No.11
- 回答日時:
『x0のある右近傍で微分可能かつ0でない関数f(x),g(x)が、x→x0+0で無限大であるとする。
もし lim{x→x0+0} f(x) / g(x) が存在するならば lim{x→x0+0} f'(x) / g'(x) も存在して
lim{x→x0+0} f(x) / g(x) = lim{x→x0+0} f'(x) / g'(x)』 …(i)
『x→+∞の時にも同じ事が成立する』 …(ii)
ってのもあったんですね。ってことは都合4パターンあるってことですね。勉強不足でした。
これを使えばsiegmundさんのおっしゃる通り簡単です。(ii)の方を使います。
lim{n→∞} (1/n) log n = を示すため、整数ではなく実数の関数でまず示します。
f(x) = log x, g(x) = x とすると、f(x),g(x)はx→+∞のとき無限大です。
lim{x→+∞} f(x) / g(x) が存在する事を示しましょう。
そのためには f(x) / g(x) が[a,+∞)で単調減少かつ下に有界である事が言えれば良いわけです。
aをeとすると都合が良いので[e,+∞)で考えましょう。この時
{f(x) + g(x)}' = {(1/x) log x}' = (1 - log x) / x^2 ≦ 0 (e≦x)、よって[e,+∞)で単調減少。
またこの区間でf(x),g(x)ともに正なので f(x) / g(x) > 0、よって下に有界。
これでlim{x→+∞} f(x) / g(x) が存在する事が示されましたので後は計算するのみ。
f'(x) = 1/x, g'(x) = 1なので
lim{x→+∞} (1/x) log x
= lim{x→+∞} f(x) / g(x)
= lim{x→+∞} f'(x) / g'(x)
= lim{x→+∞} 1/x
= 0
よってlim{x→+∞} (1/x) log x = 0 なので lim{n→+∞} (1/n) log n = 0 が示されました。
これで良いんですよね? >siegmundさん
No.10
- 回答日時:
テキストによって書き方が違うかも知れませんが...
f(x),g(x) → ∞ のときも同型の式が成立し
(つまり,f'(x)/g'(x) が存在すれば,それが極限値),
これも含めてロピタルの定理と呼んでいます.
今なら,f(x) = ln x,g(x) = x で,
f'(x) = 1/x,g'(x) = 1 ですから
lim f(x)/g(x) = lim f'(x)/g'(x) = lim (1/x) = 0
です.
lim は全部 x→∞ の意味.
同様の議論をすると,ln x の x→∞ での発散は,
どんなべき関数 x^a (a>0) より弱いことがわかります.
No.9
- 回答日時:
> (1/n) log n はロピタルの定理で簡単でしょう.
スミマセン、出来ないんですけど…。
ド・ロピタルの定理って
『x0のある右近傍で微分可能な関数f(x),g(x)≠0がx→x0+0のとき無限小であって、
lim{x→x0+0} f(x) / g(x) が存在するならば lim{x→x0+0} f'(x) / g'(x)も存在して、
lim{x→x0+0} f(x) / g(x) = lim{x→x0+0} f'(x) / g'(x)』
あるいは
『ある半直線[a,+∞)上で微分可能かつ0でない関数f(x),g(x)がx→+∞のとき無限小であって、
lim{x→+∞} f(x) / g(x) が存在するならば lim{x→+∞} f'(x) / g'(x)も存在して、
lim{x→+∞} f(x) / g(x) = lim{x→+∞} f'(x) / g'(x)』
ですよね?
(1/x) log x を f(x) / g(x)の形にしてしかもf(x),g(x)→0+0とするためには
f(x) = 1/x, g(x) = 1/(log x)と置く以外に思い付きません。そうすると
f'(x) / g'(x) = (log x)^2 / x
と更にややこしい式になってしまうんですが。
No.8
- 回答日時:
siegmund です.
私は数学の専門家じゃないんで,余り突っ込まれるとボロが出るんですが...
lim sup という上極限になっているのは,
集積値がいくつもあったときに一番大きなものをとる必要があるからです.
今の問題では,集積値は一つしかありませんから
(つまり,lim sup ... = lim inf ... になっている)
sup は気にしなくていいはずです.
(1/n) log n はロピタルの定理で簡単でしょう.
No.7
- 回答日時:
logを取るのであれば、コーシーアダマールの公式は
log(1 / ρ) = log((lim{N→∞} sup{n≧N} |a_n|^(1/n))
= lim{N→∞} sup{n≧N} log |a_n|^(1/n) …(i)'
となりますね。siegmund先生の回答をもう少し省略なしに見ていきますと
1.
log(1 / ρ) = lim{N→∞} sup{n≧N} log((n*2^n)^(1/n)
= lim{N→∞} sup{n≧N} (1/n)(log n * log 2^n)
= ?
= log2 ∴ρ = 1/2
となり、supはn=Nの時なのか違うのかをどう判断すれば良いのか分かりません。
特に4.などは単調増加なのでsupとなるのはn=Nじゃないですよね?
そう言う場合はどう処理すればいいのでしょうか?
