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お世話になります。

先日精神クリニックにて、発達障害と診断された者です。
WAIS-3というテストを受け、発達障害と診断されたのですが、テスト結果をどう解釈して、これからに活かせばいいのか、戸惑っています。
何が得意で何が不得意なのかなど、点数から見える特徴などをご教授頂けないでしょうか?
仕事での悩みも多いので、色々とご指摘やアドバイスが頂けると助かります。

全検査IQ:108
言語性IQ:109
動作性IQ:106

言語理解:99
知覚統合:95
作動記憶:119
処理速度:116

<言語理解>
単語:11
類似:10
知識:8
理解:10
<作動記憶>
算数:17
数唱:12
語音:11
<知覚統合>
配列:11
完成:9
積木:9
行列:10
<処理速度>
符号:16
記号:10
組合:8

先生からは、IQとしては問題ないが、群指数に
差異があることが問題と教えて頂いています。
また、特に下位項目の、算数・符号のみ突出してるのが、気になるとのことでした。

今感じている生き辛さへの対策や、今後の人生を考える上での参考にしたいので、ぜひお力をお借りできればと思います。
よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

No.2です。



補足をしてくださり、ありがとうございました。

1.結果の見方(数値の意味)
WAIS-IIIで用いられているIQ(知能指数)や、群指数は、統計学的には、「標準得点」と呼ばれる数値です。
ある年齢集団の中で、平均的な成績を取ったときに、IQも、群指数も100となるようにつくられた、相対的な数値です。
また、IQ、群指数とも、90~109の範囲が「平均」と評定され、この範囲に理論的には、50%の人が含まれるようになっています。
110~119の範囲は、「平均の上」と評価します。

同じように、それぞれの下位検査の評価点も、ある年齢集団の中で、平均的な成績を取った場合に、10となるようにつくられた、相対的な数値です(統計学的には、標準得点ですが、換算の仕方が、IQや、群指数とは異なります)。
評価点は、7~12が「平均」の範囲で、そこに50%の人が入るようつくられています。

2.全般的な知的水準
質問者様は、全検査IQ=108で、90%の信頼区間(測定誤差とご理解ください、質問者様の真のIQが、90%の確率で存在する区間を推定したものです)は、104~112になります(以下、信頼区間の説明は煩雑になりますので、割愛します)。
したがって、質問者様の全体的な知能の高さは、「平均」にあたると考えられます。

3.個別の認知能力
1)言語性IQ、動作性IQ
言語性IQは、主に言語的な理解力や表現力、言葉による思考力の高さを示す指標で、これに対して、動作性IQは、主に視覚的な情報処理能力や、空間認知の能力の高さを現します。
質問者様の場合、言語性IQ=109も、動作性IQ=106も「平均」的な能力をお持ちです。
両者の間には有意差は認められません。

2)群指数
群指数は言語性、動作性という区分よりも細かく、また、実証的なエビデンスに基づく認知能力の分類です。
それぞれ、次のような能力を測定しており、また、その元となる下位検査は、括弧内に示したものです。
(1)言語理解(Verbal comprehension;VC)……言語意味の理解、言語的知識、言語的な思考・推理、言語表現などの能力(単語、類似、知識)
(2)知覚統合(Perceptual Organization;PO)……視覚的情報の統合、視覚-運動能力や、非言語的な思考・推理などの能力(絵画完成、積木模様、行列整理)
(3)作動記憶(Working Memory;WM)……聴覚的な短期記憶の大きさや、聴覚的短期記憶に保存した情報を使った情報処理など能力(算数、数唱、語音整列)
(4)処理速度(Processing Speed;PS)……心理的作業の速さ、視覚的な短期記憶、視覚的情報の記号化、などの能力(符号、記号探し)

質問者様の場合、作動記憶=119がもっとも高く、次いで、処理速度=116が高くなっていました。
この2つはいずれも、「平均の上」と評価されます。
言語理解=99と、知覚統合=95は、「平均」的な能力をお持ちです。

統計的な有意差を見ますと、4つの群指数の間には、次のような関係が見られます(≒は有意差なし、不等号は有意差ありを示します):

