総合格闘技のプライドの試合を見ていると、主に立ち技のときはキックボクシング系の技、タックルなどで寝技に入ると柔術系の技というように、ハッキリと分かれているような気がします。
しかし相手が打撃に偏っているその瞬間、合気道の基本技が使えそうな場面をよく発見します。
例えば、相手が大振りの右ストレートを打ってきた時に、その右手を左手で掴むと同時に踏み込みながら右クロスを合わせる様に喉元に掌打を打ち込めば相手は簡単に倒れますし、逆にその右手を掴んで引いてから下に落とすだけでも相手はバランスを崩し簡単転がってくれます。
その相手が転んだ瞬間にタイミングを合わせ、思いっきり頭部にサッカーボールキックを入れるコンビネーションを使えば、あんなに苦労しなくても即KOになると思うのですが?
どうしてプライドの選手達は合気道の技が出ないのですか?
試合の流れの中で臨機応変に合気道技を出せる練習とかはしてないのでしょうかね?
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
試合系合気道を嗜んでいます。
なぜ総合格闘技(プライド)で合気道技が出ないかと言うと、単純に総合格闘技的なシチュエーションにおいては使い勝手が悪いからです。
合気道技の技術の大部分は立ち関節技に分類されますが、立ち関節技は寝技が無い護身術的な状況で力を発揮する技術ですので、寝技がある総合格闘技では立ち関節を仕掛けている間に足を掬われて(小外掛け、両足タックルなど)寝技に持ち込まれてしまうからです。
投げ技に関しては、正面入り身投げを使うのであれば、大外刈りの巻き込みの方が使い勝手が良いですし、側面入り身投げを使うならば、小内巻き込みや谷落としの方が使いやすいです。正面入り身投げで足をかけて巻き込んだり、側面入り身投げで相手の足を掬って一緒に倒れこめば、かかるかも知れませんが、それでは見た目は大外の巻き込みと谷落としとあまり変わらないです。
打撃に関しては、素人レベルの話ならいざ知らず、ボクシングテクニックのあるプライド選手の打撃は非常に速く、どんなに反射神経が良くても打ってきた手を掴むのはまず不可能です。それに大振りのパンチ単体で出す選手はまずいないですよね。大抵、ワンツーやローで意識を散らしてからフィニッシュブローとして大振りな打撃を出しますので、素人が単発で大振りのパンチを出すのとはレベルが違います。
総合格闘技でたまに使用されるスタンディングでのチキンウイングアームロックなどは、合気道では下段腕がらみ、腕捻り、後ろ腕がらみなどの名称で使われています。また、スタンディングでのアームバーも合気道では肘極めと言います。ですので、総合格闘技でもまったく合気道技が使用されていない訳ではないです。
前蹴りなどの蹴り足を掴んでからの入り身突きや側面入り身投げですが、これは似たような形が使われています。あとは、肘締めの捨て身であれば、上手くいけばかかるかも知れませんね。(肘締めの捨て身、脇固めの捨て身に近い技)
No.12
- 回答日時:
キックボクシングをちょっと齧ったものですが、合気道の道場に体験入学してみました。
相手が突いた手をどうやって掴むのか疑問だったものですから。その道場のレベルがどれくらいだったかわかりませんが、相手が突いたまま伸ばした手を掴む練習をしていてはボクサーのジャブは掴めません。先生は立派な方で、僕が合気道をやったら一生追いつかないと思いましたが、なんでもアリだったら負けないように感じました。ありがとうございました。
僕自身も合気道家という枠の中だけで考えるなら、今の合気道家はそれほど強いとは思いません。例えば仏教の開祖がそれを弟子に伝えようとしても「悟り」というものは極めて主観的なものでなかなか伝わりにくかったと思います。おそらくそれと同じだろうと思うので、植芝盛平の弟子はその悟りの断片を齧りながら今日まで伝わったものにすぎないと思っています。
No.11
- 回答日時:
合気道技に幻想を持っている方がいらっしゃるかも知れませんが、合気道が実際に試合をしている様子は非常に地味ですよ。
演武のように派手に跳んだりする演出も無いので、柔道の組手争いのように、地味な関節の取り合いや投げの掛合いです。
正面入り身投げも受けが跳ばないで防いでしまえば、単に手を前に出したようにしか見えませんし、小手返しもかからないで防がれれば、相手の手をチョコチョコと動かしたようにしか見えません。演武を見て幻想が膨らむのかも知れませんが、実際に戦う様子は演武のように綺麗には行きません。
