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物理学というよりも燃焼工学なのですが、どこで質問したらよいのか分からなかった為、ここで質問させて頂きます。

燃焼におけるNOx低減技術として二段(多段)燃焼や希薄予混合燃焼があります。

テキストには二段燃焼は拡散燃焼バーナの部類に含まれていて、予混合燃焼バーナではありませんでした。

これら両者は同じものなのでしょうか?
それとも違うものなのでしょうか?

A 回答 (1件)

 あまり詳しくは無いのですが…


 その2つの方式は全く異なるもので、ある意味、真逆のアプローチによって、NOx低減という目的を達成しているとも言えると思います。
 NOxは、窒素と酸素を含んだ酸化性のガスが、高温となった際に、窒素と酸素が反応するために発生します。
 ですから、ガスの温度が高温とはならない場合や、酸素不足の還元性ガスの場合には、NOxの発生は少なくなります。

 二段(多段)燃焼は、理論空燃比と比べて、1段目の燃焼では燃料の比率が大過剰となる様に、空気量を少なくした状態で不完全燃焼を行う事で、燃焼ガス温度を低く抑えると共に、燃焼ガスを還元性とする事によって、1段目の燃焼時におけるNOxの発生を抑制します。
 こうして得られた不完全燃焼ガス中に、理論空燃比よりも過剰な量の二次空気を吹き込んで、一酸化炭素や炭化水素等の未燃成分を速やかに完全に燃焼させた上で、燃焼ガスを過剰の空気で速やかに希釈して温度を下げる事で、燃焼ガスが酸素過剰であると共に高温でもあるという状態となっている時間を短くし、窒素と酸素の反応時間を極小化する事で、2段目の燃焼時におけるNOxの発生を抑制します。
 最初から、大過剰の空気で拡散燃焼を行ったのでは、燃料や空気の温度が低く、混合しただけでは燃焼が進まないため、バーナーという、「拡散燃焼を行う事で炎を保持する機具」を用いて燃焼させざるを得ず、火炎中に温度のムラが生じてしまうため、火炎中に必ず高温となっている部分が生じてしまうので、NOxの発生を抑制出来ないのではないかと想像します。

 希薄予混合燃焼は、燃焼前に予混合器において、理論空燃比と比べて空気の量が過剰な混合気(希薄混合気)を作り出しておき、それを燃焼させる方式なのですが、希薄混合気は理論空燃比と比べて燃料の濃度が低過ぎるため、そのままでは火炎を保持する事が困難です。
 そこで、混合気とは別個に、小流量のバーナーを使って、通常の拡散燃焼によって、高温の炎を作り出し、その炎を主燃焼器中に導かれた希薄混合気の中に吹き込む事で、安定的に燃焼を行わせます。
 小流量のバーナーの部分ではNOxが発生するものの、小流量であるが故に、その部位における発生量は多くなく、主燃焼器中の混合気の燃焼においても、混合気中に含まれている燃料の割合が少ないため、燃焼温度は低くなり、NOxの発生は抑制されます。

【参考URL】
 環境影響評価情報支援ネットワーク > アセスメント技術 > 環境保全措置に関する情報 > 検索キーワード集で調べる > 発電所事業における大気質に対する環境保全措置 > 二段燃焼方式の採用
  http://www.env.go.jp/policy/assess/4-4preservati …

 神鋼環境ソリューション > 製品紹介 > 下水処理 > 高効率二段焼却炉
  http://218.251.127.242/product/gesui/koukouritsu …

川崎重工 ガスタービンビジネスセンター > 技術情報 > 低NOx技術/希薄予混合燃焼方式
  http://www.khi.co.jp/gasturbine/tech/gasturbine/ …

 astamuse(アスタミューゼ) > 言語:日本語 > 発明 > 公開国:日本 > 2007年 > 09月 > 13日 > 公開番号:2007232311
  http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/20 …
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この回答へのお礼

その解説によるとどうやら別物のようですね。
詳しい回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/10/04 20:41

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