No.6ベストアンサー
- 回答日時:
>結合力は共有結合<イオン結合でいいんでしょうか?
どういう意味で言っておられるのでしょうか。
共有結合は分子を作る結合です。分子の集合体を作っている原因になるものではありません。
イオン結合はイオンの集合体を作っている結合です。
どういう基準で比較しているのかをはっきりさせる必要があります。
食塩の融点は801℃です。イオンの集合体の結合が変化します。きっちり並んでいたイオンがばらばらになって動くことができるようになります。融点はイオン結合の強さを考える目安になります。液体になったというだけではまだイオンが互いに近いところに存在しています。もっと引き離すためにはもっと高温にする必要があります。沸点がその時の目安になります。食塩の沸点は1423℃です。こういう目安は他のイオン結合性物質と比べる場合に有効になります。
水素は常温で気体です。融点はものすごく低いです。-259℃です。でもこれは分子の集合体がばらばらになる温度です。分子が壊れる温度ではありません。
水素について共有結合の強さを言うのであればH-Hの結合が切れて2Hになる温度で考えなければいけないでしょう。化学辞典(東京化学同人)では3000Kで7.85%、5000Kで95.5% 解離していると書かれています(「太陽の中ではH2は存在していない、すべて原子状の水素として存在している」ということになります)。この数字から言えば共有結合の方が強いということになります。熱的に結合を切ると考えるとものすごく難しいのに化学反応では簡単に切ることができるように見えるというのが不思議なところです。化学反応が起こるというのはものすごく不思議な現象なのです。
水素と酸素を混ぜても反応は起こりません。でも火を付けると一気に反応が進みます。
参考
(1)共有結合の特徴の一つが「結合の飽和性」であると前の回答に書きました。分子を作る結合は分子の集合体を作る結合にはならないのです。分子を集める結合はもっと弱い力です。「分子間力」という名前で呼ばれています。力の原因は一つではありませんが共有結合とは異なるものです。
(2)融点と沸点の間の液体区間の範囲が広いというのもイオン結合性物質の特徴です。これはイオン結合の原因となっている静電気力(クーロン相互作用による引力)の性質から出てくるものです。
(静電気力は距離が離れると弱くなります。でもこの弱くなり方が他の原因の力に比べると弱いのです。クーロン力は距離が2倍になると1/4になる力ですが他の力は距離が2倍になると1/16、・・・になります。1/100以下になってしまうような力もあります。そういう意味でクーロン力というのは到達距離の長い力であると言われています。)
分子性物質ではこの温度範囲が狭いです。水H2Oの液体の温度範囲は100度です。これは分子性物質の中では広い方です。典型的な分子性物質は融けたと思うとすぐに気体になってしまうのです。食塩がNaClという分子の集合体であれば1400℃という高い沸点は出てきません。液体の温度範囲が600度以上あります。
水素H2 融点 ―259℃ 沸点 -253℃ 液体の温度範囲 4度
メタンCH4 融点 ―183℃ 沸点 -164℃ 液体の温度範囲 19度
酸素O2 融点 ―219℃ 沸点 -183℃ 液体の温度範囲 36度
アルコールでは水と同じように温度範囲は広くなります。でも200度以下です。
水やアルコールでは普通の分子間力のほかに極性による引力が働いています。この力を双極子-双極子の相互作用であるとして考えると距離が2倍になれば力の大きさは1/16になります。この力は距離だけではなくて双極子の向きによっても変化します。
(3)共有結合の強さは解離エネルギーという量から判断できます。水素分子の解離エネルギーは1molについて436kJです。ダイヤモンドはものすごく硬いので結合も強い、水素H-Hの結合とはケタ違いだと思っている人も多いと思います。しかし、ダイヤモンドの中でのC-Cの結合エネルギーの値を調べてみると結合1molについて354kJという数字が載っています。H-Hの結合エネルギーの方が大きいのです。ダイヤモンドでは1つの炭素原子が周りにある4つの炭素原子と結合をつくっているということが硬さには効いてきています。硬さは結合エネルギーの大きさだけでは決まらないのです。
(4)単体からNaClを作る時のエネルギーは生成エネルギーと呼ばれています。
Na(固)+(1/2)Cl2(気)=NaCl(固)+411kJ
このエネルギーは水素の結合エネルギーに近いです。
しかしNaClの結晶の中にはたくさんの結合があります。
1つのイオンを6つの反対電荷のイオンが取り囲んでいます。
イオンの間に働く力の大きさを知る目安になるのは格子エネルギーです。
Na^+(気)+Cl^-(気)=NaCl(固)+771kJ
NaCl1molに含まれているCl^-は1molです。1つのCl^-が6つのNa^+に取り囲まれていますから1組のイオン間の結合当たりで考えると771/6≒130になります。これだと水素H-Hの結合エネルギーに比べてかなり小さいということが分かります。
771と411の差はNa(固)、Cl2(気)をイオンにするために必要なエネルギーです。
補足にお答えいただきありがとうございます。
結合力については一様には言えないということですね。
元素と元素を完全に引き離すのに熱を用いて説明すると、共有結合のほうが結合力が強いということですね。
そして共有結合はある原子とある原子の結びつきを言い、イオン結合はあるイオンとあるイオンの結合の集団を言うのですね。
共有結合を集めるには「分子間力」というチカラが必要だということ。
質問とは内容が違いますが、質問者は高校1年生です。
教科書に書いてあることが分かりにくく、質問させていただきました。
教科書には「なぜ?」がありません。大半はこれはこうだです。
そういうものだと思ってやるのは嫌だったので。時と場合によりますが・・・
分かりやすい回答ありがとうございました。
分からないことが多いということが分かったので、まずは自分なりにやってみます。
No.5
- 回答日時:
>一つ目
>結合力は共有結合<イオン結合でいいんでしょうか?
