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どうしてガンマ線もベータ線もおなじ1として計算できるのでしょうか?
アルファ線は何故20なのですか?
質問内容としては↓の人が煽り気味に書いていることと同様なのですが、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question …

ちょと物理に疎い自分には、よく理解できませんでした。
放射線荷重係数ってどうやって決めたのか、どんな実験で確かめたのか、
どんな理論で推計したのか・・
もうしこし噛み砕いて解説してくださる方はいらっしゃいませんか・・?

A 回答 (5件)

性質上の問題です。




α線は透過しないため、体内に入った場合は延々被曝し続けることになるうえに
電離作用が強いので人体への影響が大きくなるのです。


それに対してγ線とβ線は透過する放射線です。
体内に残ることは無いので一過性の影響となります。

電離作用はβ線のほうが強いですが、
その分透過能力もやや弱いため、建物内にいれば防げるレベルです。

γ線は電離作用が弱いですが、建物内にいても防げないのでずっと浴び続けます。

だからおおよそプラマイゼロとして影響度を同等に扱っているのです。


人体への影響を考えた場合、生活レベルでの状況を推測しないといけないですから、
放射線荷重係数ではそれを考えておおよその数値を算出しているのです。
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この回答へのお礼

建物内にいるとかいないとかそういう生活レベルを考慮しての係数だとすると、
原発で作業をする場合には全くあてにならない数字ということになってしまうのですが・・・ほんとうなのでしょうか。

お礼日時:2011/05/06 19:35

原子が、「電子」と「原子核」からできていることはご理解いただけるでしょうか。


で、そのうちの原子核は「陽子」と「中性子」から出来ています。

このうち、「電子」は物理学上、これ以上細かく分けることができない、とされている単位、「素粒子」
に該当します。ところが、「陽子」と「中性子」は「電子」と同じサイズの「素粒子」がそれぞれ3つず
つ組み合わされた形で形成された「量子」です。(物理学の世界では、原子よりも小さな世界の粒子の事
を、「粒子」ではなく、「量子」と呼びます。)

一方、「電子」はマイナスの電荷を帯びており、一方「陽子」はプラスの電化を帯びています。
お互いが「電磁力」という力で結び付けられており、ひとつの陽子に対して、ひとつの電子が結びついてい
るのが通常の姿です。

また、一方で陽子と中性子は、お互いに「パイオン」という素粒子を受け渡し会いながら、時に中性子が
陽子に、時に陽子が中性子に変質しながら、お互いを「強い力」と呼ばれる物理学上最も強い力で結びつ
けています。

ところが、水素やヘリウムのように、軽い物質であれば、この状態は比較的安定しているのですが、プル
トニウムやウランのように、物質の質量が重くなると、この状態が安定していない物質が登場します。

質量が重くなると、原子核の中の陽子と陽子の間の距離が遠くなるため、先ほどの「強い力」よりも
「電磁力」の方が強く働こうとし、これを防ぐため、より多くの中性子を捕獲し、状態を安定させようと
します。(プラスの電荷をもつ陽子同士ですから、本来はお互いに反発し合う力が強い物質同士です)

この物質に、ある速度の中性子をぶつけてやると、中性子は陽子のもつ「強い力(核力)」によって引き
寄せられ、中性子と陽子が勢い良くぶつかります。

まるでビリヤードのブレイクショットで、ぶつけられた1番球よりも離れた、外側にある球の方が、勢い
良く外に飛び出し、中心から遠ざかろうとするように、原子核はいともたやすく分裂してしまうのです。

