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今回はヒルデガルト、ペロタン、ジョスカン・デ・プレ、パレストリーナの音楽とその歴史について学びました。これまで勉強してきたように彼らの音楽のリズムとメロディーについて分析したいのですが曲が今までのものとはガラリと変わり、教会で歌われた聖歌ということでどう分析したものかと考えています。当時の教会の人々はグレゴリオ聖歌から多声音楽、宗教的な音楽から非宗教的な音楽へとの発達に心を躍らせたものだと教わりました。リズムとメロディーという観点から、以下の曲の際立った特徴などありましたら教えてもらえますか?

ヒルデガルト - いまわれに開かれたり
ペロタン - 地上のすべての国々は
ジョスカン・デ・プレ - グロリア
パレストリーナ Tu es Petrus

A 回答 (3件)

この時代の音楽に詳しい人はそういませんし、どの程度専門的な考察が要求されているのかわからないので、回答がしづらいです。


4曲は、上から古い順になっていて、対位法がどのように発展していったかを時代で追うのが目的のように見えます。最初の2曲は前段階、あとの2曲は近代的な対位法の基礎が固まる時期です。
そちらで学ばれているアメリカの分析法では、音楽のジャンルや時代に関係なく、メロディー、リズム、ハーモニーの各カテゴリで、どういう場合がテンションでどういう場合がリポーズかという具体的な分類法があるようなので、これらの要素に関しては、その定義に従って考察すればよいのではないでしょうか。
ヒルデガルトに関しては私も資料の持ち合わせがなく、インターネットで得られる資料では不十分だと思います。メロディーを歌うのは一声だけで、もう一つのパートは同音を延ばしています。近代的な対位法の概念から見ると対位法のうちには入りませんので、単声音楽の例として出ているのか、あるいは、音の動くパートと動かないパートの二声の対峙ととらえて対位法の第一歩として出しているのか、その辺はわかりません。メロディーはほとんどが順次進行ですが、高音域で跳躍がわずかにみられ、この個所だけは少し目立ちます。テンションととるならここでしょうか。メロディーが動き回る音域は比較的広く、長く伸びている音の上方への動きと下方への動きのパッセージが交代して対比が付いています。前回紹介した書籍の説明に従えば、上行はテンション、下行はリポーズということになりますね。リズムは、音の長短はあるものの、何分の何拍子というはっきりした拍節がなく朗誦的で、即興的な自由リズムにとどまっているので、テンションとリポーズの交代とはとりにくいと思います。
そのほかは、下の書籍が少し参考になるかもしれません。
https://books.google.co.jp/books?id=i94bCgAAQBAJ …

ペロタンの作品は四声で、そのうち一声はヒルデガルト同様、同じ高さの音の持続です。ただし、ときどき音高が変わります。それとともに、メロディーの音域の高さも変わります。高音域の場所をテンションととらえるなら、それを目安にできるでしょう。保続音以外の三声は、ある程度自由に動いてはいるものの、完全に独立してはおらず、そのうちの二声が並行して動いたり、同じ旋律線の変形だったりします。発達した対位法の特徴である、パートごとに違う音価の音符、違うリズムの型の使用による立体性もわずかに認められるようになっていますし、反進行(一声が上行し、もう一声が下行する)も所々見られますが、対位法としてはまだ原始的な段階です。メロディーはほとんどが順次進行ですが、3度の跳躍が割と多く、それが一つの特徴でしょうか。大きな跳躍ではないので、音程に関してはほぼ変化がないといえます。同じ音のまわりを巡っている個所と、音階の上行下行の流れがある箇所がありますが、メロディーの動きはごく狭い音域の中に限られているので、全体的には同じ音の周りを巡って停滞している印象が強いです。メロディーには、いくつかのパターンがあって、その組み換えのようになっています。下記サイトの一番下に、少しだけ分析があります(A~D)。
http://www.examenapium.it/meri/viderunt.htm

リズムに関しては、同じ音価の音符が連続すればリポーズ、違う音価の音符が混合して使われていればテンションという定義があります。音符の長さの種類が多いほど、また、シンコペーションのような特殊なリズムで拍節上の強弱がずれるような現象が多くなると、テンションが高くなります。ペロタンには、シンコペーションのような複雑なリズムはまだありません。音価の違いも限られています。この時代のリズムの単位は、3拍の長さのロンガ(longa)という音符です。今の五線譜ではなく、ネウマ譜という楽譜です。1拍の長さを表す音符をブレヴィス(brevis)といいます。ロンガのあとにブレヴィスが連結すると、ロンガは2拍になり、2+1、今の五線譜でいえば2分音符と4分音符の組み合わせになります。この曲は、1拍、2拍、3拍の3種類の長さの音符だけでできています(例外的に、何か所か6拍の音符があります)。したがって、音価の違う音符が混合しているといってもそれほど大きな変化にはなりません。そして、この混合は決まったリズム・パターンの組み換えによっています。リズム・パターンには6種類のモードがありますが、この曲で使われるのは、2拍+1拍の第1モード、3拍のロンガが連続する第5モード、1拍のブレヴィスが連続する第6モードの3種類で、第2~4モードのリズムは使われていません。第1モードのリズムが基調になっていますが、第5モードだけになる部分や、第6モードの速い動きが連続する部分など、曲全体の中で変化はあります。6種のモードについては、イタリア語のサイトですが、下に出ています(英語でも、探せばあるはずです)。
http://www.examenapium.it/meri/arsantiqua.htm