処理の問題とは別に
lim{n→∞} (1/n)log n = 0
の理由もわかりません。
と言う訳で、改めまして
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(命題A) Nがある程度大きい時
sup (1/n) log n = (1/N) log N
n≧N
(命題B) lim (1/N) log N = 0
N→∞
(命題C) lim{N→∞} sup{n≧N} log n = ∞
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それぞれが成り立つ理由について教えてください。
ちなみにkarkarlさん、
> Stirling の公式,log n! ~ n log n [n → ∞ のとき]
で出てくる記号「~」の意味は分かりますか?念の為書いておくと、
lim{n→∞} a_n = lim{n→∞} b_n = ∞、かつlim{n→∞} a_n / b_n = 1 となる時、
a_nとb_nとは「同値」な無限大と言い、「a_n ~ b_n」と書きます。
a_n ~ αb_n (α≠0)の時、a_nとb_nとは「同位」の無限大といいます。
No.6
- 回答日時:
sigmund です.
taropoo さんの No.5.
a_n が振動したり,という変なことはないから
(だからこそ,ダランベールの定理が使える),
普通に lim |a_n|^(1/n) を計算すればいいでしょう.
log を取るのが簡単ですか.
【1】
log |a_n|^(1/n) = (1/n) {log n + n log 2} → log 2
∴ 1/ρ = 2 ⇒ ρ = 1/2
【2】
log |a_n|^(1/n) = (3/n) log n → 0
∴ 1/ρ = 1 ⇒ ρ = 1
【3】
Stirling の公式,log n! ~ n log n [n → ∞ のとき] を使って
log |a_n|^(1/n) ~ (1/n) {log (2n+1) - n log n} → - ∞
∴ 1/ρ = 0 ⇒ ρ = ∞
【4】
log |a_n|^(1/n) ~ (1/n) n log n → ∞
∴ 1/ρ = ∞ ⇒ ρ = 0
Stirling の公式は,もう少し丁寧に書けば
n! ~ √(2πn) n^n e^(-n) {1 + (1/12n) + (1/288n^2) + ...} [n→∞]
です.
No.5
- 回答日時:
こう言うのは教科書によって表記が多少違ったりする事もあるんでしょうね。
私の使っている『微分積分学』(笠原晧司 著 サイエンス社)には回答No.3のように書いてありました。
コーシー・アダマール(タイプミス、失礼しました。)の定理としては絶対収束と発散に関する定理だけが書いてあり、収束半径と言う言葉は出てこず、その次に定義として収束半径および収束円について記してありました。
どちらにしても本質に問題はないですね。
それよりsiegmund先生、私は回答No.1ですべてダランベールの定理で解いてしまったのですが、実はコーシー・アダマールの定理でも頑張ってみたのですが、どうしても分からない点がいくつかありました。
これが正しければコーシー・アダマールで行けるのにと言うのがいくつかあるんですが。
1.Nがある程度大きい時
sup n^(1/n) = N^(1/N)
n≧N
2.lim N^(1/N) = 1
N→∞
3.lim (N!)^(1/N) = ∞
N→∞
3など1から∞までの相乗平均なので、その辺りから何とか攻めれないかと苦慮したのですがダメでした。
> (i)と(ii)とで確認しているので
と言ったのはこれらを正しいものとして計算したので、厳密には(i)で証明は出来ていないんです。
ご教授願えますか?
No.4
- 回答日時:
siegmund です.
本題からちょっと逸れちゃいますが...
> (i)は「収束半径ってなに?」と言うのを決めた式なので
> やはり定義なのではないでしょうか?
いえいえ,級数の収束半径に関する最も基本的な定理ですが,やはり定理ですよ.
taropoo さんがNo.3 で,
「コーシーアマダールの定理は...」(タイプミスと思いますが,アダマール,です)
と書かれていることは,No.1の(i)と全く同じことですよ.
1/l (見づらいね~,イチ / エル,です)がρになっているだけです.
No.3
- 回答日時:
お言葉ではございますがsiegmund様(笑)、(i)は「収束半径ってなに?」と言うのを決めた式なのでやはり定義なのではないでしょうか?
コーシーアマダールの定理は
『l = (lim{N→∞} sup{n≧N} |a_n|^(1/n)
として
|x| < 1/l なら Σa_n x^n は絶対収束し、
|x| > 1/l なら Σa_n x^n は発散する
(但しl=+∞の時は1/l=0, l=0 の時は 1/l=+∞と考える)』
というものだったと思います。
No.2
- 回答日時:
taropoo さんの回答がありますので,ちょっとだけ補足.
taropoo さんの(i)式は定義でなくて,定理ですね.
コーシー・アダマール(Cauchy-Hadamard)の定理と名前がついています.
級数の収束発散はもともとはε-N 論法で定義され,3つの場合
(a) z のすべての値に対して収束
(b) z のすべての値に対して発散
(c) ある正数ρがあって,|z|<ρのとき収束,|z|>ρのとき発散
しかないことを示すことができます.
(c)の場合のρが収束半径の定義.
(a)ならρ=∞,(b)ならρ= 0 とみなす.
(ii)の定理は,ダランベール(d'Alembert)の定理と名前がついています.
karkarl さんの質問は,多分,
解析学あるいは微分積分学などの授業に関する質問ですよね.
テキストで,コーシー・アダマールの定理やダランベ-ルの定理のあたりを
熟読し,全体の論旨と構成を把握する方が先だと思います.
でないと,よくわからず公式を適用しただけ,先に行くとまたわからない,
になってしまいます.
無限等比級数の収束発散はもちろんご存知ですよね.
荒っぽい言い方をすれば,(i)(ii)の定理は,
nが十分大きいところで問題の級数が公比1の無限等比級数より
増加が早いかどうかを調べている,
ということですが,そのあたりの理解は大丈夫でしょうか?
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