素人質問です。
東南アジア(カンボジア?)の田舎を訪問する番組の中で
稲穂の数も、1つの穂に実る量も
日本の稲穂と比べてとても少ない映像が有りました。
(田んぼのあぜ道を歩いて触れたり見た経験的に。)
なぜそこまでの違いが出るのでしょうか?
品種の違いがその理由だとしたら、
日本の品種はその土地での栽培には向かないのでしょうか?
1年に3回も稲が実るなどとも聞きますが、その影響・・?
農薬や農業機械、虫害や病気の違いが有るのでしょうか?
大まかな理由だけでも教えて頂けますと幸いです。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
稲でどれだけ米が収穫できるのかには、色々な事情が絡むようです。
稲の種類も重要です。栽培種を選定するときは、面積あたり収量だけを見て選ぶのではなくて、その地域での栽培が向いているかも重要です。水田の質も違うし、肥料や農薬に掛けられる投資の大きさも関係します。同じ品種の稲は栽培できないと考えるのが普通です。
カンボジアの地域特性
http://cambodia.ganesh-partners.co.jp/blog/2011/ …
水の問題がない場所では2~3毛作が可能で、2年で7毛作という場所もある。
ほとんどの地域で雨季の間のみ年1回の耕作となる。
トンレサップ湖周辺及びメコン川本支流の水利の良い地域は乾季作も可能なニ期作地帯になっている。
収穫量は96年度が340万トンで、1ヘクタール当たり雨季稲が籾1.2トン、乾季稲が2.5トンと生産性は低い。米はインディカ種で、主に直播きされるが、田植えもされる。
トンレサップ湖周辺の低地帯で栽培される「浮き稲」は直播きされ、水深によっては5メートルにも成長する。
メコン河の氾濫はカンボジアの農業にとって重要な役割を果してきた。年間500万トン近い米生産量の約7割を占める水稲作は、天候に依存した粗法農業が主流で、古くから6~9月の雨季に氾濫するメコン河の自然特性を稲作農業に活用している。湖水や河川の水量がその年の栽培面積を左右するため、米の生産は安定していない。一晩の雨で川が氾濫し、作物が数日に亘り完全に水没してしまい、その結果枯れてしまうようなケースも頻繁に起こる。一方では、乾季は雨が全く降らないので、川や湖周辺以外は作付け不能となる。
カンボジア全体で、水田灌漑率は15%に満たず、今後、灌漑設備などの農業インフラ整備が課題である。ポルポト時代に、人海戦術で100ヶ所以上の灌漑工事を行ったものの、技術的な面で問題があったため、現在利用できるものはひとつも残っていない。
カンボジア国内は道路事情が悪く(未舗装)、輸送車両が不十分なので「輸送コスト」が高い。(肥料や農薬でも高くなる。収穫した米も安く出荷しないと売価が高くなる)
カンボジアでなくて、タイですが、(だいたい似た状況と思います)
http://home.att.ne.jp/yellow/tomotoda/thaijapanr …
タイは1ライ当たりの収穫量は97/98年度で全国平均342キロ(一期作の場合)です。これを10アール当たりに換算しますと、213キロとなります。タイの統計はもみ重量ですから、日本の米作統計と同じく玄米に換算します。日本では玄米重量はもみの80%として換算しますので、213キロのもみを玄米に換算すると170キロとなります。日本の収穫量は農林水産統計速報によりますと1997年で水稲は10アール当たり515キロですから、タイの単位面積当たり米の収穫量は日本の約3分の1となります。この計算が正しいかどうか、あくまでも換算率は仮定であります。5分の1という計算もあります。いずれにしましても、タイは余り肥料を使わず、粗放農業と言われていますが、確かに低い生産性です。
しかも、米の値段は日本と比べると非常に安い価格です。小売価格で食糧庁の資料により97年の価格を比較しますと、タイの精米は日本の精米の7.6分の1です。ただし、タイの農家1戸当たり平均耕地面積は1993年農業センサスによりますと20ライ、約3.2ヘクタールです。これは全作物の耕地面積です。日本の場合、97年の農業センサスで北海道を除く都道府県で1戸当たり1.19ヘクタールですから、約3倍近い広さがあります。もっとも、タイの平均は非常にバラツキがあり、中央値が3.2ヘクタールというに過ぎません。いずれにしましても、タイは生産性の低さを耕作面積でカバーシ、全国の耕地が日本の4.7倍もあると
いうことで、国内消費を上回る生産量があり、輸出できるということになります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1年に3回も稲が実るところもあるけれど、年1回のことろがほとんどです。
水田の環境があまりに違うので、日本の品種は栽培には向かないです。
農薬や農業機械も、環境に合わせて作られますから、どこでも使えるものではないです。
