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ある方が,「原子力発電所にテロリストが飛行機で自爆テロを試みても,原子炉の低濃縮ウランでは臨界が起きないから大丈夫」と説明しておられました.

私は,稼働中の原子炉は常に臨界状態で,制御棒でコントロールしているので,20センチの鋼鉄製の圧力容器や鉄筋コックリート製の格納容器や建屋が損壊した場合は,当然に放射性物質が散乱して危険だと思っておりました.

違うのでしょうか?

A 回答 (8件)

原子炉で使う低濃縮核燃料(濃縮率約3%)は、狭い場所に密集させないと、臨界に達しません。



臨界とは「核分裂により放出された中性子が、別のウラン原子を連鎖的に核分裂させ続ける状態」を言います。

なので、放出された中性子が別の核燃料に当たる前に、水や空気や制御棒などに当たってしまうと、連鎖的な分裂が止まってしまいます。

原子炉は「燃料の密度を、臨界が続くギリギリにしてある」ので、燃料集合体がちょっとでも欠ければ、臨界は停止してしまいます。

原子炉(の格納容器や圧力容器)を破壊した場合「核燃料集合体を狭い場所に密集させた状態を維持できない」ので、核燃料は、あっと言う間に臨界状態が終了し、通常の崩壊状態に移ります。

崩壊状態とは、連鎖的な核分裂をしていない状態で、自然にウラン原子が崩壊して、別の原子(ヨウ素同位体や、セシウム)に変化していく状態を言います。

自然界では核燃料のウラン原子は不安定なので、何もしなくても、より安定した別の原子に崩壊していくのです。この崩壊の過程で、余った中性子が放出されます。この中性子の放出が「放射線」です。

より安定した状態になると、原子が持っていたエネルギーが減るので、減ったエネルギーは、熱として外に出ます。これを「崩壊熱」と言います。

なので、原子炉は、停止した後も冷却が必要なのです。

で、ウラン原子が崩壊してヨウ素同位体やセシウムになっても、それらはまだまだ不安定です。不安定なので、余計な中性子を放出し、もっと安定した状態になろうとします。

この時も「中性子を放出する」ので、やはり「放射線が出る」ことになります。

このように「より安定した状態になる為に、中性子や陽子などを放出する物質」を「放射性物質」と言います。

格納容器や圧力容器が爆発して飛び散り、これら、ヨウ素同位体やセシウムなどの放射性物質も一緒に大気中に飛び散れば、当然、とても危険です。

旧ソ連のチェルノブイリ原発は、格納容器が無く、圧力容器のみだったので、圧力容器が火災で爆発すると同時に、容器内の放射性物質も一緒に大気中に飛び散り、とても危険な状態になりました。

結論として「原子炉は、たとえ停止していても、放射性物質の閉じ込めに失敗したら、とても危険」です。

因みに、核燃料が出す中性子は、ホウ素を混ぜた水で簡単に吸収できます。

なので、使用済み燃料などは、プールに沈めるだけで放射線を止められます。水に沈めれば崩壊熱を冷やす事にもなります。

その為「水面が下がって、燃料が空気に晒される」と、中性子線(放射線)が出たり、ヨウ素同位体やセシウムなどの放射性物質が空気中に漏れたりして、とても危険です。
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この回答へのお礼

>No.3様

早速のご回答ありがとうございます.

>「原子炉は「燃料の密度を、臨界が続くギリギリにしてある」ので、燃料集合体がちょっとでも欠ければ、臨界は停止してしまいます。」
なるほどそういうことですか,大変よくわかりました.

素人目には,「高度な技術をつかっているんだろうけど,結構不安定な綱渡りをしてるんだな」と思わずにはいられません.
よって,想定外が起こり得ないように,3重,4重の対策が必要なんでしょうね.
コストパフォーマンスなんていってられないですよね,原発に関しては.

重ねてありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 13:40

>ある方が,「原子力発電所にテロリストが飛行機で自爆テロを試みても,原子炉の低濃縮ウランでは臨界が起きないから大丈夫」と説明しておられました.



意図している事象が違うのだろうと思います。
核爆弾の様な全てを一気に崩壊させる様な臨界にはならないという意味じゃないのかな。

にしても、大丈夫という事はなくて危険ではあるよね。
まあ近所にいるのでなければ、直ちに影響を受けるものではない(大丈夫?)とはいえるのかもしれないが。
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この回答へのお礼

>No.8様

早速のご回答ありがとうございます.

