャーは、その出自から
"ユダヤ"に対してある種の基本的なポリシーを持っていますね。
詳しいことは避けますが、後半、宿営中に机に置かれた
ゲッペルスの「未曾有の時代」、そこに書き込まれた
「神よ、人生は地獄」の文字とそれに続けて書き込みを加えるX。
本の持ち主であるナチスの下級女性官吏は、
見習い曹長であるX(「私」の正体ですよね)が逮捕したのですね。
その後、戦友Z伍長の鬱陶しい話(猫を殺したうんぬん)に
辟易する(実際、紙屑籠に吐きます)場面もあります。

最後、彼は死んでしまいましたっけ??
陶然と引き込まれていくような快い眠り………とありますが、
私は、死んではいないと取りました。
でないと、結婚式の招待状を受け取る冒頭の現実に繋がらない気がします。
ちなみに、彼は、入院していて、この日、退院してきたのですが、
この入院は、おそらく精神の病だと思われます。

エズミからの手紙は1944年に書かれ、それを宿営で読むのが1年後の1945年ですね。
果たして彼はエズミに返事を書いたものやら... その辺は
読者の想像いかんでしょうが、最後に
For Esme_ with Love and Squalor (愛と汚辱をこめて)
... とあるのが、何か象徴的ではありますよね。

全くの私見ですが、参考までに書いてみました。
サリンジャーは、作家としては寡作で、謎めいた人ですよね。
ちなみに「バナナフィッシュにうってつけの日」、あれって理解出来ました?(^^)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
興味深く拝読しました。
すごく納得。
色々とサリンジャー作品についてのお話を伺いたくなりました。

バナナフィッシュ、あれも理解できずにいます・・・
toko0503さんの解釈を伺えれば嬉しいです。

毎年のように今年こそは新作発表か?といわれているサリンジャーですが、
いつかその日は来るのでしょうかねー。

お礼日時:2009/05/13 11:09

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Qサリンジャーの「笑い男」について

ずっと気になっていたのですが。

サリンジャーの「笑い男」に出てくる、笑い男の話。
あれは別個の物語として存在するものなのですか?

どこかで読んだような気がするのですが、確かではありません。
それともあれはサリンジャーの創作なのでしょうか?

ご存知のかたいらっしゃいましたら、教えてください。

Aベストアンサー

>笑い男の話

というのは、コマンチ団の団長が話してくれた“宣教師の一人息子が中国の山賊に誘拐されて、盗賊団の団長になる”、というエピソードのことですね。

サリンジャーの研究書を何冊か見てみましたが、はっきりと出所明示がしてあるものはもとより、何かの影響を受けた、という書き方がしてあるものもありませんでした。

ただ、このエピソードの原型、植民地へ行ったヨーロッパ(アメリカ)人の子どもが両親とはぐれ、一人現地で育っていく、というものは、19世紀ごろには、多くのバリエーションをもった民間伝承としてあったようです。
そうしたものを元に書かれた有名な作品が、キプリングの『ジャングル・ブック』や『少年キム』です。

一方、サリンジャーの短編というのは、周到な計算によって練りに練られたものなので、すでにできあがっていたストーリーを作品の中に借り入れる、ということをしたとは考えにくいのです。
おそらくそうした“誰もが知っているエピソード”を一番根っこのところで借りながら、サリンジャーが創作したものと考えてよいと思います。
質問者さんが“どこかで読んだことがある”と思われたように、団長の話も子どもたちにとっては“どこかで聞いたことがある”話としてスタートし、予想もつかない展開を見せていったのではないでしょうか。

>笑い男の話

というのは、コマンチ団の団長が話してくれた“宣教師の一人息子が中国の山賊に誘拐されて、盗賊団の団長になる”、というエピソードのことですね。

サリンジャーの研究書を何冊か見てみましたが、はっきりと出所明示がしてあるものはもとより、何かの影響を受けた、という書き方がしてあるものもありませんでした。

ただ、このエピソードの原型、植民地へ行ったヨーロッパ(アメリカ)人の子どもが両親とはぐれ、一人現地で育っていく、というものは、19世紀ごろには、多くのバリエーションを...続きを読む

Qサリンジャーの本を読んだのですが、どなたか教えて下さい

最近、サリンジャーの「ナインストーリーズ」というのを読んでます。

9つの短編全てを読みきったわけではないのですが、
どれもこれも
「?」「??」「???」という内容と思ってしまいます。
何をいいたいのか、何が書いてあるのか、何を意味するのかがサッパリわからず、読んでいて、
おぉぉ~、これから面白くなりそうだなって思ったら
「え!?終わり?」みたいな感じです。

多分、私があまりに思慮がなさすぎなんだと思うのですが、せめて、この話、一つ一つの解説などがわかれば、きっと面白いのだろうと思うのですが
どなたか、解説できるor解説の書いてあるHPなど
教えていただけないでしょうか?

