品種改良がされた甘くておいしいリンゴです。と言われると安心して喰えますが、
遺伝子組み換えで甘くておいしいリンゴです。と言われたとすると、何か心配になります。
これは私を含む一般消費者が作物の改良に関して無知だからだと思います。
そこで、専門家の方に伺いたいのですが、下記の2種類のリンゴ(架空です)では食物の安全性に関してどのような相違があるのでしょうか。
1.リンゴ農家が15世代に渡ってリンゴの木を選別し、甘くておいしいリンゴのなる木をつくった。
2.生命科学の研究室がリンゴのDNAを解析して、NDAの一部を組み替えることで甘て美味しいリンゴのなる木をつくった。
「1」には農家の3世代、100年がかかり、「2」には生物学博士たちが10年で成し遂げてしまうという年数の違いがあるのは分かりますが、所要年数以外にどのような違いがあるのでしょうか?
生物学、食品科学、遺伝子工学などにお詳しいかたからの解説をいただけると有り難いです。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
そのような目的で遺伝子組み換えを行なうことは少ないでしょう。
生物は
生物の分類系統は
ドメイン
界
門
綱
目
科 原則、ここ以降が原則として交配可能
属
種
のように系統付けられますが、導入したい形質が種をまたげば交配すらできません。
例えばイネ科の作物の畑に生える雑草を駆除しようとしたら、その雑草がイネ科以外でしたら簡単なのですが、イネ科だと難しくなりますね。そこでイネ科以外の植物がもつ耐性遺伝子を交配以外の方法で導入できたら・・
塩害に弱い作物に塩害に強い遺伝子を持ち込めば
特定の農薬に弱い作物にその農薬に耐性を持つ遺伝子を導入するとその作物の近縁種の雑草も駆除できます。
遺伝子組み換えは、原理的には交配による品種改良と変わらないのですが、その遺伝子を導入するために植物に感染するウィルスの酵素などを使用します。植物にウィルスが感染する時に相手植物の遺伝子を切ってその間に自分の遺伝子を組み込んだりしますから、それを利用するのです。
だからと言って植物のウィルスがヒトに感染するとかそんなことはないのですから、不安は『自分で理解できない操作には不安』に過ぎないのですが。(^^)放射線とかと同様ですね。
生物学的な危険はもちろんあります。もし特定の農薬に強い遺伝子が種内の他の雑草に移動したら・・・今度は同じ科どおしですから交配できる。
そして最大の問題は、遺伝子組み換えと言う処理は特許やノウハウが必要な技術ですから、優れた性質を持つ作物が特定の企業に握られてしまうという経済的な問題。
判りやすい例を・・遺伝子組み換えではないですが、F1トウモロコシの問題
最近のトウモロコシは、とても甘くて実が一杯詰まっていて以前の物とまったく異なりますね。これは離れた品種の物を交配すると一代目(F1)は極めて強靭な物になる---雑種強勢--と言う現象です。どの品種を組み合わせるかは秘密や特許で守られているために、その種は特定の企業以外は生産できません。F1の種子をまいても翌年はメンデルの法則に従って様々に分化してしまいますから親と同じものは収穫できない。そのため、毎年その種子を買わなければならない。
種子が特定の国や企業に握られてしまう。これは食料安全保障上由々しき問題ですね。
遺伝子組み換えも同様で、他国の少ない肥料、無農薬で大量に収穫できる遺伝子組み換え農作物に国内の農産物が席巻されてしまう。
消費者の無知による不安に乗じて煽り立てているのが、本当の理由ですね。
詳しくは
⇒遺伝子組み換え作物 - Wikipedia( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D% … )
No.5
- 回答日時:
選別による品種改良は、自然界で起きている自然淘汰と
同じだ。
交配時のコピーミスや交叉という組み換えメカニズム、
放射線による塩基ごとの置換といった、ランダムな
(かつ自然でも起きている)変異を利用している。
それに対して遺伝子組み換えは、遺伝子に潜り込む
性質(溶原化)のあるウィルスを利用して、その遺伝
子を切断して潜り込む制限酵素に、導入したい性質の
遺伝子をくっつけて送り込む(それ以外にも金粉に
まぶして撃ち込むとか他の手法もあるが確率が低い)
事で、ランダムではなく特定の性質を持たせる事が