言語理解≒知覚統合>作動記憶≒処理速度

3)IQ、群指数の結果の意味
IQから見ますと、質問者様は、全検査IQ、言語性IQ、動作性IQのいずれも平均的で、言語性IQと動作性IQの間に有意差もありませんでしたので、全体的な知能の高さは平均的で、言語・動作のバランスも取れているという結果でした。

しかしながら、群指数から認知能力の特徴を見ますと、4つの群指数の間に有意差が認められ、作動記憶や処理速度は高いものの、言語理解と知覚統合は低いというバランスの悪さがありました。
ただし、言語理解・知覚統合の能力は平均的ですので、他の人より劣っているのではありません。
あくまでも、質問者様ご自身の中での特徴(個人内差、といいます)ということです。

4)下位検査評価点の分析結果
群指数に有意差が認められましたし、下位検査の評価点を見ますとやはり、かなりの高低がありました。そこで、下位検査の評価点の高低に着目した分析(プロフィール分析)を実施してみました。

その結果、質問者様の特徴として考えられたのは次のような点です。

得意と思われることがら:
(1)情報を順番に1つずつ処理する能力
(2)短期記憶(視覚や、聴覚から入った情報を数10秒の間、記憶しておく能力)
(3)数を扱う能力

苦手と思われることがら:
(1)視覚的な情報処理
(2)空間認知や、手本・モデルを見て同じものをつくること
(3)ものごとの関連性や、意味を理解すること

知的能力発揮に関連する要因
(1)知的好奇心が弱いか、もしくは興味の範囲が限られる
(2)確信が持てなかったり、リスクがあると思うと反応することを迷う

*なお、以上の特徴は、あくまでも検査の数値的な結果を分析して考えられた「仮説」ですので、質問者様が困っていらっしゃる点、得意な点、苦手なことなどと照らし合わせて、確認することが必要です。

4.検査結果の解釈(お示しいただいた特徴との照合)
事務や、単純作業が得意でいらっしゃるという点は、処理速度の高さによく現れています。
処理速度は、身についたスキルがほぼ自動的に処理できる能力の高さに関連しています。

また、算数の評価点が高いことや、数を扱う能力に優れている点は、計算、数式の理解が得意なところや数学が得意であった点と一致します。

「一対一で、深く掘り下げて話を聞く」ことが得意というのは、作動記憶の高さや、集中力の強さに関わっていると考えられます。
しかし、注意を集中しすぎると、「集中しているときに話しかけられても、聞こえない」という弱点としても現れていると思われます。

「飲み会時などの雑談に興味が持てず、輪に入れない」や、「興味があることにしか目が向かず、一般常識(特に食べ物の名前など)を持っていない」は、知的能力の問題というよりも、関連する要因の(1)に挙げたような興味の範囲の狭さが影響していると思われます。
「会議体での内容や流れが分からない」と、「言われたことを忘れてしまい、信頼感を落とす」の2点は、言語理解は、個人内差としては低いとはいえ、平均的な能力を持っておられますし、また、作動記憶で測定しているような短期記憶の能力は強いので、これも知的能力の影響よりも、興味の範囲といった関連要因が影響しているかも知れません。

以上、検査の数値的な結果と、お伺いした特徴とから考えられるものです。

5.今後の方針
知的能力は、平均もしくはそれ以上の力をお持ちですが、認知能力のバランスの悪さと、関連要因が質問者様の生き辛さ、悩みにつながっていると思われます。
ただ、短所や苦手な点を努力で克服するのは大変な努力を要しますし、効果も上がりにくいので、意欲や自信を喪失することにつながりかねません。

そこで、今回の検査結果で分かった、得意なところや、長所をうまく使い、短所にはなるべく負荷をかけない、あるいは、長所でカバーするということをお考えください(長所活用型のアプローチ)。

質問者様の場合、情報を1つずつ順番に処理する能力が高いと考えられました。
このタイプの方は、1つずつ順番に処理する以外に、言葉を手がかりにする、全体から入るよりも、部分から入って分析的にアプローチするというやり方が効果を上げることもよくあります。
この点を十分に意識なさるとよいと思います。

