No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>> どうして高能率スピーカーは主流じゃなくなったのでしょうか。
//単純に言えば、「高能率である必要がなくなったから」です。
たとえば、100dB/Wと90dB/Wで比べると、1Wで出せる音圧は10倍も違います。すなわち、100dB/Wのスピーカーで出せる音圧を90dB/Wのスピーカーで出すためには、アンプの出力は10倍必要です。
これは、大出力を実現しにくい真空管アンプにとっては、非常に厳しい条件です。コストを度外視すればともかく、一般家庭用として常識的なアンプを前提にすると、実用的な音圧を得るためにはスピーカーの側で能率を上げるしかありません。
しかし、半導体アンプであれば話は別です。100Wどころか、1000Wのアンプでもそれほど高くはつかないので(もちろんオーディオマニアが求めるような豪勢な作りなら異常に高価ですが)、「アンプのパワーが足りない = 音量不足」という事態はおよそ想定しなくて良くなりました。スピーカーの能率を上げる必要もなくなった訳です。
ところで、スピーカーの低音の再生能力は、乱暴な言い方をすれば「同時に動かせる空気の量」で決まります。従って、サイズを大きくするか、振幅を増やせば低音が良く出ることになります。サイズが大きくなれば重さも増えるので、必然的に共振周波数も下がります。しかし、振幅を増やしても重さは変わらないので、共振周波数も変わりません。そこで、小口径・大振幅のウーファーは敢えて重くする必要があります。重いということは慣性も大きいということなので、動かすにはパワーが必要になり、能率が下がります。
ウーファーの口径を小さくするメリットの1つは、(ウーファーにとって)高い周波数でも、比較的指向性が悪くならないことです。このため、たとえば、これまで3ウェイでないと周波数特性と指向性が両立できなかったのが、2ウェイでも両立できるようになります。同時に、音源位置が近づくことによって点音源に近づけることができます。
もう1つは、歪みの低減です。当然、周波数特性がフラットである方が望ましいですが、ディップ(凹み)を持ち上げることはできません。従って、ピークを潰して平坦にする必要があります。その分、音圧は下がるので、見かけ上の能率も下がります。
つまり、
半導体アンプの普及 = 音量が必要ならアンプが頑張れば良い、と言えるようになった。
↓
能率が高いことが正義ではなくなった。
↓
小型スピーカーのメリットを生かしつつ、十分な低音も出せるようになった。
ということです。「住宅事情で大型スピーカーは好まれなくなった」と言うと「小型スピーカーは音が悪いが、家が狭いから仕方ない」というネガティブな含みが見え隠れしますが、小型スピーカーには大型スピーカーにはないメリットもあるのです(もちろん、大型スピーカーを置けるなら、大型スピーカーの方が良いのは確かですが、無理やり大きなスピーカーを詰め込んでもデメリットしかありません)。
>> だんだん、高能率スピーカーっというのは、消えていくのでしょうか。 //
一般家庭で使うスピーカーに関しては、この方向で進んでいくでしょう。メリットは色々ありますが、デメリットになることはないからです。
もっとも、オーディオマニアとなると話は別です。「高能率スピーカーの音」というものがあるかどうかは別にして、自分の好みに合えば(いかなる犠牲を払ってでも)使う人はいるので、そういった人は今後も使っていくでしょう。
もう1つは、PA/SRの分野です。こちらは、ただでさえ数100~数1000Wものパワーを必要とする世界なので、たとえ1dBでも能率が高い方が良いのは間違いありません。それで一回り小さいアンプでも足りるようになるなら、設営や撤収が大いに楽になります。
この回答への補足
半導体アンプが主流になったときから、高能率のスピーカーを作る必要性がなくなったのですね。
