初めて自分の家と他人の家が違う、と意識した時

 障害基礎年金(20歳前)には所得制限があるということです。
 現在私は給与収入のほか、事業収入、株の売却益、配当収入、FXの利益があります。

 所得制限については、一定の金額を控除するため年収と異なるとのことですが、一定の控除とはどのようなものですか?詳しい計算式をご存知の方はいらっしゃいますか?

 また、一度所得制限により支給停止になったとしても、その後所得制限をクリアすれば支給は再開されるのでしょうか?

 どうぞよろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

以下のとおりです。


内容が複雑きわまりないため、そのことをあらかじめご承知おきの上でお読み下さい。

「◯◯控除」といったときの「控除」の内容の詳細は税制にゆだねられるため、
そちらについては、ご面倒でもご自分で
税務署やタックスアンサー(国税庁のインターネットサイト)でお調べ下さい。

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国民年金・厚生年金保険でいう障害年金のうち、
その年金証書の年金コードが「635*」(*は0~9)となる
「20歳前初診となっている傷病に基づく障害基礎年金」にのみ、
所得制限(所得の額に応じた支給制限)があります。

ある1年間(1月~12月)の所得(国民年金法施行令で定める)の額が、
一定限度額を超えると、同施行令の定めによって、
翌年8月分(翌年10月支払分)から
翌々年7月分(翌々年8月支払分)までの1年間について、
全額または半額(所得の額によって異なる)の支給が停止されます。

支給の停止は1年1年で判断されるため、
所得制限にかからなければ、再び支給が開始されます。

国民年金法第36条の3第1項が根拠で、
さらに、具体的な内容が、国民年金法施行令第5条の4に定められています。

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■ 所得とは?

収入イコール所得、となるわけではありません。
所得の額は、以下の計算式によって計算してゆきます。
国民年金法施行令での定めによります。

【 計算式 】
 所得=A-(B+C)

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【 A 】
 非課税所得以外の所得の額をいいます。
 国民年金法施行令第6条の2第1項が根拠です。

国民年金法施行令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S34/S34SE184.html

● 給与収入しかないときのAの範囲
 その年の1月から12月までの給与総支給額(★)を言います。
 年末調整後の源泉徴収票に記される「給与所得控除後の給与の金額」です。

● 一般的な収入があるときのAの範囲(以下1~8の合計額)
(1)総所得金額(地方税法第32条第1項 = 所得税法第22条第2項)
  以下ア~ の合計額
   ア 利子所得の金額
   イ 配当所得の金額
   ウ 不動産所得の金額
   エ 事業所得の金額
   オ 給与所得の金額(=★)
   カ 譲渡所得の金額(≠株式等に係る譲渡所得等)
   キ 雑所得の金額
(2)退職所得
(3)山林所得
(4)土地等に係る事業所得等
(5)長期譲渡所得
(6)短期譲渡所得
(7)先物取引に係る雑所得等(いわゆる「FX」などはこちら)
(8)租税条約実施特例法による条約適用利子等・条約適用配当等

地方税法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO226.html

所得税法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO033.html

外国為替証拠金取引(FX)<先物取引に係る雑所得等>
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1521.htm

● 株式等に係る譲渡所得等は分離課税となるので、総所得金額から除きます。
(租税特別措置法第37条の10が根拠 ⇒ 所得制限の対象とはならない)

租税特別措置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO026.html

参考(日本年金機構の疑義照会/PDFのP.48)
http://www.nenkin.go.jp/n/data/free1/0000000132_ …

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【 B 】
 上述したAから一定の額を差し引けることを「控除」と言い、
 まず1つ目は、以下の合計額となります。
 国民年金法施行令第6条の2第1項と、地方税法第34条が根拠です。

● Bの範囲
(1)雑損控除(地方税法第34条第1項第1号<災害等によるもの>)
(2)医療費控除(地方税法第34条第1項第2号)
(3)社会保険料控除(地方税法第34条第1項第3号)
(4)小規模企業共済等掛金控除(地方税法第34条第1項第4号)
(5)配偶者特別控除(地方税法第34条第1項第10号の2)

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【 C 】
 上述したAから一定の額を差し引けることを「控除」と言い、
 2つ目は、以下の合計額となります。
 国民年金法施行令第6条の2第2項と、地方税法第34条が根拠です。

● Cの範囲
(1)障害者控除(地方税法第34条第1項第6号)<障害年金受給者本人はダメ>
  ・ 270,000円
  ・ 「税制上の特別障害者」の場合は、270,000円ではなく400,000円
  ・ 「税制上の特別障害者」とは、以下のような場合を言います。
 (ア)身体障害者手帳を持つ人‥‥1級・2級
 (イ)療育手帳を持つ人‥‥最重度、重度
 (ウ)精神障害者保健福祉手帳を持つ人‥‥1級
(2)寡婦・寡夫控除(地方税法第34条第1項第8号)
  ・ 270,000円
  ・ 扶養する子を持つ寡婦の場合は、270,000円ではなく350,000円
(3)勤労学生控除(地方税法第34条第1項第9号)‥‥270,000円

※ 以前存在した「老年者控除」は、既に廃止されました(500,000円)

参考(老年者控除)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5281945.html

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上記「635*」の障害基礎年金で所得制限が生じるのは、
上記 A-(B+C) で計算された所得の額が3,604,000円を超えるときです。

この3,604,000円に対して
扶養親族(控除扶養配偶者は「扶養親族1人」と数える)の数に応じ、
該当する扶養親族の種類の1人ごとに、
それぞれ以下の額を加算して下さい。

国民年金法施行令第5条の4第1項が根拠です。

1)
 扶養親族が「通常の扶養親族」であるとき
  380,000円
2)
 扶養親族が「老人控除対象配偶者又は老人扶養親族」であるとき
  480,000円
3)
 扶養親族が「特定扶養親族等(19歳未満に限る)」であるとき
  630,000円

この結果、最終的には、所得制限は以下のとおりとなります。
国民年金法施行令第5条の4第2項が根拠です。

A)半額支給停止

 所得の額が3,604,000円を超えて
 4,621,000円
+380,000円 × 通常の扶養親族(控除対象配偶者を含む)の数
+480,000円 × 老人控除対象配偶者又は老人扶養親族の数
+630,000円 × 特定扶養親族等の数
 未満 のとき

B)全額支給停止

 所得の額が4,621,000円
+380,000円 × 通常の扶養親族(控除対象配偶者を含む)の数
+480,000円 × 老人控除対象配偶者又は老人扶養親族の数
+630,000円 × 特定扶養親族等の数
 を超えたとき

所得税源は、障害基礎年金の障害等級とは全く関係ありません。
この等級だから所得制限で支給停止になる・ならない、
といったような区別はありません。

逆に、所得制限による支給停止を受けたからといって、
そのために障害基礎年金の等級が変わってしまう、
ということもありません。
 
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この回答へのお礼

 早速のご回答有難うございます。

 自分で計算するのはかなり大変そうですね。

 ただ万一限度額を超えても、その後所得制限に掛からなければ再開されるのはほっとしました。

お礼日時:2013/12/01 08:05

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