今の合気道界の状況はフルコンタクト空手が登場する以前の空手界に近いです。そろそろ演武や伝説を基準とした誇張された合気道観はやめて、せめて技術論くらいは試合を基準として現実的に議論をしたいものです。
少々脱線してしまいました。では、長文失礼致しました。
ありがとうございました。
僕の予想では合気道家同士が試合をしても、柔道よりももっと柔と柔のぶつかり合いになってしまい、もはや合気道のコンセプトから逸脱してしまうような気がします。相手の力をまるで利用せずに自ら技をかけようとする場合、まだ柔道技の方が使い勝手がいいので、必然的に合気道の試合は地味になってしまうはずです。ただ合気道がどうというより、プライドの剛の気渦巻く試合の中では、技術的に使える技の選択肢として、もっと真剣に取り入れ鍛練するなら、今みられる様な試合展開よりも有利に運べるだろうと判断のもとでこの種の質問をさせていただきました。合気道開祖植芝盛平が伝説通り人物であったなら、精神論は別としても今のプライドの試合を見ていれば技術的な着眼点としてはそう思うだろうと思いましたので。
No.9
- 回答日時:
現在合気道を学んでいるものです。
プライドなどを見てよく思うのですが、選手らの圧倒的体力・パワーの前では合気道はかなり不利なのではないかと。相手の攻撃を捌くのにいくら長けていても狭いリングの中では動きが制限されますし、一発喰らったら終わりです。
それに、師範級の人は確かに技術が優れていますが、お年を召した方が多いし身体も小さい方が多いです。だから試合も実現しないでしょうから確かめることはできないですね。渋川剛気(バキ)のような人は存在しないのが現状です。いたらもっとおもしろいんですけどね。
ただ、合気道ってのは一般人に対してならば十分な護身術として成り立つと思います。
ありがとうございました。
そうですね、様々な問題点が多すぎるのかもしれません。相手の攻撃に対して、合気道の技が反射的にごく自然に出るようになるためには、並のセンスでは最低10年くらいはかかるらしいですからね。そんな事をしていたら選手生命が終わってしまうかもしれません。
No.8
- 回答日時:
アメリカで使える伝統空手と護身術を教えている者です。
結論です. プライドのレベルでは合気道の技が効かないし、合気道の道場もそれを認めるわけにはいかないでしょう.
つまり、あのレベルの選手たちには「気」がないといってもいいと思います. 「気」がないわけですから合気道の技がかからない、ということになるわけです.
手を使い、相手に打撃を与えないで相手をコントロールすると言う事は合気道の「受け」の動きから相手の「さばき」までに時間がかかりすぎる、ということでもあるし、合気道の「受け」に対しての相手の動きが非常に複雑で、しかも連続的で有効な攻撃及び「さばき」に対する「反射神経」も発達していると言う事でもあります. 彼ら自身、合気道の技に対する防御もできるわけですから.
また、私どもの道場は基本的には「何でもあり」の状況で立ち技/寝技をしますが、連続した戦いによる汗で「有効なつかみ」ができないと言う事がやってみればすぐ分かります.
正確でスピードに富んだ「貫通力」のある打撃(パンチやキック)、タックル、固め、またフェイント的な動きと攻撃に対しての、連側的に、また、有効な合気道の「受け」を長時間(1分でも)裁きつづけるには、私も、{調達人」でなければ難しいと思います.
「何でもあり」ではありませんが、テレビに出られるレベルのプライドの選手たちの「精神的実力」「素質」は並大抵の物ではないはずです. また、150Kgを軽々と持ち上げる筋力とスピード、反射能力を持ち備えたプロたちに合気道の技(狭い域での)が通用するとは思えません. 重量挙げや腕相撲の選手ではないのですから.
また、更に、プロである限り、合気道の「選手」と戦うと言う事であれば、それなりの「対合気道訓練」を更にするはずです. グレーシー柔術の天下が崩れ落ちたのと同じように、決まりきった技の裏を知るようになれば、ルールにもっとも合った素質を持った選手が勝つことになります.
狭い意味での空手が、また合気道などが実際には通用しないと言う事はここアメリカでも、アメリカ式武道(と言う名前はありませんが)のプロの犠牲者になっていることが理解できますね. (アメリカ式武道が強いと言う事ではありません)
しかしそういう私ですら、伝統武道をやっている者です. 合気道の底に流れる諸々の技(広い意味での技です)の応用は、相手との「差をつける」意味においても大変重要視しなくてはならないものと信じます.