できるのだ。
この問題点は、いくつかある。
1.ウィルスにくっついて導入された遺伝子は、ウィ
ルスとしてまた飛び出して他の生物に潜り込む可能性
がある。
2.制限酵素によって潜り込む位置まではコントロール
できず、有用な遺伝子を切断して破壊している可能性が
ある(長い時間を経て選択された自然な変異メカニズム
とは異なる)。
しかし、それが問題のない事の検証はせいぜい数世代の
栽培によってしか為されず、異なる環境で有効な遺伝子
とか、長期的な進化に於て(たとえば有害な変異を補修
する酵素もある)有効な遺伝子が失活している可能性を
検証する長期的検証はなされていない(安全より企業の
利益優先)。
3.遺伝子組み換え作物の栽培地をコントロールしても、
既に花粉の交配によって、それ以外の一般的耕地の同種
作物に、組み換え遺伝子が伝播した事実の報告がある。
当然、それらの“導入”の無害性の有無の検証がなされ
ていない。
4.組み換え遺伝子を導入された生物は、それまで体内
に存在していなかった化合物を生成する事になるが、
その事が与える影響について、2と同じく短期的検証
しかなされていない。
5.そもそも「遺伝子組み換え」といっても、例えば
作物に殺虫成分を作らせる事で、農薬をまかなくても
良いというメリットはあっても、農薬のデメリットの
1つである「殺虫剤に耐性のある害虫が出てきて、ど
んどん毒性の強い殺虫剤が必要になる」という点では
同じで、既に遺伝子組み換え作物に耐性のある害虫が
見つかっており、殺虫剤に比べて画期的なものではない
(どんどん高価になって殺虫剤依存症の農民が苦しむ
点では同じ)。
No.4
- 回答日時:
早い話「技術が熟れて居るか」の話し。
遺伝子組み換えは#3のお答の通り「あまり嬉しくない」遺伝子処理をします、
リンゴは「嫌だ」樹命が長いから、影響が蓄積するまで時間がかかる。
トウモロコシ簡単だ、結果として「食用非組み替え」と「燃料用組み替え」を10キロ
以上離しても交雑してしまう。
諦めるしか無い。
なおアスピリンは150年近く経ったが、「良い副作用」しか見つからない。
アセトアミノフェンはまだ100年経っていないがもう「良い副作用」が見つかった。
No.2
- 回答日時:
今のところは、DNAをすべて調べて、すべての遺伝子がわかったとしても、その遺伝子の働きや、相互作用まではわからないのが科学の限界です。
例えば甘さを抑える働きをしている遺伝子が見つかり、これを消すとしましょう。
そうするとすごく甘いリンゴがなる木ができました。
これだけならいいのですが、実はその遺伝子は人体に毒となる成分も抑えていたので、すごく甘いけど猛毒のリンゴになりました、なんてことが起こらないとも限らないのです。
そして、甘いと虫害もハンパない事になりますが、これは予測できるので最初から遺伝子組み換えで虫を殺す成分を入れればいいんじゃないか、ってことにもなります。
が、虫を殺す成分が人体に無害であるか、という保証もないわけで、これも怖いところです。
品種改良は時間がかかる分、変な能力を持った株を排除する隙もありますが、遺伝子操作では一気に異常な形質を発揮するので、抑止力もかかりにくくなります。市場に出回ってからマズい問題が見つかる事もあるでしょう。
無知による恐怖は、生物が進化する中で獲得した能力であるように思います。
強すぎる好奇心は時に命取りとなりますので、適切に不気味な印象を抱くことは生物個体が生き残るためには必要と思います。
No.1
- 回答日時:
別に、遺伝子組み換えにつかった遺伝子が、リンゴにリンゴの遺伝子だったら、ほとんどの人は心配しないんですよ。
でも、リンゴに虫に強い遺伝子を組み込んだ、といわれると、「何それ?」とほとんどの人が心配するんです。
自然界でも起きる交配をさっさと起こすだけならいいのですが、突然変異でも起きないような、交配できない生物との遺伝子組み換えとなると、研究者に「それを50年食ってみてから俺にくれない?」と言いたくなるのです。
別に、小麦を栽培してくれてもいいけれど、既存の小麦と受粉しないようなところで栽培しないから、どんどん雑種ができてるし、雑種になったらさらに品質保証できるのかしら、と思ってしまうのです。
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