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前出の名詞などを受けて言う時に指示代名詞を使うべきか、人称代名詞を使うべきかがよくわかりません。
目の前にあるもの、または直前に話題になった名詞を指す時は指示代名詞を使うとあります。

固有名詞を指示代名詞で指すときはdasを使うとありますが、固有名詞を受ける時には人称代名詞を使うこともありますね?
例えば「平泉」が直前に話題になっていて、Es war im 11. und 12. jahrhundert das wichitige
politische und administrative Zentrum des Nordens.
というように平泉という都市名を人称代名詞のesで受けています。
またMuenchenをsieで受けている文も記憶にあります。Stadtだから?

Apropos Mohri-Clan. Ogai Mori muss doch auch hier geboren sein.
Von Mohri zu Ogai Mori...-Aber der wohnte in der Naehe,Tsuwano.
この場合鴎外をerで受けないのは、「こっちの方は」という意味を込めていると考えるべきでしょうか?

また、前出の分全体を受けていう場合はdas,esのどちらを使いますか?不定関係代名詞のwasを使っていることもよくあるように思いますが。

何だかもやもやしてよくわかりません。教えていただければ嬉しく思います。

A 回答 (3件)

お久しぶりです。



前出の名詞や文は、人称代名詞でも指示代名詞でも受けることができます。指示代名詞は、文法では軽く扱われがちであると複数の文法書に書いてありますが、意味はその名前のとおり「指し示す」ことで、特定のものやことに注意を向ける役割があります。前出の名詞を人称代名詞で受ける場合は、単に同じ名詞のくりかえしを避けているだけですが、指示代名詞で受ける場合は、「そこにあるそれ」「ほかのものではないそれ」、「まさにそれ」とでもいうような、限定、強調のニュアンスが出ます。つまり、人称代名詞で言い換えているときは、客観的な叙述で文が並列しているような状態であるのに対し、指示代名詞で言い換えた場合はただの言い換えではなく、前出の語を強調的に指示しており、内容的な主張があります。平泉に関する文で言えば、Es war …ならば「それは・・・だった」であり、Das war …ならば「これが・・・だった」、少し誇張して言うと「まさにその平泉が・・・だった」というようなニュアンスになります。
ただ、ちょうどMünchenの例が出ていますが、都市名を中性の人称代名詞esや指示代名詞dasで受けることは少ないように思います。文法書などには説明がありませんのでやや推測になりますが、esは非人称動詞の主語になったり形式主語になったりなど多様な用法があり、dasも性や数にこだわりなく用いられますし、どちらも前の文全体を指すこともできるので、特定の都市名が出たあとの文でそれをesやdasで受けた場合、文の構造によってはそれが都市名を言い換えていることがわかりにくくなるからではないかと思います。男性、女性の単数や、複数の人称代名詞、指示代名詞の場合は混同する心配があまりありません。実際、Wikipediaのドイツ語版でMünchen、Berlin、Wien、Tokioなどの都市の項を読むとわかりますが、文中にこれらの都市名をesで受けている個所は見当たりません。Münchenの項は次のように始まります。

München ist die Landeshauptstadt des Freistaates Bayern. Sie ist mit über 1,5 Millionen Einwohnern die einwohnerstärkste und flächengrößte Stadt Bayerns …
https://de.wikipedia.org/wiki/M%C3%BCnchen

