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歴史学で、意図重視論者と機能重視論者があるらしいんです。意図重視論者についてはなんとなくわかります。機能重視論者について教えてください。

A 回答 (3件)

この意図重視論者(以下意図派)と機能重視論者(以下機能派)は主にナチズムやヒトラーをめぐる論争のなかで登場してきました。


そのため、ヒトラーの例を使って説明します。
意図派とは、「第三帝国の政治が何よりもまずヒトラー自身の計画的な意図によって説明しうる」という考え方です。
つまり意図派は、ナチが権力を掌握した1933年以降の歴史を、ヒトラーが『我が闘争』で描いたプログラムを実行に移す過程と捉えます。
それに対して、機能派とは、「第一にナチ支配体制におけるこの独裁者の位置・役割から第三帝国の政治を規定する」考え方です。
つまり機能派は、ヒトラーのプログラムが首尾一貫して実行されたとは考えず、ヒトラーの行動も、ナチの支配機構のなかで様々な制約を受け、条件付けられていたとみなします。
簡単に言えば、意図派はヒトラーを「強い独裁者」、機能派は「弱い独裁者」と解釈します。

もっとも最近は、意図派と機能派という二項対立的な見方を乗り越えて、両者を総合化する研究が進んでいます。
詳しくは、次に挙げる本をご覧ください。
イアン・カーショー著、石田勇治訳『ヒトラー:権力の本質』白水社、1999年。
意図派と機能派については特に19-20頁を参照。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。今度プレゼンテーションで説明しなければらなかったので助かりました。

お礼日時:2004/06/24 17:35

2の方の回答、非常に勉強になりました。



意図派は「ヒトラーが時代を作った」と考え、機能派は「時代がヒトラーを作った」と考える……、このような解釈で良いのでしょうか?

興味深いですね。
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言葉の定義自体はよく知らないのですが、「意図」に対して「機能」を評価すると言うことでは、以下のような場合に評価基準が変わると言うことでしょうか。



1.利他的な意図によって行われた行動が成功し、社会の発展に寄与した。
2.意図は善良(利他的)であったが、結果として社会の発展に寄与しなかった。
3.意図は利己的であったが、結果として社会の発展に寄与した。
4.利己的な欲求に基づいて、そのために社会の発展を停滞させたり、多大な被害を与えた。

歴史的な人物や事件を、このように分類した場合に「2」と「3」の評価順位が入れ替わる、ということではないかと考えます。

言い方を変えれば、「意図重視論」というのは「意志」とか「努力」といったことを重視して評価するということで、これは「学校の先生が生徒の内申点をつける」ような評価基準なのだと思います。
「機能重視論」というのは、行為者の意図がどうであれ「結果として役に立ったのか、立たなかったのか」という観点で論じるということではないでしょうか?
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