牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?

準静的過程の説明の多くで「ゆっくり加熱することにより、瞬間瞬間で平衡が成り立っているようにする」とあるのですが、そもそもなぜ「ゆっくり加熱」すれば「準静的過程」が成り立つのかがよく分かりません。

例えば、ピストン付きの容器に理想気体を入れて中の気体を「ゆっくり加熱」すれば「常に外気圧と内気圧が釣り合っている」とみなせますよね?ここで分からないのが、「ゆっくり加熱」するとどういったプロセスを経て、「常に外気圧と内気圧が釣り合っている」ということが引き起こされるのか?ということです。
より正確に言うと、なぜ 熱を加える速度をゆっくりにしていけばしていくほど「定圧変化(準静的過程)」に近づけていけるのか?ということです。

漠然としたイメージは沸くのですが、具体的にどうか?となると全く分からなくなってしまいます。
数式とかも含めて考えた方がいいのでしょうか?
後、「ゆっくり何かをする」=「準静的過程」というのは間違っていませんよね?

物理に詳しい人、解説お願いします。

A 回答 (3件)

>「ゆっくり何かをする」=「準静的過程」というのは間違っていませんよね?



間違っていません。

 たとえば、水の入ったコップでも、たっぷり入ったラーメンでも、乱暴に運ぶとこぼれますよね。力がかかって、加速度が働いて、水面が一定でなくなるからです。だたらそっと運びます。
 同じように、本や荷物を重ねて運ぶときには、そっと運ばないと崩れますよね。

 この「そっと運ぶ」のが「準静的過程」です。
 急にものを動かしたり、速く動かすと、力がかかってゆがんだり曲がったり崩れたりしますが、ゆっくり動かせばそうしたことが起こりません。本当は小さな力や外乱が働いているのですが、「問題ない程度に小さい」「無視してもかまわない大きさ」になるのです。

 「準静的過程」とは、そういった「現象に影響する大きさの外乱を与えない」状態を保って変化させるということです。本当は、外乱をゼロにはできないのですが、無視できる程度まで小さくするということです。ですから「準」を付けて呼んでいます。(完全にゼロなら「静的過程」で、でもこれだと何も変わりません)

>「ゆっくり加熱」するとどういったプロセスを経て、「常に外気圧と内気圧が釣り合っている」ということが引き起こされるのか?ということです。

 「熱」というのは、実は空気や水などの「過熱されるもの」の分子の運動エネルギーです。温度が高くなるほど、激しく早く運動します。温度が高くなると、分子の運動エネルギーが大きくなり、壁やピストンにぶつかる速さが増すので「圧力が鷹かくなる」のです。1つ1つの分子の運動エネルギーはごくわずかですが、分子はとてつもない数存在するので(アボガドロ定数って習いましたよね? 標準状態の空気だと24.8リットルのなかに 6 × 10^23 個です)それなり大きさの「圧力」になります。
 「熱を加える」のは、これらの分子に運動エネルギーを与えるということです。このうち、1個の分子の運動エネルギーを増加させても全体にはほとんど影響なく、「温度」も上がりません。2個目の分子もそうです。3個目も。。。とやって、合計 6 × 10^23 個の分子の運動エネルギーが全て増加すれば、全体の温度が上がります。「一つ一つは無視できるほど小さいが、積もり積もると全体の影響する」というのが「準静的過程」で、こうやって「分子1個ずつエネルギーを与えて行く」ように加熱すれば、「常に外気圧と内気圧が釣り合っている」ような状態で加熱できます。厳密にいえば「分子1個分だけ運動エネルギーが大きい」ということですが、それは無視できる程度の大きさです。
(正確に言えば、分子全体が一律同じ運動エネルギーなのではなく、大きいものも小さいものもあり、平均するとこの温度ということなのです。常に相互にぶつかって、エネルギーを授受しあっています。ですから、1個の分子の運動エネルギーが大きくなっても、ほとんど「埋もれてしまう」ような状態です)

↓ 興味があれば「気体分子運動論」
http://topicmaps.u-gakugei.ac.jp/physdb/heat/mol …

 それでも、厳密にいえば「分子1個分の差があるではないか」ということなのですが、「そこまでの違いは、巨視的に見れば分からない」ということで無視しましょう、ということです。
 まあ、「摩擦はないものとする」とか「空気抵抗は無視する」というのと同じようなものと考えればよいのでしょう。

 ものごとの「本質」を見極めるためには、枝葉末節なものは捨てる・無視することが必要な場面は、人生においてもよくあります。どうでもよい些細なことに目を奪われて、大事なことを見過ごすことがないようにしたいものです。
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意味ないことを考えても無駄。


準静的過程は実現できません。理論を純粋化するための仮想の概念です。
瞬間瞬間平衡が成り立つような変化を準静的過程、というのです。
どんなにゆっくり加熱しても瞬間に平衡は成立しません。
平衡を成立させるには無限の時間が必要です。無限の時間がかかるということは何もしない、動かないということです。
ゆっくり何かをすることは準静的過程とは言いません。
その程度ゆっくりするのでしょう。
ただ、準静的過程には近づくでしょう。
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逆を考えたほうがわかりやすいんじゃないですかね。


急に変化させたらなぜだめか?

理想的な魔法瓶の中に水を入れ、氷の塊をひとつ入れて蓋をする。
はじめは氷の周りの水だけが冷えてそれ以外はもとの温度のまま。
これは平衡状態ではないですね。

時間がたつと冷えた領域がだんだんと広がっていき、そのままほっておけばたぶん数日もすれば全体が少し冷えた均一の温度になる。これが平衡状態。

このように変化を起こすと平衡状態からはずれ、それが再び平衡になるまでには時間がかかる。変化が大きければ大きいだけ、平衡になるまで時間がかかる。なので普通は変化を起こせば非平衡状態になり、非平衡状態から平衡状態へという変化が生じてしまう。

そこで、平衡状態といってもわずかなゆらぎは許されることから、そのわずかなゆらぎの範囲内で変化を引き起こし、それが新しい平衡に達するのを待って、再度ゆらぎの範囲内で変化を起こす、ということを繰り返していけば平衡を保ったまま変化させることができる。ただし、一回の変化量が極めて小さいので、必要な変化量に達するには無限といっていい時間がかかる。これを「ゆっくり」と表現している。
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