私が書いたとおり。
>二つ目
>NaとClは一つの電子共有して、
違います。
NaClになる前に(NaとClから出来るのではなく)、すでにそれぞれイオンになっている、というイメージです。
(Na+とCl-からNaClが出来る)
>三つ目
>共有というのはどういうことですか?
電子は一箇所にはとどまっていません。
例えば、水分子で考えると、共有電子は(それぞれの原子の周りだけでなく)H2O全体の周りを回っている、と考えればいいかと。
詳しくは量子化学の知識が必要。
>四つ目
>ある空間にNaとClのみが1:2の割合で存在していたら、NaCl:Cl2=1:1という風に反応
しないでしょうね。
気体で存在する、という意味ですか?
固体のNa金属にCl2の気体を吹きかけても反応しませんよ。
また、(たぶんイメージされている)気体でそれぞれが存在するとしても、無理でしょう。
この回答への補足
簡潔なご回答ありがとうございます。
2つ目について質問ですが、Na+とCl-はどうやって生まれるのでしょうか。
Naの電子が一つなくなるとNa+ができるということは認識したのですが、どうゆう過程を経てそうなるのかが分かりません。
No.4
- 回答日時:
イオン結合です。
固体のときは、イオン結合でできたイオン結晶になります(常識)。
液体のときは、イオン結合でできたイオン液体になります(上級向けの知識)。
気体のときは、イオン結合でできた二原子分子になります(マニア向けの知識)。
理由は、共有結合で結合したときよりもイオン結合で結合したときの方が、ずっと安定になるからです。
http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kor …
No.3
- 回答日時:
イオン結合であるか共有結合であるかの違いはどこに出てくるのでしょうか。
一番の違いは結合に方向性と飽和性が出てくるか否かです。
共有結合ではNa:Clという形を考えているのだと思います。HClと同じような共有形式になるでしょう。
この場合はある一つのClと結合したNaはもはや他のClとは結合を組むことができなくなります。特定のペアーの距離が短くなって他のペアーとは区別ができるようになります。
Na^+であれば周りにある他のイオンとの間にはいつも力が働きます。数、電荷の種類、位置に関係なく働きます。Cl^+についても同様です。結晶構造は規則的にうまく並べることができるか、そう並べた時にエネルギーは小さくなっているかだけで決まります。
NaClは立方体の対称性を持った結晶を作ります。教科書には必ず図が載っているはずです。
1つのナトリウムイオンの上下、左右、前後の6つの位置を等しい距離で塩化物イオンが取り囲んでいます。塩化物イオンの作る正八面体の中心にナトリウムイオンがあります。どのイオンの間隔も同じですから特定のNa-Clのペアーが存在するわけではありません。
もしどれかのペアーの間で電子の共有が生じているのであれば正八面体の対称性は出てきません。
どのイオンも一番近いところには反対の電荷を持ったイオンがあります。6つあります。強い引力が働いています。この引力で全体がガッチリと結びついています。硬くてもろい結晶になります。融点は801℃、沸点は1413℃です。
※この説明は前の質問にも書いたのですが、結局、「分子ができているのですね」とまとめられたようです。がっくりしました。
高温(気体状態)では、NaClの分子が存在するようです。
理化学辞典や化学辞典には載っています。
この場合のNa-Clの結合距離はイオン結晶でのイオン間距離よりも短いです。
共有結合距離 0.238nm
イオン結合距離 0.282nm
イオンであるか分子であるかは対称性だけではなくてこういう数字の違いとしても出てきます。
わずかな違いではないですね。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
共有結合とイオン結合のでき方はそれとなく分かりました。
新たに疑問が湧いたので四つ質問です。
一つ目
結合力は共有結合<イオン結合でいいんでしょうか?
私の解釈ですと、共有結合は非金属と非金属の結合。
すなわちどちらの元素もマイナス寄り。電気で引き合うことなく電子のみで安定しようとする。
イオン結合は金属と非金属の結合。
すなわちどちらの元素も電気の符号が違う。電気で引き合いかつ電子を共有し安定を図る。
なのでイオン結合のほうが共有結合より結合力が強い。
これは正解ですか?
二つ目
初歩的なことだとは思いますが、イオン結合の仕組みやでき方がいまいちよく分かりません。
NaClはもともとNaとClの原子?分子?で、Naは一つの電子を取り去るのにかかるイオン化エネルギーが小さく、Clは大きいため、NaとClは一つの電子共有して、(Na+Cl-の状態)お互い電子配置も安定し、電気の力で引きあう。
こういう解釈であっていますか?
三つ目
原子やイオンは電子を共有したりしますが、共有というのはどういうことですか?
共有されている電子は力が弱まったりしないのですか?
四つ目
ある空間にNaとClのみが1:2の割合で存在していたら、NaCl:Cl2=1:1という風に反応しますか?
お答えくださると嬉しいです。
No.2
- 回答日時:
一番簡単な(と思われる)説明をします。
Naは金属原子、Clは非金属原子ですよね?
金属+非金属の結合の時、イオン結合と呼びます。
共有結合は、非金属+非金属です。
No.1
- 回答日時:
イオン結合です
理由は高校レベルで良いのかな?
Na+とCl-(それぞれイオンになったもの)が静電気力で結合しています。
結合力は非常に強いですが、もろいです(格子がずれると+同士、-同士になって、逆に反発するから)
水に投入すると、水和によって簡単に溶けます。
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