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エラスムス『痴愚神礼讃』
(沓掛良彦訳:中公文庫 / 渡辺一夫訳:岩波文庫)

に痴愚の女神が登場して、アホの効能について語ります。ギリシャ神話に、このやうな女神がゐることを私は知りません。この女神は、エラスムスの完全な創作なのですか。それとも、なにかモデルがあるのですか。

A 回答 (1件)

アホに、アホいうのは、ユーモアも卓越した精神も才能も要らず、簡単。


つまりどんなアホにも出来る。(知能が低すぎる馬鹿)

モンテーニュは「愚かな人間は私を笑わせない。私を笑わせるのは賢人だけだ」
といいましたから、アホで笑いをとるには知的なユーモアがいるのですね。(知能が高すぎる馬鹿)

アホを誉めるまでなると最高の教養人であること、
そして「悔しかったら私のように賢くなってみろ、まあ無理だろうが」
という余裕がある証明になれるはずです。

ギリシャ神話にそのような女神がいたのかということが質問ですよね。
ギリシャ神話ではなく、痴愚女神は馬鹿を擬人化して、
エラスムス自身が女神で(笑)自分の賛歌を歌う仕組みにしている。ということらしいです。


回答するのに手元に置いてあったホルスト・ガイヤー「馬鹿について」という本の
「愚鈍礼賛」エラスムスのページ(p222)をパッと見開いた私は
何か凄いシンクロしたみたいと感心しました。
本の全容は今だわかってないのにですよ!

素顔のままで、とか素直な君のままでいて、という歌はある。
「馬鹿のままでいて」そんなタイトルの歌があってもいいかな。
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この回答へのお礼

アホによる、アホな質問に回答をお寄せくださり、ありがたうございます。『痴愚神礼賛』はパロディや諷刺をふんだんにもりこんだ話で、学生の頃から愛読してゐます。ヨーロッパでは有名な書物らしくて、心の余裕を感じることができます。以下の文章など、最高です。アホは無敵だ!

「恥だの、不名誉だの、侮辱だの、悪口だのといつたものは、それを感じる人間にだけ痛みをもたらすもので、感じない者にとっては不幸でもなんでもない」
(沓掛良彦訳 82ページ)

miko-desiさんが御指摘のとほり、アホはだれでもなれる、それがいいところです。

>エラスムス自身が女神で(笑)自分の賛歌を歌う仕組みにしている。

何かモデルがあるのかと、三十年ほど気になつてゐたのですが、結局は、エラスムス自身のことなのですね。それがいちばん素直な見方に思へます。序文では、友人トマス・モアの名前を借りたことになつてゐますが、女神の名前だけのことだと断つてゐます。

>ホルスト・ガイヤー「馬鹿について」という本の「愚鈍礼賛」エラスムスのページ(p222)をパッと見開いた

そんな本があるのですか、私の必読書かもしれません。開いてすぐに該当箇所が出てくるのは、miko-desiさんの超能力なのでせうか。私は、Q&Aで引用しようとする文章を探すとき、ずいぶんページをめくります。

それにしてもcyototuさんの文章は個性的で、まさしく「自分の哲学」ですね。既成概念にしばられない発想は読みごたへがあります。miko-desiさんの質問への専属回答者のやうですので、これからも質問をお願ひいたします。

的確な御回答をありがたうございました。

お礼日時:2015/05/10 21:58

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