
ヨーロッパのルネサンス期において、ミケランジェロやラファエロに代表される画家たちが、神話画(特にギリシャ神話のものが多いように感じます)を多く描いているのはなぜですか?
今ちょっとルネサンスについて調べていて、
古典の中から人間性を見出す人文主義の中、古典である、神統記や変身物語を読むにあたって、その中の一場面が描かれたりだとか、挿絵が描かれたりしたのでしょうか?
それとも、単純にパトロンが神話を好んだのでしょうか?
以前、ルネサンス期の絵画は神話画や宗教画でないと評価されなかったと聞いたことがあったので、このあたりもわかる方いましたらご回答いただければと思います。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ルネサンスの文化や科学は、ギリシャ・ローマの伝統が、イスラム世界を経由して、再びヨーロッパに戻ってきたものと言われています。
その間、ヨーロッパはキリスト教の文化一色だったようですが、そこにスペインを支配したサラセン帝国(イスラム教徒)を通じて、キリスト教以前のギリシャ・ローマの文化が伝わり、また、東ローマ帝国の滅亡(1453年)によって、ギリシャ・ローマの文化を受け継ぐ人材がイタリアに大量移動したことが背景としてあったようです。ということで、ルネサンスは、キリスト教社会から、その前のギリシャ・ローマ時代への復古という色彩が強かったのだと思います。それまで神や聖家族、聖人を描くだけだったものが、生きた人間の絵や彫刻を作るようになったわけです。
人間を描くといっても、生きた人間の裸体(特に女性)を描くことは社会通念上許されませんでしたので、それに代えてギリシャ・ローマの神話の題材、例えば「ヴィーナス」といった女神を描いたということなのでしょう。キリスト教の題材も、たとえばミケランジェロの「ダヴィデ像」やシスティーナ礼拝堂の「最後の審判」のように、裸体をさらしているものもあります。「ダヴィデ像」なんて、ギリシャ彫刻の伝統そのものですよね。
なお、そうはいっても、題材の中心がキリスト教・聖書であったことには変わりなく、ダヴィンチの「最後の晩餐」やラファエロの聖母子画のように、キリスト教を題材とした作品もたくさんあります。
「ルネサンス期の絵画は神話画や宗教画でないと評価されなかった」ということに関しては、「評価」するのはスポンサー(依頼主)で、この時代にはほとんどが教会もしくは支配者・富豪(フィレンツェのメディチ家など)ですから、やはり題材として宗教画・神話画が好まれた、ということなのでしょう。でも、「肖像画」というのも需要としては大きかったと思います。
丁寧な回答ありがとうございます。
人文主義が起きた理由までくわしく、参考になります。
神話画が描かれたのには、流行だったというのも理由としていくらかあるのかもしれないですね・・・。
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