小さくて振動板の重たいユニットを大きく動かすことで低音をだしているのですか。それで小型、低能率、になるのですね。
でも、低能率でもデメリットばかりではないのですね。
これからも業務用の分野で高能率なユニットは残っていく、っということでしょうか。
No.7
- 回答日時:
>> これからも業務用の分野で高能率なユニットは残っていく、っということでしょうか。
//おそらく残りますが、こちらも徐々に変化していくかも知れません。
PA/SRの分野で高能率が要求されるのは、音を届ける必要のある範囲が広いからです。逆に言えば、狭い範囲に届けば足りるのであれば、高能率を追い求める必要もありません。技術的に、あるいはトレンドとして、そのような方向に向かっている気配もあります。
乱暴に言えば、音圧は距離の2乗に反比例するので、距離が2倍になれば音圧は1/4になります。従って、広い会場に1組のスピーカーしか置けない場合、端の方にいる人に十分な音圧を届けようとすると凄まじいパワーで鳴らす必要があります。
当然、その場合、スピーカーの近くにいる人はやかましくて仕方ありません。聴力に障害を与える危険さえ生じます。それならスピーカーを複数配置すれば良いじゃんと思いますが、そうすると各スピーカーから聞こえる音の時間差によって、いわばエコーがかかったような不快な音になります。
このジレンマを解決する方法として、1つはスピーカーの指向性をコントロールして、近くでも遠くでも均一に音が届くように工夫することです。もう1つは、DSPを駆使して、複数のスピーカーの発音のタイミングをコントロールすることです。これらを組み合わせれば、各スピーカーの担当する範囲ごとに無理なく音を届けることが可能です。
コストの問題もあるので今すぐ全てが置き換わる訳ではありませんが、このような方向に進んでいく可能性は高いでしょう。それでも能率が高いに越したことはありませんが、これまでほどには重視されなくなるでしょう。
もう1つ、最近のトレンドとして、同じ会場にいながら観客ごとに別々のプログラムを聞く、ということがあります。たとえば、すでにスポーツでは解説の放送を聞きながら観戦できるものがあります。オペラや芝居を他言語同時通訳によって異なる言語で楽しむことも、技術的には可能です。いずれ、コンサートやライブでも多くの観客がヘッドフォンをしている、という日が来るかも知れません(いささか奇妙な光景ですが...)。
こちらは会場の大型スピーカーと両立し得るので、必ずしも高能率スピーカーを排斥していくものではないと思いますが、PA/SR = 高能率スピーカーでガンガン鳴らす、という既成概念は崩れていくかも知れません。
この回答への補足
業務用の世界も進化しつづけているのですね。
複数のスピーカーをDSPで音の遅延を合わせたり、置き場所をそろえたり、大変な作業になりますね。
コンサートホールでヘッドホンっというのは斬新ですね。スポーツの世界では実際に解説を聞くことができるっというのはしりませんでした。
ヘッドホンライブが実現した場合、みんな同じ環境でライブ音を聴けることになりますね。
そうなると、業務用スピーカーも将来的には方向性が変わる可能性がありえるっということですね。
No.6
- 回答日時:
個人的な見解?ですがアンプの問題もあるのでは?と思います。
高能率なスピーカーは少しのノイズも音として出やすいのでアンプの設計もシビアになります。
設計上、高能率のスピーカーでは出るぐらいの残留ノイズがあっても
低能率のスピーカーだと軽減されますからアンプも作りやすいので相乗的な一面があるのかもしれません。
しかし、微細な信号でも音として出せるということは微妙な音の変化も出しやすいと言う事なので
逆に言えば低能率のスピーカーは微細で微弱な音の変化には弱いと言えるかもしれません。
この回答への補足
回答者様のおっしゃることわかります!
