扁桃体は喜怒哀楽を判定し恐怖(怒り?)に関するものを、記憶すると聞きましたが、扁桃体のメモリーには恐怖に関するものしかないんでしょうか?
たとえば「笑い」なんかは、どこに刻まれるんでしょうね?
何か脳の問題は同時に同場所で、実はここの核も絡んでいて、いや絡んでなくて・・・・
緻密で、成り行き任せで、ユニークではあるけど、笑えない、
アメリカ人みたいです。
知っている方おりましたら、教えてください。

A 回答 (2件)

こんにちは。


扁桃体は「利益・不利益(快・不快)」を判定しているだけであって、喜怒哀楽を選別しているわけではありません。「扁桃体の情動反応」には快・不快の二種類しかありません。では、ここで何れかの情動が発生することにより、その反応は脳内で行われる様々な情報処理や状況判断によって更に細かく分岐してゆきます。そして、その結果を喜怒哀楽などのパターンに分類したものを我々は「感情」と呼んでいるわけです。

扁桃体といいますのは身体内外で知覚された環境の変化に対して「生物学的価値に基づく利益不利益の判定」を下し、脳内に「情動反応」を発生させる神経核です。扁桃体には「学習機能」があり、恐怖だけではなく、喜びや期待などの元となる「報酬反応」の結果も全て記憶されます。そして、この判定に従って選択される行動を「情動行動」といい、利益には「接近行動」、不利益の判定に対しては「回避行動」が選択される仕組みになってします。
これとは別に、我々動物には「本能行動」として、食欲、性欲に対しては接近行動、苦痛や異常には「回避行動」といった、子孫繁栄のために必要とされる基本的な反応基準が予め定められています。ですが、これだけでは与えられた生後環境に発生する様々な状況に柔軟な対処を行うことはできません。では、このためには自分が生まれ育つ環境の中で何が危険で何が報酬であるかは生後体験を基にひとつひとつ学習してゆかなければならないわけです。
扁桃体の学習機能はこのためにあります。ここでは環境からの入力に対して実際に反応を発生させ、その判定の結果を随時記憶します。このため、扁桃体には生後体験の結果から個々に様々な利益不利益の判定基準が学習獲得され、我々はその蓄積によって生後環境に適応したより多彩な接近と回避の選択を行うことができるようになります。

扁桃体の学習記憶は連絡繊維の神経接続が発生した情動反応に条件付けされることによって形成されます。例えば、ほぼ全ての動物において苦痛は不利益という反応基準が予め定められています。ですから、苦痛が与えられたならばその扁桃体にはまず間違いなく不快情動が発生するわけです。では、このとき扁桃体に入力されているのは痛覚だけではなく、同時に視覚、聴覚、嗅覚などが入力されています。このため、この苦痛の対称となる他の知覚情報にも必然的に不利益という判定結果がその個体の生後体験として条件付けされることになります。そして、この条件付けが行われることにより、我々の扁桃体はその知覚対象に対して恐怖という感情を発生させることができるようになります。本能行動では実際に苦痛が発生しなければ回避行動を選択することはできません。ですが、その知覚対象に恐怖という感情が条件付けされるならば、我々は身体に苦痛を与えられる前に回避行動を選択することが可能となります。
これと同様に、餌を食べることによって満腹という報酬が与えられるならば、これはその対象に対して「正の条件付け」が行われたということです。このようなものは大脳辺縁系を起点とした「報酬系回路」の働きとして生理学的にも確かめられており、ここでは扁桃体における報酬学習の強化と共に、我々の脳内ではそれに伴う接近行動の動機や意欲が持続されると考えられています。そして、これにより何か特定の報酬学習が何らかの理由で必要以上に強化されますと、それが果たしてギャンブル依存症など、様々な精神依存の原因になることがあります。
このように、扁桃体を中核とする「大脳辺縁系の情動機能」は決して恐怖に伴う危険回避だけではなく、ここでは上記のように報酬体験に基づく反応結果も適切に学習記憶し、生後環境においてより価値の高い利益を獲得するという、我々動物にとってたいへん重要な役割を果たしています。
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この回答へのお礼

細やかな説明ありがとうございます。大変参考になりました。
前頭全野より感謝の意を表します。

お礼日時:2011/10/13 06:39

扁桃体は生命維持、種の保存のための神経核です。

換言すると、生きて子孫を残すため、平たく言うと食べて戦って性行為をするための神経細胞集団です。下等な動物から発達している本能の中枢ですので、怒りと恐れに深く関係していますが喜びと楽しみにはあまり関係しません。喜楽はヒトに進化してから高度に発達した新皮質の機能です。
 扁桃体は子孫を残すために性的な欲望を担います。性的行為を行うために自分も生きなければならない、生きるためには自分に危害を加えるものに対して怒り、攻撃を加える。あるいは自分の命を守るため恐れを抱き、敵を記憶し、敵から逃げる。
 したがって扁桃体の記憶は、原則として自分が生きていくために必要な事項、あるいは子孫を残すことに必要な事項です。怒りと恐怖にかかわるものはもちろんですが、自分にとって安全なもの(自分が生きるために必要なもの)の記憶にもかかわっていると考えられています。特に乳児期の記憶は重要で、自分が生きるために必要な自分を取り巻く環境を記憶し、長期にわたってその記憶を保存します。3歳くらいまでの大脳皮質で形成された記憶は忘れ去られますが、扁桃体記憶は生涯残されると考えられます。私はフォビアの多くは扁桃体記憶ではないかと考えています。 
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この回答へのお礼

ありがとうごいました。とてもすんなり理解できました。
お手数かけました。ますます脳に精進したいと思います。

お礼日時:2011/10/09 17:54

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