中学三年生・女です。
今年の夏休みに、原稿用紙5枚以内の読書感想文が宿題に出されました。
去年は太宰治の「人間失格」で一気に書き上げることができたのですが、今年はいい本が見つかりません><
みなさんおすすめの本を教えてください。
『偽善(またはそれに近いもの)』がテーマだと良いです。あと風刺も入っているとベストです。
今まで「金閣寺」「こころ」「ライ麦畑でつかまえて」を読んでみましたが、どれもしっくりきません。
雰囲気としては上記のような本がいいです。
時間がないので、上下ものは避けたいです。
注文が多くてすみません。お願いします!
No.3
- 回答日時:
すご~い!中2で太宰ですか!
同い年のうちの娘なんて読む本といったら、ケータイ小説ばっかですよ~!(あれを本と認めていいのか…)
あなたの爪の垢を飲ませた~い!
さて、偽善がテーマで、思いついたのは…「こころ」はもう概読だそうなので、森鴎外の「舞姫」などいかがでしょう?ちょっとダイレクトすぎますかね~?
それほどでもないですよ;;
ケータイ小説はほとんど読みませんが・・・。
「舞姫」、これから読みたいリストに入っております!
時間があったら読んでみようと思います。
ありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
少々分かりにくい話だったのですが(^^;、偽善ということで。
『悪魔とプリン嬢』パウロ・コエーリョ/角川文庫
http://www.amazon.co.jp/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81 …
短編ですが、『色彩の息子』(山田詠美、新潮文庫)
の中にも、善意って何だろうというような話がいくつかあったかと思います。
http://www.amazon.co.jp/%E8%89%B2%E5%BD%A9%E3%81 …
ドストエフスキーもいいですが、長いのが多いです。
『白夜』は読みやすいけど偽善ではないし・・・・。
No.1さんが挙げてらっしゃるドストエフスキー『罪と罰』と村上春樹『ノルウェイの森』は、読んで損はないのですが、残念ながら「上下巻」です。
『悪童日記』は未読なのでわかりません。
「ノルウェイの森」は知っていましたが、「罪と罰」も上下なんですね。
ドストエフスキーは時間があるときに挑戦してみます。
ご回答の本、参考にさせていただきます。
ありがとうございました!
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
「佐々木先輩、お久しぶりです」
「おう、後輩の山崎か。元気か?」
「はぁ、なんとか。あ、そうだ、このあいだ知り合いのc-tさんに聞かれたんですけど」
「おう、なんでも聞いてくれ」
「読書感想文を書くので、何かいいテーマを教えてほしいというんですけど」
「いくらでも知ってるで」
「ただし、偽善のようなものをテーマにしたいそうなんですけど」
「それならもってこいの小説がある、芥川の蜘蛛の糸や」
「え?あれ、偽善がありましたっけ」
「そこはそれ、まあ話の持っていき方ひとつや」
「そうなんですか、じゃあ、ひとつアドヴァイスをよろしくお願いします」
「その前に、青空文庫で話の内容を確認しとこか」
「ここですね、
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14 …
バッチリ読めます」
「よっしゃ、ほないくで」
「よろしくお願いします」
「まず、蜘蛛の糸にはいくつかの疑問点がある」
「はあ、たとえば?」
「1番。そもそも蜘蛛を助けたというだけで、極楽に行く資格があるのかということや」
「確かにそう言われてみれば、そのくらいのことで極楽に行けるんやったら、誰でも極楽に行けますね」
「2番。お釈迦様は本当にカンダタを助ける意思があったのか」
「それはあったんと違いますか?」
「3番。もしカンダタがほかの亡者を止めずに一緒に極楽に上ってきたら、お釈迦様はどうするつもりだったのか」
「うーん、それは気になりますね」
「4番。蜘蛛は何も悪いことをしていないのにカンダタと一緒に地獄に落ちてしまった。さて、その蜘蛛の運命はいかに」
「そういえば蜘蛛も被害者ですね」
「ではまず1番からや。カンダタが極楽へ行けるんやったら、ほとんどの者は極楽へ行ける、そう思うわな」
「そうですよね」
「そこでヤンキー兄ちゃんの登場や」
「ヤンキーって不良のことですか」
「そうや。たとえば普通の者が掃除をしても褒められんがヤンキーが掃除すると褒められる」
「そうですね」
「普通の者が勉強しても褒められんが、ヤンキーが勉強すると褒められる」
「つまりヤンキーは普通のことをしても褒められると?」
「そういうこっちゃ、だから普通は蜘蛛を踏まなかったくらいでは極楽へは行けんが、カンダタはその程度の善行でも褒められるんや。すなわちカンダタの善行に対する閾値(いきち)は低いんや」
「でも、それだと不公平な気がしますが?」
「自分の損得勘定で判断してはいかんのや、お釈迦様の判断なんやから」
「もしかして、お釈迦様は最初からカンダタを助ける気はなかったのでは?」
「ちゃうちゃう、お釈迦様は人間の損とか欲とかを超越した存在なんや、だからお釈迦様は本当にカンダタを助けてやろうという気はあったんや」
「うーん、よくわかりませんね」
「お釈迦様がカンダタを助ける気もないのに、蜘蛛の糸を垂らしたとすれば、それこそ偽善や」
「ぬか喜びさせただけですもんね」
「しかし、人間の善悪の基準と、お釈迦様の善悪の基準は違うんや」
「どう違うんですか?」
「そこはそれ、哲学や」
「ごまかさないでくださいよ」
「いや、ちょうど哲学カテで蜘蛛の糸の話題があるから、そこを見てもらってだな・・・」
「これですか?