これは、「中性子」と「陽子」がほぼ同じ質量を保有しているからこそ可能な技です。

大き過ぎれば分裂することなく、原子ごと飛び去るでしょうし、小さ過ぎれば分裂することなく吸収され
てしまうでしょう。

ベータ線やガンマ線のもつ「電離作用」とは、この中性子と陽子間での振る舞いによく似ています。

原子核が分裂すると、元々重たい原子にとって多すぎる中性子は分裂した原子核にとっては不必要なもの
ですから、中性子として外へ放出されます。中性子を構成する素粒子は、「弱い力」という、物理学上
最も弱い相互作用で結びついていますから、単体では最も不安定です。10分ほどで中性子は「電子」と
「陽電子」という、お互いにマイナスの電荷を帯びた二つの素粒子に分裂し、消滅してしまいます。

この崩壊を「ベータ崩壊」と呼び、つまるところ、β線の正体とは、「電子」と「陽電子」のことです。
ベータ線が人体に与える影響は、このベータ粒子、つまり電子が、全く同じ質量をもった体内の電子に衝
突し、陽子の数に対して電子の数が少ない原子=フリーラジカルを生み出すことにあります。

一方でガンマ線とは、原子崩壊が起こった際、軽くなった原子が保有する予熱が「ガンマ線」として放出
された熱線のことですから、どちらかというと粒子よりも波に近い現象を示します。

ちなみに、「量子」の世界では、同じ物質が波のような反応を示したり、粒子のような反応をしめしたり
する、マクロの世界で生きる我々には理解しがたい、摩訶不思議な振る舞いをします。

ガンマ線が人体に与える影響とは、ベータ線が人体に与える影響と全く同じで、つまり原子の保有する電
子に対して、電子が保有する熱量と同程度のエネルギーをもつ熱線が電子に対して照射された際、ガンマ
線は粒子と同じような振る舞いをし、原子核崩壊で中性子が陽子を弾き飛ばしたのと同じように、電子を
軌道の外へ弾き飛ばし、同じように原子をフリーラジカル化するのです。

ベータ線はマイナスの電荷を持っていますから、よっぽどピンポイントで電子にぶつからない限り、電子
を原子核から引き離すことはできないでしょうが、その代わり角度さえ絶妙であれば、電子はお互いの反
発力により、勢い良く外へ飛び出します。

ですが、ガンマ線は電荷を有していませんから、これもやはりよほど同じ角度で、ピンポイントで電子に
ぶつからなければ陽子と電磁力で結びつき合う電子を陽子から引き離すことは難しいでしょう。

電離作用の強い、弱いの差はそこにあるのではないか、と思います。


一方、「α線」とは、陽子の持つ斥力(反発し合う力)により、単体で原子核分裂を起こした、陽子二
つ、中性子二つで構成される、ヘリウムの原子核と同じ構成をした粒子です。

こいつは、単体ではものすごく不安定なので、すぐに近くにある原子から、電子を二つ奪おうとします。
ベータ線やガンマ線の起こす電離作用がどちらかというと偶然性に頼る部分が大きいのに比べると、α線
の電離作用は厄介。プラスの電荷を帯びたアルファ粒子が、「電磁力」によって、強引に近くの原子から
電子を奪ってしまい、電子を奪われた原子をフリーラジカル化してしまいます。

ちなみに、フリーラジカル化された原子(もしくは分子)として有名なのは活性酸素。こいつも、電子が
一つ不足していますから、近くの原子から電子を一つ奪おうとします。働きはアルファ粒子とそっくりで
すね。

偶然性に頼る部分の大きいベータ線やガンマ線の係数が1で、電磁力で電子を奪うアルファ線の係数が
20とされているのは、つまりそういうことからではないか、と思います。

ちなみに、ベータ線もアルファ線も、ともに電荷を帯びている以上、透過性は低いです。アルファ粒子
はサイズそのものが大きいので、そもそも人体内部に入ることは不可能ですが、ベータ線も途中で邪魔
されるので、体内に侵入することは難しいと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。電離作用についてよく理解できました。
ベータ線は電荷を持っているのでガンマ線より電離作用が強いということですが、
係数が同じ1なのはやはりよく理解できません。