ジョスカンになると、声部と声部の音程関係などはすでに近代的な対位法のそれに達しています。ただ、リズムなどは声部間であまり違わないこともあり、四声全部の独立性という観点から見ると、まだ素朴なものです。模倣(カノン)の技法も始まっていますが、四声全部が絡み合うところまではいきません。
メロディーに関しては、4度、5度などの広い音程の跳躍も見られるようになっています。ただ、声部間の対位法的関係の確立の段階で、各声部の流れはまだ禁欲的です。音階の流れに沿った長い上行や下行の流麗なパッセージは見られません。
リズムに関しては、ペロタンよりもいろいろな音価の音符が、パターンなどの定型ではなく、自由に使われています。シンコペーションのリズムも現れています。この曲は、中世の神学者、トーマス・アクィナスの旋律がもとになっています。これは単声音楽で、音価は全部同じです。一致するのは最初の部分だけのようですが、聞き比べると、ジョスカンによるリズムの変化がどういう効果をもたらすかがわかると思います。

トーマス・トーマス・アクィナス グローリア


ジョスカン・デ・プレ グローリア
https://www.youtube.com/watch?v=-AP8Wdf2Lu4

パレストリーナは、対位法の一つの完成点です。こんにちでも、対位法の学習にパレストリーナ様式は使われています。もちろんこのあと、バッハなどによりさらに複雑な対位法技巧は発展しますが、基礎はパレストリーナでできあがっています。
メロディーは、もちろん順次進行は多いですが、5度や8度といった広い音程の跳躍が使われるようになりました。ただし、メロディーのテンションで最も強いとされる不協和音程での跳躍は、パレストリーナに到るまで使用されていません。各声部の音域も広く使っており、順次進行による長い上行や下行の流麗なパッセージと幅の広い跳躍がバランスよく組み合わされています。
リズムに関しては、音価の短い音符と長い音符の差が大きくなり、細かい音符の連続と長い音符の持続が、水平方向、垂直方向の両面で対比、補完し合っています。特に目立つのが、休止のあとの新しいフレーズの導入や、連続する音符の音価の変わり目の多くが弱拍に当たっているということです。ジョスカンにも少しありますが、パレストリーナでは顕著になります。強拍からの始まりは、小節単位の区切りがはっきりする分生硬になりがちですが、弱起は音楽の流れを滑らかにします。シンコペーションも多用されており、その意味でも強拍弱拍のメカニックな拍節感を緩和して、曲の始まりから終わりまで、滞ることなく流れていく効果を生んでいます。
譜例で説明した方がわかりやすいとは思いますが、時間の都合で今日はやりません。聞きとるようにしてみてください。

コンコードモーションの意味は分かりましたでしょうか。私の手元にあるドイツ語による音楽史関係の書物に、Konkordanzregelという言葉が出ていました。中世の音楽で、長い音価の個所に必ず1度、5度、8度などの完全協和音程をあてる原則です。concordに通じるかと思ったのですが、パーセルの曲の解説の内容とは一致しないので、こういう意味でもなさそうです。motionとあるからには、「動き」に関する用語であるはずですが、いまだに腑に落ちません。
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Danさん、申し訳ありませんが場所をお借りします。



こういうQ&Aサイトは、そもそも専門的な質問をするには適さない場所です。会員のほとんどは専門家の介入を極度に嫌います。それを承知しているのであまり自分からは名乗りませんが、ときどき音大を目指す人の真剣な相談や、大学で勉強をしている人の質問で、専門的な回答を期待していることがはっきりしている場合があり、そういうときだけ断ってから回答することがあります。Danさんの最初の質問にも、「クラシック音楽を勉強された方」とはっきり書いてありました。しかし、それでも悪意にとる人はいくらでもいます。私が回答から撤退するのが一番良いのでしょう。

私は丸投げ質問には回答しません。たしかにDanさんの質問は、一見丸投げのように見えます。Q&Aでは、質問のしかたに注意しないと誤解されたり悪意にとられたりするので、もう少し工夫された方がよかったとは思います。私が回答を重ねたのは、前回の質問に回答したとき、それに対していただいたコメントを見て、そちらの大学の教授にじかに質問するなどの努力をしていることが読み取れたからです。質問の表面だけを見て判断するべきではない、と言いたいところですが、回答者にそこまで要求するなという反論が来るのは目に見えています。