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5086033.html
タイトルもそのものズバリ、蜘蛛の糸」
「そうそう、それやがな、蜘蛛の糸も深い話ちゅうわけや」
「まあ、お釈迦様の考えは凡人には計り知れないとこですから置いといて、3番の、もしカンダタがほかの亡者を止めずに一緒に極楽に上ってきたら、お釈迦様はどうするつもりだったかというのはどうなりますか?」
「一般的には、もし亡者が全員極楽へやって来たら、もともと極楽にいた者たちは更に上の界へ逃避するのではないかと言われているな」
「じゃあ、極楽が地獄になるだけじゃないですか」
「まあ、これは仮定の話やから、お釈迦様にはきっとすばらしい案があるに違いない」
「やっぱり、お釈迦様はハナからカンダタたちを助ける気はなかったのでは?」
「いや、だから、お釈迦様はカンダタたちを運命の手に委ねただけなんや」
「まあそういうことにしときましょう、で最後の蜘蛛の運命ですが?」
「そう、そこがポイントや。みんなカンダタの方に目が行ってるから、蜘蛛の運命に注目した感想文を書くと、絶対に褒められるぞ」
「蜘蛛は地獄の池に落ちて、死んでしまったんですか?」
「そんなわけないやろ、地獄の壁をえっちらおっちらと登って、お釈迦様の元に帰ってきたんや」
「それで?」
「極楽の蓮の花のそばで、神に仕える天使のごとく、お釈迦様のそばに寄り添う蜘蛛の姿が目に浮かぶやないか」
「うーん、なんだかわかったような、わからないような」
「その辺はまあ感想文なんやから、自分の言葉で書いてもらったらえーんや」
「まあ、何とかなりそうですので、ありがとうございました」
「ほな、またな」
参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5086033.html
とても分かりやすかったです。
蜘蛛の糸は読んだことがなかったのですが、青空文庫で一気に読みました。
ただ、これで書いたら私の感想文ではないような気がするのですが、いいのでしょうか・・・?
ありがとうございました!
No.6
- 回答日時:
まず、条件を箇条書きしてみます。
1.将来必ずどこかで有益である可能性が大きく、
2.できれば日本語の発想で書かれていて
3.偽善がテーマの一つで、風刺が効いており、
4.あまり長くない小説。
3、4項がご希望のもの。1、2はこちらの勝手な自己規制です。
この全部に該当する作品が、探せばたくさんあると思うし、
すでに的確に挙げられた回答者の方もいらっしゃるようにお見受けしますが
当方の単なる知識不足のためなかなか思いつきませんでした。
そんななか、
◆樋口一葉『にごりえ』
などはいかがかな、と考えました。
優柔不断な男に苦しめられる女二人の話、宇野千代『おはん』だとか、
女二人より猫のほうがいいという男、谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のおんな』だとかもあるところですが、
やはり、まず、一葉がいい。
女二人を不幸のどん底に落としながら、身勝手に死んだ男のほうは割腹が見事だとか何だとか褒められる男中心社会・価値観への批判が、あからさまではないけれども、明確に読み取ることができるからです。
加えて、一葉の文体は平安朝いらい千年つづいた和文脈の最後の輝き。
手に入りやすいテクストの中では、ちくま文庫「樋口一葉小説集」が、豊富なルビ(ふりがなのことです。ふりがなの豊富さは、よく誤解する人がありますが、決して幼稚さを意味しません。むしろ出版社の誠意と思って下さい)、イラスト入りの脚注があって抜群に読みやすく理解しやすいでしょう。
著名な作家の短編を集めたものとして、
◆『戦後短篇小説再発見15 笑いの源泉』講談社文芸文庫
もあります。オビに「誇張、戯画化、諷刺によって浮かび上がる人間の姿」とあって、開高健、筒井康隆、北杜夫、椎名誠など11人の作家になる、なかなかのアンソロジーとなっていて、お求めのものに一番近い一冊かもしれません。
また、最初の条件の2をなかば放棄、4を看過すると、三人の作家が浮き上がってきました。
◆夏目漱石『吾輩は猫である』
読まれているのは背表紙(題名)ばかりで、中身はそれほど読まれていない小説の代表格ではないかと思います。風刺の冴えはいまさらお断りするまでもないこと。将来にわたっても、いろいろに読みかえがききそうです。
『こころ』ほどすらすらと読めないかもしれません。それでも明治の文章としては読みやすいほうです。その秘密は、漱石がこころみた文章が、いまわれわれが使っている現代日本語の文章の基準の一つになったからです。
全11章だかに分かれていますが、読者の好評に応じて書き継がれたシリーズが全部で11回だったからで、はじめの二三章を読んでおけば、あとはどこから読んでもそれほど支障をきたさないものです。今回一気に読まなくても、これから折にふれ読んでいかれていいものです。
