No.8ベストアンサー
- 回答日時:
No.7回答者phjさんの回答は、素晴らしいと思いました。
住宅や建築物の構造などが地域によって違う理由は、単純ではなく、いろいろ複合した結果だろうというのは、そうだろうなと思いました。
ただ、地震の多少は、建築上石造り/石造りでないとはあまり関係ないのではないかと思います。
地震の分布図を見ても、日本特有の主要な理由にはならない感じがします。
http://www.asahi.com/articles/ASK1L6SR9K1LUHBI03 …
温暖湿潤な地域の住宅は、だいたい、柱と梁によって構成される木造構造が多いようです。
日射が強い地域では壁を厚くして屋内の温度を低く保つ構造が多いようです。大きな石造の建築物に入ると確かに体感的にひんやりするのです。
しかし、こうした住宅を作る地域の環境条件では、石造やレンガにするか、壁構造にするか、柱と梁で作るかは、決まらない・あまり関係がないと思います。
半地下のような堀り込んだ建築をする地域も多いし、過密というか水平方向よりも垂直方向に住宅がぎしぎしと詰まった地域も結構多いです。 海外旅行のパンフレットをみても、建築には地域差が多いのがわかります。
地球海沿岸は樹木が建築用材に向いてないように思います。多少はそれが関係しているのかもしれませんが、もしも住宅は木造という意識が強くあれば、なんとかそうした植林をしていたと思います。 意識が向いていれば、遠くからでも調達してくるのが人類の歴史です。
12世紀のロンドンで大火が相次いで発生し、「各戸は必ず家の境に、厚さ0.93m、高さ4.88mの防火用煉瓦壁を設け、屋根は街路に面して切妻にし、直接防火壁のうえに葺きおろし、瓦葺とすること」という法令がでて、石造りの家が増えたそうです。日本では、応仁の乱での京の町、江戸時代の江戸の町は大火があり、関東震災では、東京市(15区)住家全潰1.2万棟、焼失約22万棟、死者の総数約6.9万人の95%は火災によるもの、横浜市住家全潰が1.6万戸,焼失6.3万戸と、被害対策としては火災対策がポイントなのに、基本的には木造が続きました。 火事がやばいとレンガや石造りが増えるというような単純な考えを、世界に広げることはできません。
石は冷えると思いますが、ヨーロッパでも木造が多い地域は結構あります。木造が多いと言われる北欧やロシアでも石造の住宅は多いし、ドイツでは木造が観光名所にもなっています。
http://unohideoblog.seesaa.net/article/108110538 …
日本が中国文化を朝鮮半島経由で入手したのは明らかで、寺院建築や宮殿、都城も、これを導入しています。レンガ造建築は、文明開化のショーウインドウのような誇示のために造られているのですが、古代の新羅、百済、隋、唐などから技術導入し肩を並べるだけのものだと誇示したのと似ています。
今でも、高級住宅地とか言われる地域は、その地域で似た構造や外観を持っていることが多いです。
建築物、住居も、文化の大きな要素であり、自分たちがある勢力をもつものであること、他とははっきりと違うものであることを示す重要なものです。
だから○○様式の建築というのが世界中で、どの時代にも、身分や格式、階級などを示す形であるのです。伝統的構造の住宅というものがあるのも、その様式から逸脱しないで建設するし、格違いの他の人々や集団にはそうした構造や様式で建築することを認めないというようなこともあるのが、建築物の重要な性質です。
宗教というか、信仰というか、アミニズムのようなことも、建築に関係しています。神の依り代のようなもので考えるような思考が多いと、石造やレンガ作りではちょっとな、、という気分になるでしょう。 仮寓一時滞在処のような作り方がしっくりするのかもしれません。遷宮するから木造、支配者一代ごとにあるいは同じ支配者でも何度か拠点を移動するから木造なのではなくて、石造りしたくなかったから、その支配者の頭にすり込まれている宮殿や宮殿構造のイメージが、木造のある特定の様式の範囲から脱することができなかったから、そうした構造が続いたのだと思います。
基本的には戦闘や斬り合いがなかった江戸時代でも武士が帯刀していないとならなかったのと同様で、その社会での文化がある階級集団と他の階級集団とに対して要求している様式の強制が、住宅の構造、高さ、門のあるなしにも関係してくるのだろ思います。
高層マンション群の地域、広大な敷地をもつ住宅地の地域、安価なマンション地域、安アパート地域、雑然とした木造住宅地域、バブル時代にできた新興住宅地と、結構住宅の構造が違います。 社会の中での階級、階層意識をその時代の中で外見的に表現するようなものが、住宅の構造や色使いなどにはっきり出てきます。
この差は文化の違いと考えるのが、一番現実的だと思います。
No.7
- 回答日時:
日本で石造りの建築物が発達しなかったのは、いくつも理由がありますが、結局、日本の風土に合わなかった、ということです。
まず、石造りと書かれていますが、天然の大理石などを使った建築物もありますが、実際の建築物に使われたのは、ギリシャの神殿などは石材ですが、一般的な住宅はレンガでしたし、ローマなどは古代コンクリートとレンガを併用しました。それを踏まえて以下を記載します。
・石材等の歴史
日本において、レンガがあったかどうかでいえば、奈良時代(飛鳥時代)にレンガやタイルの技術が伝わっていました。東大寺などは一部レンガやタイルが使用されています。