詳細に述べる余裕がありませんので、これら以外の工夫については、本を参考にしていただくとよいかと思います。
最近では、大人の方の発達障害について解説している、一般向けの本がたくさん出版されていますので、そういう本の中で、よ見やすいもの、分かりやすいものをお読みになって、他の方がなさっている工夫を取り入れてみることをお勧めします。
わかりやすい本であれば何でも構いませんが、私がよく紹介するのは、次の本です:
星野仁彦(著)(2011):発達障害に気づかない大人たち<職場編>.祥伝社新書#237.¥780+税
著者の星野先生ご自身が、ADHDをお持ちの精神科医ですし、この本には、星野先生の診療経験から、具体的なアドバイスがたくさん紹介されています。
ご一読の価値はあると思います。

質問者様の場合、作動記憶や処理速度の高さから、長所を活用するというやり方で努力なさると、いったん身についた知識やスキルは、あまり意識しなくとも発揮できるように思われます。

以上、大変長くなりましたが、参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

詳細な分析までして頂き、ありがとうございございました。
大変参考になりました。
今まで、組織に入ると違和感ばかりを感じておりましたが、今回の診断が自分のことを知るいいきっかけになりました。
vzb04330さんのコメントを今日何度も読み返しながら、自分の得意なところ・不得意なところ・関連項目を確認できました。特に、数字への感覚や情報を一つずつ処理していくという、特徴を踏まえて、どうすれば今よりも楽になるのか探ってみます。また、得意なことに着目していいというお言葉を見て、心が軽くなりました。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2015/01/14 19:17

心理士です。



検査結果をもとにした分析や解釈が可能ですが、それですと、数値だけに基づいたものとなって仕舞い、必ずしも質問者様ご自身の特徴を表すとは限らない可能性があります。
もし支障がなければ、次の点について補足してくださると、より正しい解釈ができます。

1)質問者様の年齢
2)今感じていらっしゃる生き辛さ、日常生活や仕事の上で困っていらっしゃること
3)2)とは逆に、質問者様ご自身が、得意なこと
4)学生時代の教科での得意、不得意

なお、No.1の方が示してくださったリンク先の説明は、あくまでもWISCという子ども用の知能検査で測定される群指数についての説明ですので、そのまますべてがWAIS-III(大人用の知能検査)の説明として当てはまるものではありません。

また、WISC-IIIからWISC-IVへの改訂においては、群指数から指標得点というものにかわっており、さらには、知覚推理、ワーキングメモリーは、それぞれ前身の知覚統合、注意記憶とはかなり意味が変わっていますので、ご注意ください。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。
返信が遅くなり、大変申し訳ございません。
頂いたコメントにございました、補足点について以下に記載させて頂きます。
(1)年齢:24歳
(2)感じている生き辛さ、日常生活や仕事での悩み
・会議体での内容や流れが分からない
・飲み会時などの雑談に興味が持てず、輪に入れない
・言われたことを忘れてしまい、信頼感を落とす
・集中しているときに話しかけられても、聞こえない
・興味があることにしか目が向かず、一般常識(特に食べ物の名前など)を持っていない
(3)得意なこと
・事務、単純作業
・計算、数式の理解
・一対一で、深く掘り下げて話を聞くこと
(4)学生時代の得意教科、不得意教科
・得意教科…数学、国語
・不得意教科…社会、理科
特に、社会に関しては全く興味が持てず、20点などの点数を取ったこともありました。
一方で、数学が得意だったことが繋がり、大学時代は経済学で受賞もしております。
できること、できないことの差が大きく、小さい頃から周りの方から随分指摘は頂いてきたと思います。

ぜひ、ご意見やアドバイスをよろしくお願い致します。

補足日時:2015/01/14 00:21
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http://mayblossoms.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

実際は検査を行った心理士に「アセスメント」を行ってもらうほうがいいと思いますが…

ご参考までに。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
記事もたくさんあり、大変参考になると同時に、
自分の傾向を客観的に見直すことができました。
対策も記載されていましたので、一つ一つ生活に取り入れてみようと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2015/01/12 23:49

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