これでいかがでしょうか。 分かりにくい点がありましたら、補足質問してください。
回答ありがとうございました。
現実的な意見なので参考になりました。だいたい仰るとおりなのだろうと自分も思いました。ただひとつ、生きた人間である限り、「気がない」ということはありえないと思います。もし気がない人間がいるとしたら、それは死体か、無我の境地に達したお釈迦様か、北斗神拳秘奥儀「無想転生」を身につけたケンシロウくらいのものかと(笑)
No.7
- 回答日時:
「PRIDEで合気道技が出ないのは何故?」に関しては、単純に合気道の選手が出場していないから、出ないんではないでしょうか?
自分自身、実践空手の経験者(武蔵の所属している団体です)で、道場内にはボクシング経験者やキックの経験者がおりますので、彼らと組手をしたこともあります。
もちろん世界ランカーや日本で有名なレベルの人達ではないのですが、あのフットワークやジャブの速さはとてもじゃないけどついていけませんでした。あの動きを専門的に研究し練習をしないと、掴むどころかかわすことすら出来ないと思います。ましてや、プライドに出ているようなレベルの選手の圧力や技術やスピードを凌駕して合気道の技が出せるのかどうかは非常に疑問です。
また、経験から言いますと、空手の動作にも相手の動きを利用して倒す打撃などもあるのですが、かなりの有段者でもそのような技を出すのは困難だと思われます。実際に相手と対峙すると、自然とキックボクシング系の動作や構えになってきますので、キック系の動作が一番自然でシンプルなのかもしれませんね。
恐らく、かなりの体格で達人レベルにまで達していないと、PRIDEのリングでは実用技にはなりにくいと思います。
仮にイゴールボブチャンチンと戦った場合、果たしてロシアンフックが見えるかどうかや、ミルコのハイキックが見えるか、そして反応できるかは非常に疑問です。あれだけ、打撃のスペシャリストが居る中でもきっちりと頭部に打撃を与えてKOするのですから・・・
回答ありがとうございました。
仰る事は自分もよくわかります。パンチのスピードは勿論のこと、視覚に頼っているとけっこうフットワークもやっかいなんですよね。フットワーク自体がフェイントに見えたりして。体格や技のキレなどいろいろな問題がありそうですが、合気道だけをやっている人がプライドに出場しても今の合気道会ではプライドのリングで勝てるような超達人がいるか?という疑問は確かにあります。
No.6
- 回答日時:
立ち技のときに、腕を掴むという動作も殆んど見られませんね!
腕を掴める状況がおきにくいということもあると思います。
それに、裸であるということも腕を掴むのに不便だと思います。汗ですべり易そうですし。
プロレスのように互いの技を掛け合うようであればいいかもしれませんが、相手に技を出させないで一方的に勝てばよい競技ですので、難しいんじゃないかと思います。
もし上手く掴めても、掴んだ瞬間、体当たりされたりパンチが飛んできたりと相手は充分何かしてくるでしょうから、相当の練習が必要だと思います。
達人のように合気という不思議な技を持っていれば別だと思いますが、そういう人は合気道をやっている人の中でもいるかどうか?というくらい習得が困難なものだそうですし、いわゆる格闘技の練習の方向性からそういうものが出てくることは考えられません。
> その右手を左手で掴むと同時に踏み込みながら右クロスを合わせる様に喉元に掌打を打ち込めば
そんな面倒な事しなくても、パンチやキックで対応できますので、そういう技の練習はしないと思いますよ。
彼らがもし合気道技を試合で使えるレベルになるまで練習するなら別でしょうが、同じ時間を別の事に費やしたほうが試合に強くなると思います。
ちなみに、合気道創始者の植芝翁は実戦では打突が主になるようなことを言っていたそうです。養神館の塩田先生も同じような考えだったと思います。
合気道で鍛錬した身体は、打突も上手くできるようになるのかもしれませんね。
回答ありがとうございました。
なるほど~確かに、汗と血とグローブの問題がありますね。僕がいってるのは、最終的にはなかなか決める事ができない頭部への一撃必殺的な蹴りを目的とする、相手のパンチに対してのカウンター投げですから、フェイントやジャブなどには対応できず、大振りの腰を入れたパンチにターゲットを絞らなければなりません。なので先ず精神的に相当に冷静でなければならい上、気でどの程度の大振りパンチかなどの、攻撃の質を見極めなければなりません。その辺りが、おっしゃる「合気」になってくるのでしょう。あのリングという環境下ではそれが一番の問題かもしれませんね。
