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適当な管を流れる流体に対して,垂直に細いマノメーターを取り付けると,その圧力分だけ上昇します.テキストには,圧力ヘッドはマノメーターによって測定できる高さと書いてあるのですが,マノメーターで測定できる高さは静圧ではなくて,あくまで静圧のゲージ圧分であるという理解でよろしいですか.そこに大気圧を加えて初めて静圧になるということです(たとえば流れが止まっており,流れが基準高さにあるときでかつ静圧が大気圧paならば,全ヘッドはρ(0^2)/2g+pa/(ρg)+0で,圧力ヘッドはpa/(ρg)ですが,ここに鉛直にマノメーターを取り付けても水位は上昇しないはずですから.


次に…

図をご覧ください.これは喉部での速度の上昇による圧力減少のために,海から水を吸い上げて,外に霧状に吐き出す装置です(霧吹き).喉部での空気の流速はv,断面積はS,静圧はp,吐出部での空気の流速はw,断面積はT,静圧は大気圧paに等しいとします.また,下にある海の水面でも大気圧とします.空気の密度はρ,水の密度はρwです(本来,空気の密度を考えれば海面を大気圧とすれば吐出部の圧力はρghだけ下がるはずですが,この問題ではそれを無視しているようです).

さて,図のような赤い流線を考えます(形が適当ですが…).今,水が図の状態で釣り合うための条件を求めたいので,流速は0とします.管への流入損失,管摩擦損失,管から霧吹き本体への出口損失,また空気との合流損失など損失はすべて無視すると,流線上で全圧は保存されます.また,海面を基準高さにとれば,海面での全ヘッドは,(0^2)/2g+pa/{(ρw)g}+0です.一方,管と霧吹き本体の合流部における全ヘッドは,(v^2)/2g+p/(ρg)+hであり,合流損失は考えないので,この断面内では一様だと考えてよいでしょう(高さの効果を無視).よって,赤い流線の終点における全ヘッドも(v^2)/2g+p/(ρg)+hに等しく,さらに言えば,ここと吐出部でも全圧は等しいので,(w^2)/2g+pa/(ρg)+hに等しいともいえるでしょう.よって,
(0^2)/2g+pa/{(ρw)g}+0=(v^2)/2g+p/(ρg)+h …(a)
なる式が得られます.

もう一つの考え方として,水が図のように釣り合うとき,静止流体に対する式が使えます.つまり,霧吹き本体との合流点の静圧はpなので,
p+(ρw)gh=pa …(b)
となる感じがします.

一方テキストでは,水が吸い上げられる条件を
pa-p≧(ρw-ρ)gh …(c)
としています.

なぜ(c)が正しいのか,そして(a)(b)のどこがいけないかご教示ください.

「圧力ヘッドとは?水を吸い上げる条件は?(」の質問画像

A 回答 (2件)

No.1の補足にお答えします。


単純な例で流れが無いときの圧力エネルギーと位置エネルギーの釣り合いについて考えてみます。
水の入ったビーカーを想像してください。ビーカーの水面は大気圧で、位置エネルギーが最大です。ビーカーの底へ行くに従って位置エネルギーが下がり、圧力エネルギーが上がって行きます。
ビーカーの中で水平方向に単位面積で鉛直方向に微小高さΔhの領域の水について、釣り合いを考えてみます。この領域の水の下面が上面よりもΔPのだけ圧力が高いとすると、この水には上向きにΔPの力が働きます。一方、この領域の水には重力によってρgΔhの力が下向きに働きます。水がビーカーの中で止まっている時、この二つの力は釣り合っている筈です。即ちΔP=ρgΔhです。この式を水面から深さ-hまで積分すれば、P=-ρghとなります。これがベルヌーイの式の圧力エネルギーの項と位置エネルギーの項の正体です。この計算ではΔhという高さを考えたから圧力差と水に働く重力の釣り合いを考えることになりましたが、Δhが本当にゼロのときは、水の重さはゼロなので、静圧だけが釣り合っていると考えるべきです。ビーカーの水面は大気圧との間でそういう関係になっています。

又、全水頭が一定というのは損失が無いことを意味するのであって、釣り合っていて流れが無いことを意味する訳ではありません。
それと、抵抗ゼロという仮定を持ち出す場合は注意が必要です。補足の例のように大気解放された高さの違う水槽が2つあって、その2つが抵抗ゼロの水路で結ばれていたらどうなるでしょうか。上の水槽の水は一瞬にして下の水槽に流れ、ゼロ秒後に上の水槽と下の水槽の水面が一致します。即ち、そのような仮定は定義に矛盾しています。
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(a)は、液柱が全圧と釣り合うと考えた点が誤りだと思います。

合流部は空気の流速によって静圧が下がっています。液柱は下がった静圧とバランスするから吸われるのであって、もし液柱が全圧と釣り合うのなら、いくら流速を上げても液柱が吸われることはない、ということになってしまいます。
(b)に関し、もし質問者の方が仰るように「この問題ではρghを無視する」のであれば、(b)と(c)は同一、ということになりませんか?
テキストは(意味があるかどうかは別にして)ρghを無視していないのだと思います。その場合、Pを合流部の高さのPだとすれば(c)、液面の高さのPだとすれば(b)です。厳密にはρがPに依存するので(c)は厳密とは言えないと思いますが。

この回答への補足

(a)に関してですが,管路網の流れで高いところにある水槽と低いところにある合流点の間で,水流がどちら向きに生じるかを論じるときに,管路に抵抗があるとすると,流れることによってエネルギーを失うわけです.ですから,比べるのは水槽と合流点の全ヘッドだと思います(静圧だけ比べてもわかりません).そして,その臨界点が,ちょうど釣り合って流れが生じないところであり,その場合,流速0より抵抗も0なので,結局,水槽と合流点の全ヘッドが釣り合っているはずで,静圧が釣り合っているわけではありません.

今回の場合は,上記の抵抗が0の場合と考えられ,流速0の流線を図のように描けます.実際に水はこのように静止していますし(静止しているということは流速0の定常流れ),流線上で抵抗はないので,全ヘッドは釣り合うはずです.そして,霧吹き本体との合流点の全ヘッドは,合流抵抗(や高さ)を無視すれば,断面内一様のはずで,v^2/2g+p/ρg+hだと思ったのですが,確かに,全圧と釣り合うとなれば,別に霧吹きを絞らなくても水が上がってしまうことになりますよね(拡大縮小による抵抗を無視すれば,断面積をどう変化させても全圧は保たれるので).

上記2つの場合について,どうも扱いが違うような気がします.ここは,一般的にどのように説明されるのでしょうか.よろしくお願いします.

補足日時:2011/11/25 02:42
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