中古で古いアンプを買った場合、絶対に試聴させてもらうのですが、お店の視聴用のスピーカーを使った場合、電源ON、OFF時のノイズや、ガリ音が聞こえない場合があります。家のスピーカーは能率が高いですので、結構ノイズやガリ音が気になる時があります。
そう考えると、高能率スピーカーと現代のノイズの少ないアンプの組み合わせは、ノイズの面だけでいえば「良い」結果がでそうですね。
No.5
- 回答日時:
こんにちは。
No.3回答を支持しておきます。
簡単に付け加えれば、高能率のスピーカーは設計と製造にコストが掛かるからです。
振動板を大きくすれば、同じストロークでも大きな音量を得る事ができますが、振動板が軽量でありながら広い面積の空気圧に耐えられるだけの丈夫さという相反する特性がなければ腰砕けになってしまいます。
大きなダイナミックレンジを要求されるところでは、高能率・大音量のスピーカーは必要とされます。
『だんだん、高能率スピーカーっというのは、消えていくのでしょうか。』『現在でも100dBを超えるユニットは製造されているのでしょうか。 』
心配要りません。確実に需要がありますので、結構大量に生産されています。高度なシステム設計がされるようになりましたので、かつてのようにシステムアップを現場任せにして素材(ユニット)を売るという販売形態ではなくなっているだけです。
当然、業務用という名の下に取引されています。
そういう一級品ばかりでなく二級品も多く存在します。
この回答への補足
やはり業務用ユニットですか。
じつは以前、地元の飲み屋さんで、自作の40cmダブルウーハーで、ホーンツィーターのかなり大きなスピーカーがありました。
マスターに聴いてみると「fostexのPA用ユニットを使って作ったスピーカー」だと言っていましたが、鳴っている音はすばらしい音でした。SOULがなっていたのですが、20万円ほどのプリメインアンプで大音量でガンガンなってましが、やわらかい音でした。業務用ユニットも「入れる箱」が違えば、こんなにも弾力があり、伸びのある低音がでて、やわらかい音がでるものなんだとびっくりしました。
No.4
- 回答日時:
既に識者から回答がありますが、簡単にデフォルメして回答します。
・10Wのアンプが10万円して20Wのアンプが20万円したとします。
音質を変えずに(劣化させずに)効率が3dB上がったスピーカーが5万円アップなら売れるでしょう。
ですが、現在は
・10Wのアンプを20Wにするための費用は100円以下、場合によっては10円程度のコストダウンになる。
なのにスピーカーの効率を3dB上げるのに1万円かかる。
このような状況ですので、
スピーカーメーカーとしては、効率を犠牲にしても、高音質を維持したままコストダウンします。
要は、市場が何を求めるかですね。
高効率化は、コストアップゼロ以外では、市場が求めていない。
そして、メーカーはコストアップゼロでは高効率化できない。
かくして、効率は低下する。。。
この回答への補足
アンプの出力を上げることよりも、高能率なユニットを作るほうがお金がかかるのですね。
なら、アンプをハイパワーにして、低能率なスピーカーを作ったほうがメーカーも楽だということになるのでしょうか。
市場も高い高効率ユニットは求めてない。
安いならまだしも。
でも、メーカーは安くは高効率ユニットはつくれない。
それは、高効率ユニットは減る一方になりますね。
No.3
- 回答日時:
はじめまして♪
100dBとまでは言いませんが、90dB近いくらいの方が、私も好きですねぇ(^o^)
コンプレッションドライバーなどを除外しますと、フルレンジやウーファータイプでは90dBを得るのすらアヤシイ。
おっしゃる通り、入手し易い範囲ですと、Fostexのユニット群程度でしょう。
事実上で、狭い個室、近距離再生であれば、85dBも有れば簡単なアンプ出力で十分な音量が得られます。そしてこれよりも低能率なスピーカーシステムも今では沢山出回っています。
今のポップス系では、平均音量と瞬間最大音量の差が小さく(瞬間最大のピークを潰している)なっていますので、とりあえず得られる平均音量に対して余裕度があまり無くても問題が少ない、という状況も有るのでしょう。
平均音量が85dB欲しいとき、1mの位置で聴けば85dBのスピーカーなら1Wで良いのです、パルシッブな瞬間最大ピークを多く含む生楽器のリアルな録音物ですと、最低限でも10倍の余裕は欲しい、でも現代的なポップス系サウンドは2倍の余裕度が在ればそれで済んでしまう(かも。)