今回の福島第一の事故の影響が,福島県内のみならず,東京近辺へも及ぶに付け,テロとは言わないまでも,原発で大きな事故が起きた場合,日本国内で安全な場所はあるのだろうかと,心配になりました.

また,東日本と西日本で周波数が違うとか,世界の鉄道は広軌なのに,日本は新幹線以外は狭軌だとか,万年筆のスペアインクの形状がちがうとか,(今は解消しましたが)VHSとベータ,ブルーレイとHDDVDとか,なんかダブルスタンダード的なものが多すぎませんか?
ま,各社切磋琢磨して良い製品を作ろうとしているのは分かるのですが,まさか,今回の件で,東京が計画停電や品物不足になるとは,夢にも思いませんでした.

済みません話がそれました.重ねてありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 14:05

臨界とは核分裂の"連鎖反応"において、一つの核分裂が一つの核分裂をおこす状況をいいます。

よって、外部から多量の中性子がきて激しい核分裂反応がおこっても、連鎖反応をおこしてそれが維持されない限り、それは臨界とはいいません。

また、稼働中の原子炉は臨界直前ではなく厳密に臨界です。臨界直前なら停止してしまいます。臨界は、原子炉の温度係数を負にすることによって、臨界の状態を自動的に保ちます。そういう意味では制御棒の出し入れで臨界を維持しているわけではありません。ただ、長く燃えるために臨界に必要な燃料より多くを積載しており、臨界に必要な燃料以上の分をうちけすために制御棒などを使用しています。
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この回答へのお礼

>No.7様

早速のご回答ありがとうございます.

なんか俺が余計なことを言えば言うほど,どつぼにハマっていくような...
制御棒の理解も違っていたのですね,すみません.

ご指摘ありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 13:56

> 低濃縮ウランでは臨界が起きないから大丈夫」と説明しておられました.



燃料自体がある程度の間隔で保持されているので臨界にはならない。
燃料の放射熱が蓄積し、高温となり溶けて一箇所に集めれば臨界になる可能性がある。

  臨界・・連鎖反応で一気に燃料が燃えてしまうこと だと思ってます。
      まあ、報道では若干ニアンスが違うようです。

> 水や空気や制御棒などに当たってしまうと、連鎖的な分裂が止まってしまいます。
これは、間違いですね。核分裂を起こすきっかけとなる中性子は、速度が速すぎても、遅すぎても危ない。 もっとはっきり言えば、速度がちょっと違うだけで危ない。
中性子が燃料に当たる確立は、衝突断面積と言う数値で示されるが・・

臨界直前の状態を微妙に維持してるのが原発。
温度が上がると、先の衝突断面積が下がる、そういった特定の条件の環境下で運転してる。
制御棒で発熱量をコントロールしてる。

臨界に至らない量の燃料でも、周囲から中性子がバンバン飛んでくれば、臨界になっちゃうような・・
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この回答へのお礼

>No.6様

早速のご回答ありがとうございます.

俺も皆さんおっしゃるように,制御棒が離れてそれ行けーって中性子がどんどんぶち当たってくる状態が,いわゆる臨界だと思っていたのですが,その状態は「超臨界」であり,原子炉は制御棒が挿入されていても常に「臨界」状態であると,何かで読んだので,この質問をしてみた次第です.俺の理解不足かもしれません.なんせ文系で物理や化学は全くダメなんで...

ま,それはともかく,原子炉というのは,制御されているとはいえ,素人目には非常に怖い状態にあるという気が今更のようにしております.制御がきかなくなったときのダメージは非常に大きい,でも原発がなかったら発電はどうしよう,これはとても大きなジレンマですね...

重ねてありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 13:54

 >違うのでしょうか?



 (1)テロリストの攻撃に対して大丈夫か?
 (2)臨界が起きないので大丈夫?
 (3)常に臨界状態?