アルファ線のもつ陽子の電離作用はマイナス電荷の電子より10倍という計算ですか・・
物理が苦手だとここもどんな数字をひっぱったものなのかよくわかりません・・・

体内に入ったセシウムがの出すベータ線はガンマ線よりどれほど害が強いのかということも疑問です

お礼日時:2011/05/06 20:13

>ベータ線は電荷を持っているのでガンマ線より電離作用が強いということですが、


>係数が同じ1なのはやはりよく理解できません。

電離作用がベータ線の方が強い、というのは、ベータ線やガンマ線が電子に直撃した後の話
で、ベータ線やガンマ線が電子にぶつかる確率は、ほぼ同等だと思います。

要は、10メートルくらい離れた位置から、10メートル先にある野球ボールに、ノックした
野球ボールをどのくらいの確率でぶつける事ができるか、とか、そんなレベルの話ですから。

>アルファ線のもつ陽子の電離作用はマイナス電荷の電子より10倍という計算ですか・・
>物理が苦手だとここもどんな数字をひっぱったものなのかよくわかりません・・・

20倍ですね。という突っ込みは置いておいて・・・。
マイナス電荷の電子の何倍、という考え方じゃなくて、偶然ピンポイントでぶつかったら
電離してしまう電子(及びガンマ線)と、強制的に電気を奪ってしまうアルファ線の差、
という考え方です。

ビリヤードで考えると、たとえばビリヤードの球が鉄製であった、と考えましょう。重さは
通常のビリヤードの球と同じ重さです。

白ボールをキューではじいたとしても、その白ボールが1番球にあたらなければどの球も
動くことはありませんね。白ボールが鉄の球であったとしても同じです。

ところが、ブレークショットを打つ位置に、強力な電磁石を置いておいたとします。
すると、鉄の球は電磁石に吸い寄せられるようにして動きますね。イメージで言うと、そん
な感じでしょうか。どんな理屈でその差が20倍になっているのか。それは専門家に聞いて
みないとわかりません。

>体内に入ったセシウムがの出すベータ線はガンマ線よりどれほど害が強いのかということ
>も疑問です

経口、もしくは吸引によって体内に放射線を取り込んだ場合、ガンマ線は電荷を帯びていま
せんから、簡単に体外へ放出されますが、ベータ線は体内にとどまります。

害の違いはそういうことだと思います。逆にベータ線は、マイナスの電荷を帯びていますか
ら、本来であれば電子に近づくことはできないはずです。ですから、よほどピンポイントで
ぶつからない限り、電離作用を引き起こすことはない、と思うのです。

また、ガンマ線であったとしても、一旦電子にぶつかって電離作用を引き起こしてしまった
ら、一旦引き離された電子は、ベータ線と同じふるまいをするはずです。その点はベータ線
と害の差がそこまであるとは思えません。
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この回答へのお礼

>電離作用がベータ線の方が強い、というのは、ベータ線やガンマ線が電子に直撃した後の話
で、ベータ線やガンマ線が電子にぶつかる確率は、ほぼ同等だと思います。

いや、数万発の野球ボールに数万発の野球ボールをぶつけようという話なので、当たることは確実です。当たった後の作用こそが重要です。

10倍と20倍は、アルファ線が陽子2つもってるのでそうかきますた。
実際にどういう計算でその値になるかまでは、やはり専門家でないと難しいのですね。

>経口、もしくは吸引によって体内に放射線を取り込んだ場合、ガンマ線は電荷を帯びていま
せんから、簡単に体外へ放出されますが、ベータ線は体内にとどまります。

あ、放射性物質の勉強なさってない方でしたか・・・
どうもありがとうございました。

お礼日時:2011/05/07 00:28

>建物内にいるとかいないとかそういう生活レベルを考慮しての係数だとすると、


>原発で作業をする場合には全くあてにならない数字ということになってしまうのですが・・・ほんとうなのでしょうか。

はい。
一般的な生活の範囲での内容を元に係数が出されていますので、
例えばα線などは防ごうと思えば簡単に20倍以上防げるわけですし、
特殊な状況における係数20というのはほとんどあてになりません。