それならば、2mで聴いた事を考えても数十ワットの安価なアンプを組み合わせておけば、計算上では問題無し、って。
小口径ユニットでは、低域のレスポンスが低下します、でも若者達は低域が誇張された音が好きなので、低域をたくさん出すように、、、
低域以外の音が出にくい設計にして、バランス的に低域が多く感じられる、つまり非常に低能率な、変換効率が悪いように造り込んでいるのが現状ですね。
能率だけで音を語るのは乱暴でもありますが、私自身の経験では、やはり高能率のスピーカーの方が好きな傾向だと言えますねぇ。
もちろん、例外も有りますよ。82dBという低能率の20センチウーファー、パワーをぶち込みますと、他では得られない様な独特の良い音を感じられた事も有ります。
(そもそも、かなりのパワーをぶち込まないと、十分な音量が得られないし、、、でもMFB実験でアンプを壊してから、最近はあまり鳴らしていませんが、、)
高能率スピーカーは減ってしまいましたが、消えるって事は無いでしょう、好きな人は存在しますしね。
さすがに、管球アンプ時代のように、高能率が販売上の、スペック的にメリットになる、とは言えないので、現代のように減ってしまっただけです。
販売数量として主流では無いが、少数派として今後も高能率タイプは生き残って行くと思われます。
音量優先として帯域を犠牲にするより、音量を犠牲にして帯域を広げた方が、一般向けには良く売れる、という事ですね。
この回答への補足
なるほどです。
低能率のスピーカーは帯域優先なのですね。
たしかに、家庭で85dBなら大音量だと思います。
普通は1mや2mで聞く場合も多いかと思いますので、
低能率のほうがむしろバランスがいいのかもしれませんね。
そう考えると、ミニコンポのコストパフォーマンスはすごいですね。決して大出力でなく、能率も高くないスピーカーをそれなりにいい音で鳴らしますよね。しかも音量は家庭では十分です。
でも、私も回答者様と同じで、ある程度高能率の音が好みです。
fostexもそうですが、ダイトーボイスも非常にいい音ですよね。
私はメインの3wayを持っていながら、ほとんど聴くことはなく、フルレンジで過ごす日が多いです。どちらがメインかわかりません。
No.1
- 回答日時:
真空管アンプが主流の時代は10wを超えると大出力アンプでした。
そのためスピーカーの能率は94db程度が普通でした。その代りキャビネットは今から考えるとかなり大きいフロア型が殆どでした。半導体アンプになって数十wでも楽に出せるようになると音量は十分に出せるので、その代り周波数特性、特に低音をもっと出すような設計に代わりました。それは全体の能率を下げる、というよりは中高音域を低音に合わせて下げるといった方が良いような設計が主体になったと思います。
それでキャビネットがかなり小さくても実用的には十分な低音が出せるようになったということです。
これは住宅事情で大きなスピーカーの人気がなくなったということもあると思いますが。
今では10cmや12cm程度のウーファーのスピーカーも結構ありますが、昔はそれは中音用のスコーカーのサイズです。そのサイズで低音を出そうと思えば能率を低くするしかありません。
ちなみに私は中音、高音はGOTO-UNITを使っていますが、これは能率が115-120db!!です。これ用のアンプは最大でも5w程度です。それよりも大きいとユニットを壊す恐れがあるからです。でもそれで部屋を揺るがす音量が出ます。これらは現在でも実際に作られている製品です。
94dBで普通とは、今ではありえないことですね。
私がオーディオを始めた1995年ころには90dBで高能率といわれました。
小さくて、低音を出すためには、低能率にならざるを得ないのですね。
回答者さまは、GOTO-UNITですか!
私は雑誌でしかみたことがありません。
GOTOはストレートホーンですよね?
115~120dBですか・・・120dBはすごいですね。
1ワットでもとんでもない音量がでてしまいますね。
100dBを超えるユニットはやはりドライバーのようなものになってしまうのでしょうか・・・。
フルレンジであれば最高なんですが。
回答ありがとうございました。
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