語句の注釈は一葉と同様、あったほうがいいです。その意味ではこれも、ちくま文庫版の「夏目漱石全集1」が、見開きそれぞれの左側にそのつど当該語句を一括注釈してあるのでわずらわしさがはぶけていいと思います。
なければ岩波書店の、これはでかくて厚い、大きな活字の「漱石全集」で。高校以上の図書館、市民図書館クラスならたいていワンセットが蔵書してあるはずです。
◆スウィフト『ガリヴァー旅行記』
子供の時とっくに読みましたと言わないで下さいね。あれは大人国(ブロブディンナグ)と、せいぜい小人国(リリパット)の話の一部を児童用にリライトしてあるだけ。しかもこの小説の真骨頂はその後に続く、第三編の空飛ぶ島ラピュタ、なかんずく第四編のヤフーという人間にそっくりな生き物が出てくる馬の国フウイヌムにあるのです。風刺もここまでくると作者の正気を疑ってしまうほどになります。
翻訳は中野好夫訳(新潮文庫)が定評のあるところだと思います。
ところで、
スウィフトの風刺がどれほどのものであるか、短い作品でも十二分に確かめることができます。
岩波文庫に『奴婢訓(ぬひくん)』という百ページばかりの薄い本があります。
この表題の「奴婢訓」とあわせ録してある十ページばかりの作品に、題名がやたらと長い、
◆『貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、且(かつ)社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案』(略して、ここでは仮に『私案』としておきます)
があります。初めてこれを読んだとき、二三日、頭が少し変になりました。
そんなものを中学生にご紹介すべきものかどうか、かなり迷いました。けれどもそれを言うのなら、映画でもTVでも、それにこのネット上でも、粗悪なだけの言葉による暴力、しばしば安直なだけの映像での暴力に出くわさないものでもありません。そうしたものにくらべれば、はるかにマシ。将来につながるものだと判断しました。
訳者(深町弘三)の同書での解説によると、「スウィフトは常に冷然としている。そして、恐ろしくきまじめで、本気である。」「きわめて論理的である。そして、そこに感情が少しも伴わない。heartless logic である。スウィフトの諷刺の本質は、理知と合理性にある。だが、合理性も論理の極端にまで行くと狂気になることは、フランス革命などの証明するところである。」(語句は読みやすいように若干書き換えています。以下も同じ)
スウィフトは生粋のアイルランド人ではありませんでしたが、アイルランドを熱烈に愛する政治家でした。そして当時のアイルランドは全域が英国の属国であり、経済的にも「窮乏はその極に達していた。この難局を切り抜ける道はただ一つしかない。」
この決意をもってこの『私案』にとりかかるのですが、「筆は淡々として冷静である。まじめな顔をして冗談をいっているとしか思われない。要するに、スウィフトにとっては、もうお上品な言辞を弄したり、冷静な提案をしたりしているときではなかった。そんなものは今までいやというほど言ったり書いたりしていた、今こそ人を笑わせる陽気なものが必要なのであった。」
こうして発想を逆転させたのがこの作品です。
じつは現在、WEB上の図書館「青空文庫」経由で新訳を読むことができます。
よければどうぞ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000912/card4268.html
◆井上ひさし『吉里吉里人』
思わず、だらだらと長いばかりの回答になってしまいました。疲れました(笑)
この作品は一時たいそう話題になったものです。今いちど読まれてよいと思います。なにより、おもしろい。
説明はWikipediaに詳しく載っていますので、そちらにゆずります。
長い小説ばかり紹介して恐縮です。興味持たれるようでしたら、どうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/吉里吉里人
※
ご質問中でお書きの四作、いずれもどこかで読んでいて損はない小説ばかりですね。
まだ中学生だということで私も内心びっくりですが、それを押し隠して申しますと(←押し隠してない!)
こうした若いうちから大人の本(小説、文学とは限りません)をどんどん読み進めていく人たちは、
いつの時代でもどこででもたくさんいたことですし、これからもいます。
学校の勉強もあり、受験もひかえていて大変でしょうが、
負けずにがんばってバリバリ読んでみてください♪
たくさんありがとうございました。
『吾輩は猫である』以外は読んだことがありませんでした。
参考にさせていただきます^^
学生のうちにいろんな本を読もうと思います♪
ありがとうございました!
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