
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは.
パス解析については詳しくないのですが,論文などを読んだ感じでは少しばかり,この解析法については混乱があるような気がします.
パス解析とは,質問者さんが見たことがある「パス図」として表示することを最終目標とした図と考えるのが混乱が少ないような気がします.
パスというのは,ある変数とある変数との間の関連性の経路(pass)のことですね.その意味では変数と変数との関連性を示している解析法はパス解析となりますが,複数のパスを描く必要がある……その場合を特別にパス解析と呼ぶのが通例のような気がします.複数のパスを描くとは,すなわち複数の変数の関係性を調べる訳なので,多くの多変量解析は図的表現をすれば,パス解析と呼ぶことができると思われます.
その意味では,パス解析とは特定の統計手法を指すのではなく,ある意味では多変量解析の別名と考えると混乱が少なくなるのではないか,と思います.
しかし,もう少し限定的な意味で「パス解析」とは次の二種類があるようです.
・単純な重回帰分析の繰り返しによるパス解析
・共分散構造分析によるパス解析
昔はパス解析といえば「単純な重回帰分析の繰り返し」を意味したようです.少なくともパス解析の開発初期においてはその意味で使われていたように思われます.しかし重回帰分析は潜在変数(因子)を扱うことができないなどの欠点がありました.
そして最近流行になっている共分散構造分析では,因子を扱いながら重回帰分析のような影響性の関係を調べることができるようになり,より優れたパス図の作成をすることができます.
このような流れがあるようなので,パス解析という言葉の意味である「変数と変数の間の経路を解析する」を厳密に考えるならば,昔のような「単純な重回帰分析の繰り返し」だけでなくなり,現在のような「共分散構造分析」によるパス解析も含めるのが当然となります.
さて,具体的にパス解析をどのように実行すればよいかですが,ようするにパスをかけるのならばよいわけですから,No1さんが仰られているようにSPSSの「重回帰分析」を繰り返して使うというものでもかけますし,また,SPSSのアドインソフト(単独でも使えますが)である「Amos」というソフトを使って「共分散構造分析」を使ってパス解析をすることもできます.
なお,SPSSで「重回帰分析の単純な繰り返し」法では,確かに大変ですが,共分散構造分析が普及していなかった時代は,大変であろうがとにかくやるしかなかったわけです.そして手計算に比べれば手間がかかるといってもたかがしれているわけです.研究者は自分の持つデータに対する分析はいろいろと,それこそうんざりするぐらい分析を行いますのであまり手間をかけるという発想はないのではないか,と思います.
しかし,どうしてもいっぺんにやりたいというのであれば,Amosなどの共分散構造分析ソフトを使うようになります.現在では「単純な重回帰分析の繰り返し」の専門ソフトに対する需要は少ないと思うので開発されていないのでは,と思います(この辺はおもいっきり自信なし).
この回答への補足
回答ありがとうございます。
私はてっきり『パス解析』という名前の多変量解析に専用の計算手順等があるのだと考えていました。説明を見させていただいて「なるほど!」と思いました。それでも、「私は専用のソフトがあればなぁ…」なんて考えてしまいます。Amosを使うことが先進的であるということも納得しました。有難うございました。
さて、回答を見させていただきまして、一つ疑問に思うことがありますので、よろしければ回答お願いします。
限定的なパス解析を「単純な重回帰分析」とするとき、潜在変数を扱えないとのことですが、パス図を見る限り因子を対象にしているように思います。これは、どういうことですか?私の予想では、
1.素点をそのまま利用する
2.因子付加量を利用して素点などに重みをつける
ですが、両方ともあまり自信ありません。
No.3
- 回答日時:
再登場です.
パス解析の図を見ると,変数を示すマークとして丸囲みの変数と直角囲みの変数があります.前者が潜在変数である因子,後者が顕在変数というのが一般的なお約束です.
重回帰分析という多変量解析は,因子という概念を扱うことのできない,純粋に素点データを使った分析手法であるために,もし「単純な重回帰分析の繰り返し」によるパス解析であるならば,丸囲みのマークを使うことができません.よって厳密に考えると「単純な重回帰分析の繰り返し」によるパス図で潜在変数を使っているのは,使用法を間違っているのではないか?と反論を受ける要素となるでしょう.もしかすると,分析者はそのようなことを知らずに間違って分析を行っているのでは,と思われるかもしれません.少なくとも共分散構造分析が定着しつつある【現在】では不適切な使用法ではないかと思います(昔は許容されていたのかもしれませんが……).
しかし,ここでは好意的に解釈を行い,「限りなく潜在変数を扱おうとしたんだなぁ」と考えます.先にも述べましたが,重回帰分析は具体的な顕在変数データしか扱うことができません.なので,顕在変数データの中で限りなく因子に近いのは……
2.因子付加量を利用して素点などに重みをつける
これ,もっというならば「因子得点」を使っているのではないでしょうか?
最近では統計解析法がどんどん発達しています.そのため,昔では許された方法が,今では必ずしも適切ではないと批判を受けてしまうようになりました.私たちも一生懸命勉強はしていますが,正直最近の理論についていくことなどとてもできませんので,どこかで妥協するしかないと思っています.
個人的には「因子得点を併用しての,単純な重回帰分析の繰り返し」ならば,【近似的には】潜在変数を使ったものとして扱っても良いのではないか,と思ったりしています.まだ因子分析や重回帰分析ならば身近な統計ソフトで分析をすることができますが,共分散構造分析は非常に高価な統計ソフトで容易にはアクセスできませんし……
再度の回答ありがとうございました。
私も因子得点という言葉を使おうとしたのですが、その意味に自信がなかったために、あのような表現をさせていただきました。因子付加量の漢字が間違っていましたね。因子『負荷』量ですよね。申し訳ありません。
さて、いただいた回答により、パス解析に限らない知識を得ることができ、大変嬉しく思います。ご丁寧な回答に重ね重ね感謝します。またお世話になることもあるかもしれませんが、その時もどうかよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
パス解析は,politeさんがおっしゃる通り,重回帰分析を繰り返しているものらしいです.
SPSSの中に「Amos」というものが入っている場合はそれでできるらしいのですが,使ったことはないのでちょっとわかりません…(>_<)
SPSSの使い方については様々な本が出されていますので,実際に行う場合は図書館などで手に入れれば,あとはクリックしていくだけでできると思います.
初心者でもわかるように,イラストや写真つきで
「ここをクリック」と書いてありますよ.
重回帰を繰り返す場合でも計算は全てSPSSがやってくれるので,そんなに時間はかかりません.Amosが入っていなくてもSPSSでできますよ(^-^)
回答ありがとうございます。パス解析専用のソフトがあるとか聞いたことがあるような気がするのですが…。SPSSで出来るとは知りませんでした。ただ、SPSSとAmosは別のソフトですよ。中に入っているとかいうものではありません。共分散構造分析ができるということに特徴のあるソフトです。使用方法によっては、確かにパス解析も出来ますが…(パス解析が重回帰分析の繰り返しであれば)。
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