No.5
- 回答日時:
tomozoukunさんこんにちは。
私は以前「養神館」ってところに居た事があるんですが(席だけです(^^;)、基本的に合気道は「護身術」なんですよ。「格闘技」とは微妙にその思想が異なるんです。
例えば例にある「掌打」なども、相手を倒す為に打つのではなく、相手の姿勢を崩すとか、相手の動作をこちらで制御しやすいように打つとか、そういう目的での補足的な動きなんです。
なので、合気道で相手を「打ち倒す」ということはまず無くて、相手を制御する、というか、動きを封じるのが主とした目的なんですね。
また、合気道には私の知る限り「試合」がありません。「演武」みたいなことはありますが、勝敗を決めるものでは無いんですね。
合気道の技は相手が「剣を抜くのを封じる」とか相手を「無傷」で「戦闘不能状態にする」とか、そういった方向に特化した武術で、合気道の最良の「武」は「敵を友とする」ようなことだったと思います。
だから、格闘技の思想とはちょっと違う上に、技自体が防御的な性質を持つので初めから戦う事が目的のリング上では使いにくいものなのかもしれません。
また、ちゃんとした武道家は「植芝流合気柔術」の思想を知っているので、試合を行う事を良しとしないのかもしれません。かくいう私もリング上で合気道を使っている人を見たら多分間違い無く、「合気の道」を踏み外した「邪道」だと感じると思います(^^;
有名な言葉に「合気」は「愛気」というのがあって、合気道では相手を傷付けて打ち倒すのは最低の「武」なんですよ。
そういうわけで、多分、技自体は使う事が出来ると思うんですが、使ったら本家から馬鹿にされるので使わないのではないでしょうか。あくまで私の想像ですが。
追申:
杉良太郎の遠山の金さんは合気道を使います。あれを見ると格闘技とはちょっと違うということがわかるかもしれません。みんな派手に投げられて戦意喪失するんですけど、全員無傷です。合気道とはそういうものだと思います。
…以上、回答になってなかったらすみません。
回答ありがとうございました。
まさに「邪道」というのは納得できました。「合気」というよりは、気と気のぶつかり合いの場所ですからね。ただ合気を極めなくても技術的には適応できるシーンが沢山あるのに、技が出ないということは、それ自体が「合気」を体得してないということなのだろうと推測してます。
No.4
- 回答日時:
合気道みたいな複雑な動きが条件反射レベルでプロ格闘家相手に出るようになれば誰も苦労はせんってことよ。
もちろん、合気道家のレベルが圧倒的に上ならできるかもしれないけどね。そんなレベルにまでなるまで合気道を練習するぐらいならキックボクシングを練習したほうが早く強くなれる。
だから合気道をわざわざ使う人はいない。
結局、超がつく達人は過去に数人にいただけで、いまはいないだろうね。少なくともPRIDEレベルで通用する人は現存してない。だからPRIDEで臨機応変に合気道の技が出ることはない。(作戦上、狙い済まして使う人はでてくるかもしれないけど)
そうですね、それは自分も予測の範囲内だったので、まさに一理あると思うのですが、僕が挙げた例なら基本中の基本なので複雑な動きではないです。文章にするとまわりくどいけど、すべて一瞬の動作ですから。
ただしタイミングが非常に難しく熟練を要する。でももし使えれば、シウバなどシュートボクセ系の打撃で押してくる選手には、かなり有効であると思います。
No.3
- 回答日時:
そんなこと言い出したら、右ストレートに合わせてカウンターぶち込んだ方が早い気がしますね。
…で、カウンターって簡単に入れることができるものだと思いますか?
所詮は机上の空論ですね。
合気道の技を試合で使うことができるような人は超がつく達人だけでしょう。
回答ありがとうございます。
もちろんクロスカウンターの難しさとリスクは知っています。しかしパンチをヘットスリップで避けるリスクよりは、パンチを掴むリスクの方が少なく、尚且つカウンターの破壊力よりも、サッカーポールキックの破壊力の方があると思うので、可能ならそっちを狙いたいですね自分なら。
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