このサイトの音楽関係のカテゴリには、一般の回答者にも、知識が豊富で秀逸な回答を書く方が何人もいます。私はほとんどの質問はそういう人に任せており、自分で回答する数はごくわずかです。専門家が回答するから一般回答者が委縮している事実、と言う人がいますが、そのような大げさな状況などありません。個人的な感情です。自称専門家は裏が取れないから回答するな、という質問もありましたが、専門家でなくても音楽的素養とやらが十分あれば、回答の内容からある程度判断できるはずで、裏をとる必要などありません。ここに参加し始めてから1年半以上たちますが、このような問題が起きたことはありませんでした。アマチュアの方と対等にやりとりをして、互いに収穫を得たものです。今回も、私にとって未知なアメリカの音楽理論の実情をDanさんに教えていただきたいと思いながら回答を続けていました。しかし、料簡の狭い人が増えてくると、こういうことはもうできなくなります。

専門家を嫌う人は、専門家の言うことがいつも正しいわけではないと言います。こんなことは、わざわざ言わなくてもみなわかっていることです。わからないのは一部の人だけです。そして、ネットリテラシーなどというのであれば、たまに間違う専門家より、独断や偏見をまき散らすマニアの方がよほど問題でしょう。そもそもQ&Aサイトに限らず、ネットに書き込みをする専門家の数は多くありません。大部分は素人によるもので、間違った情報が氾濫し、それがコピペされてどんどん拡散します。ウィキペディアの音楽関係の記事などひどいものです。しかし、自分の主張を通したい人にとっては、専門家は邪魔な存在です。

最近は、実用音楽や娯楽的作品と純粋な音楽作品の区別も付けられないまま、また、時代背景や社会的背景などの一般教養も欠いたまま音楽を批判するような薄っぺらな質問も立てられるようになりました。一般回答者でも、普段秀逸な回答を書いている人は参加していませんでした。ここだけは知恵袋のようになってほしくないと思っていましたが、そろそろ終焉です。

Danさんは、英語がお出来になるのですから、アメリカの音楽理論を知っている人が全くいない日本のQ&Aよりも、英語のQ&Aに質問された方がよい回答が得られると思います。私もそこを参考にしました。
https://www.quora.com/What-is-tension-in-music-a …

上のサイトの回答にも、一部疑問な点はありますが、ここで聞くよりもより多くのヒントが得られる可能性はあります。

私は当分の間、音楽関係のカテゴリは休止します。様子によっては、そのまま撤退します。
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この回答へのお礼

このようなサイトが専門家の介入を嫌うところだということは理解できました。しかし実際にはTastenkastenさんのような専門家の的確な回答を必要としている人たちはいますし、私もそのうちの一人です。確かに私の質問は一見丸投げのように見えます。しかし実際には講義に全神経を集中しても授業のペースは恐ろしく早く、レクチャー後に教授に質問することさえ数百人の生徒がいる中では至難の技です。教授をやっと捕まえることができたと思っても、返ってくる回答はドライなもので100%理解というところまでは至りません。おっしゃられるとおり、私がここの質問に至るまでには自分なりに努力をしてきました。こちらの質問の仕方も不注意でしたが、他の回答者が投げかけてきた「なぜ、ここで聞くのでしょう?」に対しては「なぜ、ここで聞いてはいけないのでしょう?」と思いましたが(質問が丸投げとしてもです)なんか分かりました。私自身は回答者が専門家であるというステイタスは全く気にしておりませんが、Tastenkastenさんの洗練された回答は一目瞭然で半端ない音楽の知識をお持ちだということくらいは明らかに分かります。藁をもつかむような思いだった私にとってTastenkasutenさんの回答はライフセイバーでした。短い間のやりとりでしたがどれだけのことをここで習得できたか。またバイリンガルの私にとっては、日本語は話せてもきちんと”書けない”ことがコンプレックスでした。今でも日本語はまだまだ勉強中ですが、回答中の表現から言葉の使い方も学ばせてもらいました。
英語のQ&Aに質問したこともありますが、ここで得られたものの比にはなりません。文化が違うと人も違ってきますし、ここでは新しい刺激的な見解があり、それも私のような質問者にとっては嬉しい習得です。Tasutenkasutenが撤退されるとなると残念で仕方ありません。どうしてももう少しお尋ねしたいこともありました。少しの間休止されてもいつかカムバックして欲しいです。それと私の教授がどんな解答をしたとしても、コンコードモーションに関しては必ず近いうちにここで明らかにさせていただきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2016/02/29 19:49

なぜ、ここで聞くのでしょう?



専門的な教授?からご教示いただいたのですよね。それなのに、実際に講義を聞いていない人に対してご自分で分析した具体的な論を示そうともせず、丸投げしているのは理解に苦しみます。
あなたが何をわかっていて、なにがわからないかもう少し的を絞って質問していただかないと、専門家の方もお困りだと思いますよ。
例示された曲に対して、ご自分の見解をまず示すのが筋かと思われます。

また、もし日本語で質問するのが不得手なら、英語で質問していただいても利用規約違反にはならないと思いますよ。
その方が、質問の論点がハッキリしやすいのならそうすべきだと思います。
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