 (1)に関しては大丈夫だと思いません。今回は津波で電源供給が出来なくなった。これで制御不能になっている。つまり、炉が壊されなくても電源だけで致命的な状況です。問題は放射能だと思います。放射能の制御が出来なければ、基本的に重大な問題につながると思って良いのでは?
 (2)(3)臨界は詳しくは判らりませんが、簡単に考えると制御不能状況でしょう。核燃料の連鎖的な爆発と思って良いのでは?爆竹に火がついてから、爆発を止めようと言うような感じだと思います。現在の技術では、危険なので格納、減速停止、廃棄などになる思います。花火が着火してから水を掛けるのは意味が無い。放射能を発する核燃料を短時間に消す手立ては、まだ確立されて無いのです。今の方法が唯一かもしれません。だから原子力発電では臨界は起こってはならない状態と私は思います。

 今回の事故は津波で電源(電気)が全て使えなくなった。簡単に言えば、100%の停電になった。それだけでこんな事態になる。喩えかつて起こった事の無い地震や津波だったとしてもです。放射能はそれ程厄介な代物だと言うことです。理論はそれほど難しくないかもしれません。しかし、稼働してゆく上で人類(日本)は未だ十分にコントロール出来ていない。テロなどの対応も含めて、今後は自衛隊やレスキュー並みの緊急時の体制と、日常の訓練が必要かと思います。
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この回答へのお礼

>No.5様

早速のご回答ありがとうございます.

やはり,何が起こるか分からない,想定外といい訳ができない位の対策が必要なんでしょうね.関係者が安全安全と言う割に,なんで原発は割と人口の少ない箇所に立地しているのか
皆,分かってて,公には言えないんでしょうね.
今回直接間接に被害に遭われた方々は,本当におきのどくだと思います.また,命をかけて現場で対応されている方々には,本当に頭が下がります.
俺がもしその場所にいたら同じことができるか自信がありません.

政府として,出来るだけのサポートをしてあげなくてはならないのに,どうもリーダーシップが見えてこないのは,俺だけでしょうか.

重ねてありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 13:47

>>あの福島を使い続ける指示をだしたひと、犯人を探し出すべきだと思います。


>民主党政権が今年2月に福島原発の延長使用を承認
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011020700679
>だそうで。

承認せざるを得ない状況にしたのは、断固として建て替え反対をした、原発反対派です。

反対派が新型炉への建て替えを邪魔していなければ、40年経った廃炉にして同然のガラクタ炉を使う必要も無かったし、民主党政権が延長使用の承認を出す必要も無かった筈です。

今後、同様の重大事故を起こさない為には「反対派が何を言おうが無視し、建て替えるべき古い炉は廃炉にして建て替えをする」しかありません。

もし、建て替えをしないで廃炉にするだけなのであれば、日本人の半分を日本から国外追放し、日本の電気使用量を今の4分の1にするしかありません。
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この回答へのお礼

>No.4様

早速のご回答ありがとうございます.

そのような経緯があるとは知りませんでした.ありがとうございます.
やはり利益誘導でものを言うのではなく,国益,天下国家を見据えて正論を唱える,またそのような方の意見を正しく取り上げることが必要なんでしょうね.

関係者の方々には大変申し訳ないですが,今回の事故は大きな教訓として生かしていかないといけないですね.

重ねてありがとうございます.

お礼日時:2011/03/25 14:14

>あの福島を使い続ける指示をだしたひと、犯人を探し出すべきだと思います。



民主党政権が今年2月に福島原発の延長使用を承認
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201102/2011020700679

だそうで。
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稼働中の原子炉は常に臨界状態で,制御棒でコントロールしているので,20センチの鋼鉄製の圧力容器や鉄筋コックリート製の格納容器や建屋が損壊した場合は,当然に放射性物質が散乱して危険だと思っておりました.→、その通りでよいとおもいます。

私は、厚さ3cmとききました。コンクリートは1メートルとか、ききましたけど。

今回は、築40年の老朽化した、原子炉です。これを使い続けたことが、一番の原因だろうと思います。

3cmの鋼鉄であろうと、2000度近い、熱で運転、40年もたてば、ボロボロです、勿論、コンクリートも

たかい、放射能で同様ボロボロ、だから、今回どこにひびが割るか、わから内から、水をかけ続けることになったのでは、と思います。

福島原子炉を使い続けた、東電、管理のあの○○院、官僚、達の人災だと思います。きっかけは、津波ですが、それなら、本来電気だけの故障なのに、ヒビ割れが起きたこと自体、炉が老朽化していたからだろうと思います。

あの福島を使い続ける指示をだしたひと、犯人を探し出すべきだと思います。
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この回答へのお礼

>No.1様

早速のご回答ありがとうございます.
そんなに古い原子炉だとは思ってもみませんでした.
参考になりました.ありがとうございます.
いずれ廃炉にするのか修理するのか分かりませんが,大変ですし,おっしゃるように
原因究明,責任追及が今後の課題ですね.

お礼日時:2011/03/25 13:36

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