
どなたか、教えて下さい。
鋼板の強度を計算しています。
本を見ながらしてるんですけど、「許容せん断応力度」と「許容曲げ応力度」の意味が解りません。
せん断とは、例えば、板がちぎれること?でしょうか。
曲げとは、そのまま板が曲がることでしょうか。
だとすると、本の中に出てくる
「許容せん断応力度 fs=90.4(N/mm2)」
<「許容曲げ応力度fb1=180(N/mm2)」
の数字が、なんとなく、納得いきません。
曲げる力よりも、ちぎる力の方が小さいの?というかんじがするんですけど。
よろしくお願いします。
(素人なので、出来るだけ解り易く)
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
まず許容応力度(=許容応力)について説明します。
機械設計をする時は、計算結果に対して判定をする必要があります。
材料の強度については、降伏点(SS400:24kg/mm^2)、引張り強さ(SS400:41kg/mm^2)が元になりますが、これらの数値は材料が塑性変形を始めたり、破断する値であるため、設計計算値に対する評価にあたっては余裕、つまり安全率が必要になります。
建築の場合SS400で考えると、引張り許容応力(長期)は、24(降伏点)/1.5=16kg/mm^2(圧縮、曲げも同じ)、許容せん断応力は24/1.5/√3=9kg/mm^2としているようです。
降伏点の値を割っている1.5が安全率になります。
機械の場合は、引張り強さに3~4の安全率を持たせていることが多いようです。
以上は静的状態、つまり部材と荷重が静止して動かない状態の計算時に使用します。
衝撃が加わったり、荷重の向きが変化して逆になったりする場合は、安全率の数値は大きくなります。つまり許容応力は小さくなります。
許容応力とは、部材が破損しない限界値ではありません。計算する部材の条件に合わせて安全率を決定し、許容応力以下では機械や建築物が破損することなく問題無しとできる基準値です。業界や会社でのノウハウにより決定している場合が多いと思います。
曲げ応力とせん断応力について説明します。
応力とは部材に力が加わった時に、材料内部に発生する圧力(抵抗力)を意味します。
せん断については、おわかりだと思いますが、はさみで物を切断するような作業ですね。
例えば、割り箸を机の上におき端を机から飛び出させた時に、机の端ギリギリで上から割り箸を押した状態を想像します。割り箸は力を加えれば切断できると思います。
この時、せん断応力τ=W(上から押した力)/A(割り箸断面積)となります。
次に曲げですが、まず部材を曲げる状態を考えます。割り箸を横において、両端部の下側に何かを置いて浮かします。その状態で割り箸の中央を上から押すと、割り箸は簡単に折れると思います。折れるまでの流れを考えると、割り箸は中央が下側に垂れ下がる、つまり弓なりになってから折れると思います。
厳密に言えば、割り箸と金属では特性が違います。モデルは割り箸で、特性は金属と考えてください。実際の弾性域(使用範囲)では曲げ量は微小であり、梁(割り箸)の断面上側は縮み、下側は延びています。四角断面の場合は、断面中央の面は変形(曲げ)後も長さが変わっていません。ここを中立面と呼びます。つまり曲げ応力自体は、部材の上下面の引張と圧縮作用によるものだということがわかります。
この時、曲げ応力σ=M(上から押した位置の曲げモーメント)/Z(割り箸の断面係数)となります。
曲げとせん断の許容応力の大きさの違いを考ます。
材料の強度を考えると、長い部材の両端を持って引張った方が全材料が抵抗します。せん断の場合は、その断面付近しか力に抵抗できません。感覚的な理由ですが。
なお許容応力の算出のところで、√3で割る方法が出てきますが、この理由は知りません。
そちらで使用している許容応力算出方法も含めて、会社の先輩諸氏に質問されるなどしてみてください。
それと許容応力の大小を考えてみても、あまり意味はありません。
先の割り箸のモデルでもそうですが、一つのモデル、例えば単純梁を考えてみても、せん断応力よりも曲げ応力の方が許容応力の差以上に大きくなるケースがほとんどでしょう。曲げ応力は曲げモーメントに比例して大きくなるので、支点間距離が増加すると非常に大きくなりますが、せん断力は一定です。
以上、材料力学の参考書を購入して、勉強されることをお勧めします。
ご回答ありがとうございます。
(お礼が、遅くなって申し訳ありません。)
doyaさんのご説明で、8割方は理解できました。あとは自分で勉強しようと思います。材料力学を参考にすればいいんですよね。(ちなみに、会社の先輩方も、専門外なので自分で調べるしかないんです。)
No.4
- 回答日時:
鋼板の場合、はさみで切ることはあまり無いですね。
せん断は、プレスで穴を打ち抜く場合を考えるといいと思います。
2mmの鋼板に周長が6mmの穴を明けるとき穴を打ち抜く力=2・6・90で求めます。
(ただし、No.3の方がいうように、確実に打ち抜くには許容応力より大きな値が必要ですね)
曲げは、曲がらない限界ではなくて、曲げて外側にひびや亀裂が入らない限界です。
(ほんの少し力が加わっても弾性変形はしますよ。)
ご回答ありがとうございます。
(お礼が、遅くなって申し訳ありません。)
>曲げは、曲がらない限界ではなくて、曲げて外側にひびや亀裂が入らない限界です。
これは、大変参考になりました。自分の中で納得できました。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>「はさみで切る力」とは、例えば、地震だと横揺れで、台風だとその風圧そのものだったりするわけですよね。
ちょっと違います。例えば板を曲げようと力を加えたとき、その内部にはせん断応力も曲げ応力も働いています。要は部材の垂直方向に働く力をせん断力といいます。
応力というのはその部材の内部に働く力です。それを力の方向によって分解したのが、せん断応力であり曲げ応力です。
曲げ引っ張り・圧縮は仰るとおりです。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
>>「はさみで切る力」とは、例えば、地震だと横揺れで、台風だとその風圧そのものだったりするわけですよね。
>ちょっと違います。例えば板を曲げようと力を加えたとき、その内部にはせん断応力も曲げ応力も働いています。要は部材の垂直方向に働く力をせん断力といいます。
すみません。アンカーボルトの計算とごっちゃにして考えてしまいした。
おかげさまで何となくイメージする事が出来ました。
「曲げ許容応力度」とは、板の両端から圧縮する力を加えたときに、板が曲がらずにいられる限界の力で、
「せん断許容応力度」とは、板の両端を押さえて、裁断機か何かで力を加えたときに、板が切れない限界の力。
という風に、考えたんですけどこんな感じでいいのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
せん断とは「ちぎる力」ではなく、例えれば「はさみで切られる力」です。
曲げとは部材が曲げられた時に働く「曲げ圧縮」または「曲げ引っ張り」の力です。実際に曲がるかどうかではなく、部材内部に働く力です。
許容応力は材料が単純に耐えられる力に、安全率を掛けた(実際は安全率sの時1/sを掛ける)ものです。
感覚的に捉えるならば、「はさみで切る力」の方がより少ない力で材料を破壊することができる。ということでしょうか。
この回答への補足
ご回答、ありがとうございます。
doradora2002さんの仰る「はさみで切る力」とは、例えば、地震だと横揺れで、台風だとその風圧そのものだったりするわけですよね。
それは、なんとなく解りました。でも、「曲げ圧縮」・「曲げ引っ張り」は、まだよく解りません。
ご回答のヒントを基に自分なりに考えてみたのですが、曲げの圧縮や引っ張りとは曲げの内側と外側に加わる力のこと?なのでしょうか。(自信ないですが・・)
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