肥料や農薬や農業機械を使ってしまうと、生産コストが上昇します。売価との関係で投資は良くないこともあるし、そもそも投資資金がないかもしれません。灌漑施設を作るにも、天候や川の状態がスゴイので、簡単にはできないでしょう。うっかり灌漑施設を作ると大損害になる危険もあります。
タイの例ですが、
http://www.jiid.or.jp/files/04public/02ardec/ard …
日本でもウンカ・ヨコバイ類およびニカメイチュウの被害が問題となるが、熱帯アジアの稲作地帯では灌漑が整備され、集約化が進んだ地域で深刻である。特にトビイロウンカは東南アジア諸国で時々イネ生産に大打撃を与えてきた。図1のスパンブリ県のデータをみると、1990年の平均単収が大きく低下している。これは当年に大発生したトビイロウンカの被害であり、スパンブリを含む中部タイ諸県の平均単収が軒並み平年の半分以下に落ち込んだ。この時期は、図1にみられるように、灌漑率が急増し乾季作を含む2年5作の土地集約的な生産が普及してきた頃に当る。その結果、トビイロウンカにとってのホストが周年提供されることになり、それに施肥量の増加による稲体の栄養条件の改善があいまって、大発生を促したと考えられている。耐虫性品種の利用と適切な薬剤防除などにより、被害は抑えられてはいるが、最近(1998年)でも再び大発生をみている。集約化による生産性の向上の結果として増大した虫害被害の問題は、まだ解決には至っていない。
もともとの地力が低い上に不安定な降雨に頼らざるを得ない状況下では、資源や労力の投入量を増やしたとしても、それに見合う収穫が得られる確証がなく、東北タイ天水田地帯の平均単収が伸び悩むのは当然のように思われる。
http://www1.gifu-u.ac.jp/~miya/tree&rice/treeric …
2000年代の調査から,この村の品種も改良型の2品種のみとなり,化学肥料が普及し,区画整理によって圃場は大規模化したところで機械化直播栽培が行われるようになった。このことによって村全体の平均収量は増加したものの,干ばつ害等による極低収田が依然存在する一方では最高収量の値は80年代と変わりがないこと,年次変動も依然として著しく,不安定性を克服できてはいないことが明らかになった。
京都大学の河野泰之等を代表とする東北タイ全域における農業変化に関する調査研究においても,稲作技術は近代化に向かいつつも生産の低収不安定性からの脱却は容易でないことが示されている。
このように平原部の天水田稲作自体の改善には多くの障壁が存在していることが明らかである。
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農耕や稲作の改良努力がたりないという単純なことではないのです。品種改良、化学肥料、機械化、圃場整備、農耕手法の見直しを、実験的に行っても、容易に安定した高収量を上げられるようになるとはならないようです。
日本でも、基本的には同じような事情があるけれども、幸い天候や地形が、東南アジアとは大きく違うので、水田が狭く、傾斜地も多いところでも、反辺り収量も高く、栄養価・味も良い米が出来るのでしょう。色々のバランスがたまたま揃えられたのだと思います。
http://todai.tv/contents/kokai/2008_01/yamagishi …
No.1
- 回答日時:
基本的にはイネの種類が違います。
カンボジアでは、浮き稲という水害に強いイネが主力ですが、日本は管理された水田なので浮き稲は利用されません
>日本の品種はその土地での栽培には向かないのでしょうか?
無理です。そもそも、日本国内でも地域差を配慮した品種改良が行われているのですから
>1年に3回も稲が実るなどとも聞きますが、その影響・・?
連作障害は存在するでしょう。
その影響以前の問題です
>農薬や農業機械、虫害や病気の違いが有るのでしょうか?
当然あります
基本的に品種から栽培法まで根本的に違います
日本のイネは長い年月を経て日本の気候風土に適した人為的交配が行われた結果、現在に至り、多様化によって品質が保持されていると言えるでしょう
逆にカンボジアも将来は自国向けの良質な食料源としてイネの将来はあるはずでしょう
極論すれば、稲作のための努力の違いが如実で出てしまった・・という考えがアリでしょう
決してカンボジア農民が努力しなかったわけではなく、日本の農民・関係者の努力が凄まじい、という意味です
>そもそも、日本国内でも地域差を配慮した
>品種改良が行われているのですから
そうだったのですね。
>カンボジア農民が努力しなかったわけではなく、
>日本の農民・関係者の努力が凄まじい、という意味です
色々な人が協力しあって改良、改善して行き
失敗を活かして周囲に知らせてあげようとする。
カンボジアも平和が続けばどんどん進歩するのでしょうね。
ご回答ありがとうございました。
勉強になりました。
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