No.1
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ちょうど今頃の季節ですと、
いづことしなく
しいいとせみの啼きけり
はや蝉頃(せみごろ)となりしか
せみの子をとらへむとして
熱き夏の砂地をふみし子は
けふ いづこにありや
などの詩句が思い浮かびます。それにしても皮膚の触覚に訴えかける「熱き夏の砂地」がよく効いているのはもちろんとして、「蝉頃」とはすこぶる感覚的なとらえ方です。むかし、そんな季語でもあるのかと思っていました。詩人の造語なんですね。それでふりがなも振ってある。たぶん東京にいて、ふるさとの金沢を偲んでいるとも取れます。まさに「ふるさとは遠きにありて思ふもの」のヴァリエーションでもあるのでしょう。
犀星は終生詩人であったと思いますが、小説や随筆にも長く心に残るものがあり、また、俳句も独特ですよ。個人的に好きなものとしては、
◇わらんべの洟(はな)もわかばを映しけり
◇にさんにちむすめあづかりあやめ咲く
◇あんずあまさうなひとはねむさうな
◇栗のつや落ちしばかりの光なる
など。
小説の代表作は、短編では『性に眼覚める頃』『或る少女の死まで』『あにいもうと』『舌を噛み切つた女』
長編では『かげろふの日記遺文』『杏っ子』
随筆、評論では『随筆 女ひと』『我が愛する詩人の伝記』
あたりかなと思います。というか、わたしがそのあたりまでしか読んでいないんです(汗)
これらを一冊にするには量的にも無理ですし、まして「全てを網羅」するには個人全集に当たるしかありません。WIKIPEDIAによれば生前と死後に一度ずつ刊行されているようです。
現実的な提案としては、気が向いたときに古書店めぐりなどをして、文庫本を中心に集めるたのしみをされるのはいかがでしょうか。
筑摩版の現代日本文學体系第47巻目(昭和45年刊)は無二の親友であった萩原朔太郎との抱きあわせになっていて、あれこれ不満はあるものの手頃な一冊かもしれません。
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