しかし透過する放射線についてはそう大きくは変わらないはずです。
建物内にそれほど長く閉じこもることは想定されていませんので。
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この回答へのお礼

うーん、この係数をどうやって決めたのかわかる資料が全く無いのですっきりしませんね。

ベータ線は透過力が高いとおっしゃいますが、大気中では1~数メートルしか飛ばないと言われているようではありませんか。
「少し離れれば危険じゃない」などといったことを加味してのこの係数の値だとすれば、
原発でベータ線源から至近距離で作業する方達は、シーベルトで表される数倍以上の被曝をしているんではありませんか。

アルファ線は「一般的な生活の範囲で」なら服もろくに貫通できないから、20でいいや、
などと決められていたとしたら、体内被曝の際にはとてつもないことになるのではないですか。


どんな想定で決定された係数なのかわかる情報はありませんか。

お礼日時:2011/05/07 04:51

>ベータ線は透過力が高いとおっしゃいますが、大気中では1~数メートルしか飛


ばないと言われているようではありませんか。
>「少し離れれば危険じゃない」などといったことを加味してのこの係数の値だと
すれば、
>原発でベータ線源から至近距離で作業する方達は、シーベルトで表される数倍以
上の被曝をしているんではありませんか。

ん?
何か放射線について勘違いしておられるようです。

グレイはその空間における放射線運動量のことですよ?
わかりやすく言うと、「建物外に存在する放射線量」という意味。

原発の至近距離で作業してようと、
グレイ数値の何倍もの被曝になることはありません。


「離れると防げる」というのは
空間放射線量に対して「壁を隔てて離れた場合」に限られます。

外で作業しているのなら原発付近でも原発から離れていても
同じGyならそれによるSv量はまったく同じです。



もちろん荷重係数が実際の被曝量に対して曖昧であることは言うまでもありません。

しかしそれは先ほども申し上げたように
行動状態によってSv量が大きく異なってしまうため
おおよその数値でしか表示出来ないのです。


>アルファ線は「一般的な生活の範囲で」なら服もろくに貫通できないから、20
でいいや、
>などと決められていたとしたら、体内被曝の際にはとてつもないことになるので
はないですか。

もちろん平均的な影響が20倍ということですから、
普段は全然影響が無い代わりに体内被曝をしたときには強い影響が生じます。


しかしその辺は国際放射線防護委員会の科学的な論証により
おおよその数値である20という係数が決定しています。
そんな適当に決められているわけではありません。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonot …
こちらで書かれている通り、様々な影響を元に計算され係数が決定されています。


とりあえず、質問者様は放射線と放射性物質、
グレイとシーベルトについてまだあまり理解されていないように見えますので、
まずはそこから勉強してみることをお勧め致します。
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この回答へのお礼

基本は勉強はしているつもりです。

>同じGyならそれによるSv量はまったく同じです。
というのはその通りだと思います。

しかし以前のあなたの書き方によると、
グレイの値として防ぎやすいことも加味してシーベルトの値が決まっているかのような書き方に見えたもものですから。

>行動状態によってSv量が大きく異なってしまうため

ん?またよくわからなくなってきました。
行動状態がかわっても同じグレイなら同じシーベルト変換係数が通用しないというのですか?

行動状態を考えて決めてるって、ICRPとかが言ってるんですか?

http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~ric/html/RI-HP6/k …
>「離れると防げる」というのは
>空間放射線量に対して「壁を隔てて離れた場合」に限られます。

外で作業しているのなら原発付近でも原発から離れていても

>http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonot …
>こちらで書かれている通り、様々な影響を元に計算され係数が決定されています。

何ミリシーベルトだとどんな影響があるか、しか書いてないではないですか。
つくづくあいまいさがよく分かりました。


人体への影響がよくわかっていないのに、人体への影響を決める放射線加重係数が決められるわけないんですよね。

お礼日時:2011/05/07 20:59

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