No.1ベストアンサー
- 回答日時:
今回もただ自分の目で見た光景としてしかお答えできませんが、幾つか書いてみます。
まずオランダという国、英語表現ではホーランドと読みますし、事実、現地の方々も英語での会話の中ではホランドと発音していました。その一方で、オランダはネダーランドとかネーデルランドとも表記されます。ネダーランドとは。現地の方に聞いたところでは、もともと埋立地といったような意味だとか。たしかにダイクと呼ばれる長い堤防を築いて干拓することで国土を広げてきたオランダならの表現なのでしょう。
ですが、オランダも干拓地ばかりではありません、さすがに山はありませんが、ドイツに近い南部では元々から陸地であったそうです。とは言うものの、国土を縦横に走る運河の水面を見る限り、海抜はそう高くなさそうには見えますが。
平坦な土地のオランダと変わった習慣・・・・
私が感じた範囲では、まず彼等オランダの人たちはあまりお風呂好きではなさそうということです。前々からそのようには聞いていましたが、あるイベントの準備のために地元の小さなホテルに投宿した際のこと、実際に、相部屋になったオランダの女性は、シャワーをサッと浴びる程度で、そんなに長々とバスルームを独占する様子もありませんでした。隣室に入った男性の方も、滞在期間中一度もシャワーの音すらしなかったように思います。その気になれば、下着だって数日は取り替えなくても、それほど汚れたといった感じもない、乾燥した気候のオランダならではのことかもしれません。
それから、とても不思議に思ったことは、オランダにはとても多いハウスボートの住人の方々、なんでも彼等は椅子に腰掛けたまま眠るのだとか。この話は何人もの人から聞かされましたが、実際に見たわけでもなく、なんだか信じられない思いです。
オランダはライン川やマース川などの流末、つまり河口の地域にあたります。ことにライン川などはスイスを源流とする国際河川ですが、スイス、ドイツなどは工業国でもあり、ことに化学工業の盛んな土地ですから、どうしても河川の汚染が進んでしまいます。そしてその汚染の被害が一番顕著に及ぶのが川幅も広くなり流れも緩やかになるオランダの流域なのだとか。近年では汚染対策も進んでいることでしょうが、それでも当時見た、広い広いデルタに堆積した黒いヘドロには驚いたものでした。
オランダの人口密度はたしか日本より高かったと思いますが、なにしろ急峻な山が無い、ただただ平坦な土地柄だけに、都市地域を一歩出ると家々はとてもバラッと建っていて、とても広々とした感じを受けます。はるかかなたまで広がる畑と、牧畜と堆肥の臭い、よく整備された道路と、その両脇に植えられたモンスタートゥリーの大木、そしてそれに添うように水をたたえた運河。道路と運河の間には日本のようにガードレールがありませんから、中には運河を道路と見誤って飛び込んでしまうドライバーも少なくないのだとか。そのため、オランダでは運転免許を取得するには、一度はクルマごとプールの中に飛び込んで、そこから脱出するテクニックを教えられるそうです。
道路といえば、平野のそこここに見える防風林、車で移動する私たちは幾つもの防風林を次々と突き抜けるように走ることになりますが、この防風林が近づくと少し緊張することになります。高速で運転していますと、突然林の中から飛び出してくるシカやキツネなどと衝突してしまう危険性があるからです。シカほど大きな動物ともなると、もし激突したらクルマは見事に大破してしまいますから。
オランダの国内線の飛行機はとても気楽に利用できる便利な交通機関です。アムステルダム・スキポール空港を離陸した小型機は次々と地方都市の空港に着陸しては、郵便物や新聞などを降ろしたり載せたり、乗客もそれぞれ入れ替わったり。そしてまた離陸。座席で熱心に編み物をしていた女性がふと目を上げて、ああロッテルダムなのね・・・とつぶやく様は、ほとんど、毎日地下鉄や国電などていつも見かける光景そのものでした。飛行機も、次の空港までは本当にすぐのことですから、そう高くは飛びません。気をつけるのは高圧線の鉄塔と町の聖堂の尖塔ぐらいなものなのでしょうから。
あれはなんという名前の漁港だったのか、今ではすっかり忘れてしまいましたが、あの時は3月、そしてオランダの3月はまだまだ真冬、港の船は陸に引き上げられていて、海面はすっかり凍っていました。とにかくとても寒い日でした。寒さに耐え切れず飛び込んだ波止場の酒場、でも、私たちは店に居座っていた何人もの地元の常連らしい人たちにすぐ受け入れてもらえました。
漁師風の気のいい一人の方が私たちに自慢そうに指し示したのはとても大きなディスク型のオルゴールでした。その方がコインを機械に投げ込むと、酒場の中には豊かな美しい音色が・・・。いわば彼等にとってジュークボックスみたいな役割のものなのでしょう。オルゴールといえばスイスが有名ですが、元々はオランダの人たちがあの聖堂の美しい鐘の音を模して作り出したオルフェウルという機械だったのだとか。熱々のワインとオルゴールの音色、そしてお礼に折ってさし上げた折り紙の鶴にとても喜んで下さった常連さんたちの笑顔は今も忘れられません。
この回答へのお礼
お礼日時:2009/12/28 22:17
Nannetteさん、お答えありがとうございます。
前の質問同様詳しく丁寧に教えていただいてとてもうれしいです。
ネットでここまで親切な方に出会ったのは初めてです!
貴方の回答に大変満足したのでベストアンサーにさせていただきます。
本当に有難うございました。
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