ちなみに、サリンジャーの本は、この本が初めてで、一番有名という「ライ麦畑でつかまえて」というのは読んでません。
それと、つけくわえるなら、
上記で読んだという短編は、
「バナナフィッシュにうってつけの日」
「コネティカットのひょこひょこおじさん 」
「小舟のほとりで 」
「エズミに捧ぐ――愛と汚辱のうちに 」
「愛らしき口もと目は緑」
です。
よろしくお願いしますm(__)m

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サリンジャーは若者の心情を表現するのが得意な作家ですよね。「ライ麦……」のホールデン達も16歳位でした。ナインストリーズには、若者、それも子供が多く登場しますね。私は、どれも彼の分身なのではないかな、と思ったりしています。「小舟のほとりで」の、家出をするライオネル少年は、メイドが父親を「ユダ公」呼ばわりしているのを聞いていますが、母親に「ユダ公って何だか知ってるのか」と言われて「ユダコという空に上げるタコの一種」と答え、母親に抱きしめられて、最後は二人でかけっこしながら町にパンを買いに行きます。本当に彼が取り違えているのかどうか分かりませんが、この最後の部分などは映画のワンシーンを観ているように感じました。(サリンジャーの父方はユダヤ人)どの作品も、微妙な、単純だけど割り切れない子供(若者)の心理をよく捉えていると思います。バナナフィッシュの最後は唐突と言えば唐突で、私もあっけにとられましたが。(^^) サリンジャーの文体は、技巧をこらした繊細で緻密なガラス細工の様だとかよく言われますが、その辺りのことまでは言葉の壁がある日本人が、翻訳ものから感じるのはなかなか難しいですよね。
あくまで私見ですが、参考までに書いてみました。

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ここまで読んだ時点で、全く意味がわからないんです!
登場人物の思考も、サリンジャーが書きたいこともわかりません。
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どうしたらいいでしょうか。
何か解決の糸口やアドバイスがあれば教えていただけると助かります。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

こんばんは。
サリンジャーにそれほど詳しいわけではないので、多少まちがった回答をしてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。参考までの回答ということでお願いします。

『ナインストーリーズ』ですが、今手元にないのでちょっと記憶が曖昧なのですが、これは、サリンジャーの作品群の中で、1つのカテゴリというか、シリーズに分類できる作品です。
サリンジャーは、シーモアを長兄とした、ある家族というか、七人兄弟の、群像劇のようなシリーズを書いています。
『ナインストーリーズ』はこのシリーズの作品の一つで、9つのどの話も、この兄弟たちの誰かが主人公だったり、モデルだったりしているはずです。

この兄弟のシリーズには、『大工よ屋根の梁を高く上げよ/シーモア序章』と『フラニーとゾーイー』という、二つの新潮文庫があります。こちら先に読まれるといいと思います。ナインストーリーズよりも、長めの中編なので、物語の筋や兄弟の状況がよく掴めると思います。

すごく、おおざっぱに単純化した説明をすると、この兄弟は、子供の頃から、神童を売りにしたTV番組に兄弟で出演し続けて、それで学費を稼いで育ってきた兄弟という設定です。神童ですから、とても頭がいい兄弟です。
ただ、特殊な子供時代を送ってきたことによって、うまく大人になってゆくことができません。シーモアをはじめ、兄弟の誰もが世界に馴染んでいくために苦しい格闘しなければならないのです。頭がよすぎることや、あるいは繊細すぎることが、彼らをとても苦しめてしまいます。
・・・単純化してのっぺりと説明してしまうと、そういった兄弟の話になるのですが、たとえ神童でなくても、TV番組に出続けていなくても、同じように、大人になるためには誰もが似たような苦しみを味わうものでもあるので、それが、このサリンジャーのシリーズが読者を惹きつける理由になっています。

『ナインストーリーズ』は、そういった兄弟の物語の中の物語のような位置にあります。先にも書きましたが、新潮文庫の他の『フラニーとゾーイー』などを先に読まれると、『ナインストーリーズ』もわりと理解できるのではないかと思います。

ちょっと、長い説明になってしまいましたが、参考にしてくださいね。

こんばんは。
サリンジャーにそれほど詳しいわけではないので、多少まちがった回答をしてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。参考までの回答ということでお願いします。

『ナインストーリーズ』ですが、今手元にないのでちょっと記憶が曖昧なのですが、これは、サリンジャーの作品群の中で、1つのカテゴリというか、シリーズに分類できる作品です。
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