最初にdie Landeshauptstadtという言い換えがあって、2番目の文の冒頭ではそれを受ける形でsieという女性単数の人称代名詞を使っています。ほかの個所でもsieを使っていて、esは使っていません。そのほか、代名詞を使わずにMünchenを繰り返して使ったり、die Stadt、die Stadt Münchenなどと言い換えたりしています。sieならばdie Stadtの言い換えであることがすぐわかりますが、esだとMünchenを指しているのかほかのものさしているのかとっさにはわかりにくいので、避けているのではないかと考えます。ほかの都市の項の記事も同様でした。これが都市ではなく、JapanやDeutschlandなどの国の項になると、esで受けている文が見受けられます。
森鴎外に関する文でerの代わりに使われているderは、「こっちの方は」という意味ではなく、鴎外という人物そのものを強調しています。文章の一部なので前後関係がよくわかりませんが、「ところで毛利氏だが。」という文のあとに「森鴎外もそこで生まれたはずだ。」という文があって、両者の関係性がほのめかされています。そして、「毛利氏から森鴎外・・・」と中断した文章で展開しかけた流れを受けてderを使い、「しかし(今言った)当の森鴎外は近くの津和野に住んでいたのだ」、「今話題にしているその鴎外という人物こそ」と強調しているわけです。なお、活字だけだとわかりませんが、このderは強く発音されます。この文章の場合は指示代名詞の独立的な用法ですが、同じ使い方の例を挙げると、誰か一人の男性が話題になっているとき、「Den kenne ich.」と言えば、単に「知っている」というだけではなく、「その人だったら知っています」「そいつなら知っている!」というニュアンスになります。指示代名詞には付加語的用法もあり、活字で見ていると定冠詞との区別が付きにくいことがあるかもしれません。例えば「Ach so, den Aufsatz meinst du!」という文章のdenは定冠詞ではなく指示代名詞の付加語的用法で、「ああそうか、その論文のことを君は言っているのか!」という意味です。それまでどの論文のことを言っているのかわからず、やっと特定できた「あれでもなくそれでもなくこの論文」というわけです。こういう指示代名詞は、斜字体で印刷されたり、文字間を開けてd e n Aufsatzなどと表記されることもあります。
最後に、前出の文全体の受け方ですが、これもdas、esともに可能で、使い分けは平泉の文章のところでお話しした通り、dasの方が強調的です。wasで受けることはありますが、これは関係代名詞で、前出の文全体が主語や目的語になる場合です。

Es hat rechtzeitig aufgehört zu regnen, was uns beruhigt hat.
ちょうどよいときに雨がやみ、私たちを安心させた。

Das Konzert musste abgebrochen werden, was wir sehr bedauerten.
コンサートは途中でやめられなければならなかったが、それを私たちは大変残念に思った。

以上、御参考まで。
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この回答へのお礼

Tastenkastenさん、本当にお久しぶりです。相変わらずご丁寧で的確なご回答をありがとうございます。
そうですか、絶対どっちかでなければならないということではないのですね。
Ich moechte einmal in Kyoto die Kirschbluete erleben.
Gut. Dann fahren wir im Fruejahr nach Kyoto.
Ist das weit von hier?
Rund 500 km.2 Stunden mit der Bahn.
Cool! Das geht ja schnell.
Ist das weit von hier?のdasはKyotoを指しているもので、最後の文のdasは前の文全体を指していますね?この二つのdasをesで言い換えても変ではありませんか?
補足のDudenの説明もとても参考になりました。もやもやが随分晴れてきました。ありがとうございます。

お礼日時:2015/08/31 15:42

お礼コメント有難うございます。


うまく説明するのが難しいのですが、京都の文章のdasはやはりdasが適切です。話を聞いている人がそれほど強い関心を持っていない場合ならesもあり得ますが、この場合は一緒に行く話として聞いていますので、「今行こうと言っているその京都というところは」という意識が向いています。2番目のdasも同じ理由です。「その行き方なら」早い、と言っているわけです。感情移入がなく、「ああそれなら早いでしょうね」と他人の話として何となく聞くならesもありかと思います。あるいは、説明している人が続けていう場合はesでもいいですね。

„Rund 500 km.2 Stunden mit der Bahn. Es geht schnell“
Ja! Das geht sicher schnell!“

というような会話は想像できます。
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この回答へのお礼

そのようなニュアンスになるのですね!素晴らしいご説明です。ありがとうございました。
リュッケルト・シューマンの詩の翻訳を読ませていただきました。美しい訳ですね。ドイツリートは大好きです。

お礼日時:2015/08/31 22:44

一つ補足します。


人称代名詞と指示代名詞のニュアンスの違いは、必ずしも常に明確なものではありません。指示代名詞が特に強調的でなく、人称代名詞と同じような軽い意味で使われることもあります。DudenのGrammatikにも、人称代名詞と指示代名詞の間で選ぶことがしばしば可能であるという説明があります。

Oft kann zwischen Personalpronomen und Demonstrativpronomen gewählt werden:

Kommt er morgen? – Ich weiß es nicht. / Das weiß ich nicht.
Frau Meier? Ich habe ihr nichts gesagt. / Der habe ich nichts gesagt.
Kennst du diese Bücher? – Nein, ich habe sie nie gesehen. / Nein, die habe ich nie gesehen.

こういう場合の指示代名詞は、ごく日常的な用法で、特に強い強調とは言えません。
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