
戦前・戦間期を通じて、日独伊を中心とする所謂ファシスト国家は米英と比較して著しく石油精製能力が劣っていました。
米英の航空機用ガソリンのオクタン価は100~120がスタンダードでしたが、枢軸国のそれは高くても80前後が限界だった様です。
基礎工業力が劣悪であった日本は別としても、ダイムラーベンツに代表されるエンジンメーカーが幾ら高性能エンジンを開発したとしても、このレベルの低オクタンガソリンではスペック通りの出力を発揮することは困難であると思われます。
そこで質問です。なぜファシズム体制の国家は石油精製技術で米英陣営に大きく遅れを取るに到ったのでしょうか?
そこにはファシズムや軍国主義の持つ人種論や秘密閉鎖主義的な非合理性に由来する要因が存在するのでしょうか?
A 回答 (8件)
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No.8
- 回答日時:
回答者の皆さんが石炭液化合成石油について既に語られていますので
歴史的経緯の観点から自分なりに思ったことを話します
第一にアメリカは自動車社会であるが、ドイツは鉄道社会
第一次世界大戦直前で自動車保有量はアメリカは48万台、対するドイツは2万台
国土がさほど広くなく既に緊密な鉄道網が完成し、市街には路面電車、地下鉄まで整備されていたドイツにおいて
大量の貨客輸送は鉄道の方がコスト面でも速さ、輸送力でも有利であるし
鉄道機関車もドイツは第一次世界大戦前で時速200kmの電気機関車を完成し
蒸気機関車もナチス時代に時速200kmを記録しました
その記録を疑ったイギリスが視察団を派遣したほどに鉄道はドイツで発達していました
また一般国民の購買力も第一次世界大戦直後のインフレにより低下し
回復しても自動車よりは電化製品に目が向いていたように思われます
ナチスは国民自動車やアウトバーン建設でアメリカに対抗しうる自動車社会を目指しましたが
結局、大戦で頓挫してしまいました
第二にドイツは石油社会でなく石炭社会
ドイツにおいて石炭は石油以上に重要でした
石炭があったからこそ化学工業が発達し、合成ゴムや合成石油がいち早く商品化され
人工染料に至っては第一次世界大戦前で世界全生産量の85%もドイツで生産されました
それに第一次世界大戦でイギリスの海上封鎖で石油が全く入って来なかったことも教訓になったのでしょう
逆に鉄道輸送力や工業生産力を維持するため発電量はソ連を大きく引き離しアメリカに次ぐ第二位を維持していました
No.7
- 回答日時:
他の方もコメントしていますが、オクタン価が高いいわゆるハイオクガソリンは当時精製技術を持っていたのは実質的にアメリカのみでした。
イギリスも、ソ連もアメリカからハイオクガソリンの供給を受けていたのです。つまり、枢軸国の石油精製能力が低かったのではなく、アメリカの石油精製能力が高かったということです。
No.6
- 回答日時:
漫談です。
5番さんの付け足しになりますが、ドイツは合成プラントを最盛期には14基国内に持っていました。また、ルーマニアのプロエシチ油田も持っていたので、実はドイツの燃料生産のピークは、44年上四半期です。
これらのプラントと油田が、枢軸国と、実はスイス、スペインの燃料をまかなっていました。もっとも、スペインはポルトガル経由で連合国から、フィンランドもスウェーデン経由で連合国から油脂を買っています。
このプラントを、アメリカ第8空軍のB17が必死になってつぶしました。プロエシチ油田は中東から爆撃機を飛ばして攻撃しましたが、大損害をだします。ドイツも必死だったのです。ドイツに爆弾落としに行って死んだ西側連合国航空機搭乗者の数は、神風をはるかに上回る人数です。
有名なボールベアリング工場爆撃も、いざとなったらスウェーデンとスイスから輸入してかわしたドイツでしたが、石油プラント防衛にも限度があり、プロエシチはソ連軍に占領され、燃料供給の息の根が止まりました。
虚しいハナシ追加ですが、零戦。零戦最初の取扱説明書は、アメリカの油脂指定です。特にエンジンオイルはハッキリと、メーカー名でご指名です。もう、なんかこれ見たときは虚しくなりました。
No.4
- 回答日時:
精製技術ではなく、そもそもルーマニアやインドネシアの油田から取れる原油を精製しても、オクタン価が80程度のものしかできないんです。
それに添加剤を入れて90台のものを確保していたんです。
しかも添加剤の原料にも苦労する始末です。
当時オクタン価の高いガソリンを精製できる上等な軽質油は、テキサス産・アラビア産などです。
特にテキサス産がよく、イギリスだってアメリカからガソリンを供給してもらっていたのです。
英米は精製しただけで90以上のオクタン価のガソリンを、さらに添加剤を付加して高オクタン価のガソリンにしていたのです。
No.3
- 回答日時:
#1さんがおっしゃった通り、枢軸は産油国ではなかったためです。
オクタン価は、今の北朝鮮の興南のチッソ工場などでオクタン価を上げる化学成分が生産されていました。しかし肝心の原油が無いと混ぜ物だけではどうにもならなかったと思います。
原油の生産量と、人種論や秘密閉鎖主義な非合理性は、あまり関係がないと思います。
No.2
- 回答日時:
欧州の枢軸国は存じませんので日本のみの話。
オクタン価が80程度前後だったのは昭和10年くらいの話です。
開戦時においては90程度の水準に上げており、概ね終戦時までその水準を保っているといえます。
また、開戦後では日本の精製能力向上と南方の精製施設を確保したことにより、オクタン価が95や100を使用する事は決して少なくありません。
とりあえず言える事は、オクタン価と政治的な主義主張や合理性は全く関係は無いと言えるでしょう。
No.1
- 回答日時:
戦前、石油メーカー
1 スタンダードオイルニュージャージー
2 ロイヤルダッチシェル
3 アングロペルシャ石油会社
4 スタンダードオイルニューヨーク
5 スタンダードオイルカリフォルニア
6 ガルフオイル
7 テキサコ
この内、日独伊の会社はどこでしょう?
一つもありませんね
それが答えです。日独伊は石油輸入国だったのに対して米英蘭は輸出国ですし、ロシア・ルーマニアも産出国ですが精製技術が劣っています。
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