人生のプチ美学を教えてください!!

たびたび質問してすみません。
数研出版の問題にこんなものがありました。

強さの等しい2つの磁極を真空で4.00×10^-2[m]離して置いたら
6.33×10^2[N]の力を及ぼし合っていた。この磁極の強さはいくらか。
磁気に関するクーロンの法則の比例定数は6.33×10^2[N・m/Wb^2]とする。

答え:4.00×10^-3[Wb]

これは大変疑問に思います。
磁気に関するクーロンの法則(F=k・Mm/r^2)は磁荷を想定した
架空の法則ですよね。
電荷みたいに放射状に電気力線が走るような構造の磁極なんてそもそも
作ることなんてできないと思うのですが。

また、もし作ることができないのなら、そもそもF=k・Mm/r^2
なんていう式は使うことは現実的にないと思うのですが。

また大変疑問に思うところなのですが、次の式です。
F=k・Mm/r^2
磁荷を想定した式だと思うのですが、実際に磁荷がないのにどうやって実験で
比例定数kを出すことができるのでしょうか。(実質どうやって透磁率を実験的に
求めたのかということですが)

また、「磁極の強さ」という言葉もたびたび使われますが、これも磁荷を想定した
ことを前提としていますよね?だから現実問題磁極に強さなんかないと思うのですが。
磁束は場所によっていろいろ変わってくるので、磁極に強さがあると言われても
なんだかよくわかりません。

何度も質問して恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

 まず磁気と電気についてなんですが、じつは昔は磁気の方が人気(?)がありました。

永久磁石はありましたけど、電気を恒常的に貯めておけるものがなかったからです。そしてその頃から、磁極の発想はあったんです。

 その理由は、棒磁石を途中で切断しても、切断面に必ずN極とS極がペアになって現れ、極は棒の先端に局在するように見えたからです。そこから磁気双極子の発想が、かなり昔からありました。磁気双極子とは、NとSの「点」磁極が、無限に接近したペアの事です。棒磁石を、そういう磁気双極子の塊だと考えると、切断しても必ずNとSがペアで現れて、磁極は先端にしか現れない事も、導けたからです。

 その後、静電気現象が電気だとわかり、静電気の形の畜電器具が開発され、電気の方が技術的に取り扱いが容易になって、クーロンの実験などが行われますが、当初は静電気に対して、+やーに帯電した電気流体が想定されます。電気流体は明らかに、磁極の延長上にあります。±の点磁極の集団のようなものが電気流体であり、この考えは、そのご電荷となります。

 ファラデイはコンデンサーの誘電現象を調べていた時に、磁気双極子と全く同じ発想である、電気双極子によって誘電現象を説明できる事に気づきます。電気双極子の方は、原子内の電子と原子核という形で、本当に実在しました。

 そういう訳なので、歴史的に言えば、磁極の考えはそんなに不自然ではなく、磁極に対してクーロンの法則を確認しようとしたのは、ある意味当然ですし、その実験は、#1さんが仰るように可能です。

 無限に長く、無限に細い棒磁石の磁極の磁場は、点電荷の電場の様子と見分けがつかず、「磁荷」のように見えます。それは現実には無理だとしても、2個の棒磁石の4個の磁極の相互作用を全部計算して、クーロンの法則を確認する事は可能です。

 だから磁極を認めるかどうかは、理論や実験で何を想定するかによります。


 アンペールあたりが実験的に、磁場は電流から発生する事を確認します。この時点では、永久磁石の磁極による磁場と、コイルなどの電流から発生する磁場の2種類があった事になります。とうぜん両者は同じか別か?、という話になりますが、どう実験しても同じでした。だったら、電流作用によって、永久磁石の磁場を説明できなければなります。

 そこで登場したのが渦電流です。渦電流とは円形の回路を一定値で流れ続ける電流の事で、コイルの切り口などに流れる電流は、理想化すれば渦電流とみなせます。そして無限小の直径を持つ渦電流を考えると、それが作る磁場は、磁気双極子が作る磁場と、全く同じである事がわかります。じっさい「渦電流強度ベクトル」とでも言うべき量に、磁気双極子モーメントなんて名前が付いてるくらいです。

 それで棒磁石などは、渦電流の塊だという説明になる訳ですが、現在の知識で鉄原子の電子の回転運動速度などから、電子の回転による渦電流が作る磁場を計算してみると、現実の磁力と全然合わない事がわかります(足りな過ぎます)。

 そこで導入されたのが、電子のスピン(自転)が磁場を作るという考えなのですが、正確にはこれは量子効果なので、普通の自転とは思えないような側面も多々あります。とは言うものの、「それも含めて渦電流に換算して」考える事は可能です。

 それで、量子力学導入以前の段階では、磁石の磁場は「渦電流によるものだ」という説明がなされる気がします。たぶん「磁場は電流だけから生まれるので、磁極はない!」という事を印象付けるための、「教育的配慮(?(^^;))」のような気もしてます。


 ところでクーロン方式の磁場の単位(Wb)が現役なのは、次のような事情だと思います。

 実際のところSI単位系は、(Wb)を排除したがってるように見えますが、それが出来ないのは、今でも高性能の永久磁石を造り続ける業界があるからです。高性能の永久磁石は、どこに使用されるかと言えば、世界中の発電所です。発電機は、使用する永久磁石が強いほど、発電効率は上がります。その際、エネルギー換算された(Wb)の定義は、きっと捨てがたいものなのだと思います(^^)。これは、1m離したら何ニュートンの力を働かす磁石なの?、という定義と同じです。これが(Wb)の本来の定義です。
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この回答へのお礼

たくさん説明いただきありがとうございます。大変よくわかりました。
それにしてもWbを排除したがっているというのはわかる気がします。
勉強していてとても邪魔くさいというかめんどくさいです。
磁場が電流に起因することが明らかなら、磁場の強さはアンペアの
組立単位で統一すれば一番シンプルだと思うのですが・・・
でも仕方ありません。頑張って勉強します。

お礼日時:2012/11/29 10:27

電磁気については詳しい話が出てるので、モデルの方を。


音響でもありもしない呼吸球を仮定して音源を表現したりします。

なんでそんなものを使うかというと「簡単だから」です。
現実には存在しなくても、現実をうまく表現出来るものがあれば有用です。

モノポールの磁極は無いですが、それを組み合わせることで現実の磁石を表現することが出来ます。
もし、現実の磁石をもとに数式を作ろうとしたら何行になるでしょうかね、電磁気嫌いが増えそうです。

なので、現実にあるかではなくて、簡潔に表現できることに意味がある訳です。
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電気・磁気に関するクーロンの法則は1785年クーロンが実験的に発見し発表したものです。



H.H. Ricker III, "Magnetism in the eighteenth century"
によるとクーロンは長く薄い鉄の磁石を用い、磁気は遠く離れた先端部に集中していると仮定したそうです。原理として Grahamの振動針と torsion balance とを使ったそうです。(詳しい実験内容はこの資料だけでは分かりません)

備考:電気については
Alberto A. Martinez, "Replication of Coulomb's Torsion Balance Experiment," Arxh. Hist. Exact Sci. 60 (2006) 517-563
に再現実験が記述されています。原理として torsion balance が使われています。

いずれもインターネットで掲載されていますのでご覧になって下さい。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。いろいろ調べてみたいと思います。

お礼日時:2012/11/28 16:21

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