世界文明において、レンガの登場はかなり早くチグリス・ユーフラテス地域では紀元前4000年には日干し煉瓦ができ、紀元前3000年には現在のものに近い焼成レンガが生まれていました。
中国にも紀元前には登場し、日本にも文献としては奈良時代以前に知られていたでしょうが、日本で大規模建築が作られたのは飛鳥時代以降ですので、レンガの登場もその時期になります。
また、石材は質のよい石が取れる地域では利用されており、ローマは紀元前1世紀に古代コンクリート(ローマ・コンクリート)
を発明して、コロッセアムなどの大規模建築に利用しています。もっとも、ローマ崩壊後はコンクリート技術も失われました。
・地震
日本で建築物に石やレンガが使われない一番の理由は何といっても地震のせいです。
明治以降、日本でも多くのレンガ造りの建物ができましたが、関東大震災でほとんどが崩れました。飛鳥時代などでもそういう事例があったのだと思います。
ローマがあったイタリアは日本同様に地震地帯ですが、レンガとコンクリートと木材を組み合わせることで、建築物を今に残すことに成功しています。
日本に古代コンクリートがあれば、別の発展をしたかもしれませんが、鉄筋コンクリートという発想のない時代、積み上げるだけのレンガ建築や石積建築では、地震に耐えることができなかったのです。
・気候
日本は亜熱帯に属しておりますが、夏は東南アジア並みに熱く、冬は雪が降るほど寒い、という特徴があります。これが日本の建物の「快適性」を決定つけているといえます。
レンガに関しては「湿度を吸収しやすい」という特徴があり、夏の時期に快適であるとはいえません。また、レンガや石造りの建築物は強度の関係で窓が制限されます。日本の建築物は基本的に「夏を快適に過ごす」ことに重点が置かれており、風が通るような作りが特徴です。障子をすべて開放すると「屋根しかない」というのが日本の建築物なのです(白川郷などの雪が降る地域は冬に合わせた特徴もあります)
このような「屋根しかない」構造を石やレンガでつくるとすると、パンテオンのような柱だけの構造になるでしょうが、これでは地震に耐えられません。逆に、壁をきちんと作ると窓が少なくなり、夏の快適性が失われてしまうことになったわけです。
ヨーロッパは緯度的に見れば地中海周辺、アフリカとの境目であるジブラルタル海峡でようやく東京と同じぐらいの緯度になります。ローマは函館あたり、フランスやドイツは稚内よりも緯度がうえなのです。つまり日本から比べれば寒い地域であるといえます。またレンガ造りは中東などにも多いですが、この地域は砂漠地帯でもあり、湿度がかなり低いという特徴があります。湿度が低く太陽光が強烈なら、温まりにくいレンガは建築材として適しています。
東南アジアには石造りの建築物は多くありません。宮殿や寺院などはレンガや石造りでしたが、ヨーロッパのように個人住宅までレンガ造りではありませんでした。また、アジア大陸はヒマラヤからチベットにかけての山脈地帯以外は地震はありません。チベットなどはレンガ造り・石造建築も多いですが、標高が高く風が強かったり冬が厳しかったり、という気候で生活するには「時々来るかもしれない地震」よりも日常の生活を優先したのでしょう。
・戦争や防火対策
古代のトロイの木馬の話で有名ですが、中近東からヨーロッパにかけての都市は城壁都市でした。都市は城壁の内側に作られるものであり、異民族との戦争や強盗集団などの略奪から人命や財産を守るために城壁を作ったわけです。
そのため、強固な材料が求められ、古代なら石、ローマならコンクリート、そして耐久性や安全性に問題が無ければレンガが多用されました。
都市は都市計画によって、城壁内のレイアウトが決定され、戦争の備えも防火対策も施されました。
基本的に城壁都市はひとつの民族の住むところであり、となりに違う民族の都市もあって、異民族戦争になると城壁の中に侵入して征服すれば勝ち、というものでした。場合によっては、征服された側は全員処刑か奴隷に売られ、住民のいなくなった都市は破壊される、ということもあったのです。
ですから、城壁内への敵の侵入は民族の滅亡とイコールでしたので、コストをいくらかけても頑丈で防御に優れた城壁を作ったのです。
日本の場合、戦争といっても国内戦争です。落とした城は明け渡して利用されましたし、農民や町人には戦争は関係ありませんでした。城下町の商店街などは戦争で焼かれることもあったでしょうが、防御側も城の防御を固めることはしても、街の防御はしませんでした。
そのため日本の都市には城壁がありません。都市計画もほとんど行われなかったので、城下町というのは半ば、自然発生的にできて行ったのです。グランドデザインがなければ、個々の住宅はコストに縛られます。日本で石造建築が発展しなかったのはコストの問題も大きいのです。
・技術的側面
日本は車を利用しなかった、という特徴をもっています。
レンガやコンクリートは材料を運んで、その場で作ることができますので運搬も比較的容易ですが、石材を切りだして運ぶのはかなり大変です。日本の場合船で運ぶことはできましたが、それでもラストワンマイル海岸から城造り現場まで運ぶのはかなり大変だったでしょう。コストの関係から、馬車などが利用できない日本で石造りの建築物はかなりのコストがかかったのです。
日本で石造建築が発達しなかった理由は複合的です。もっとも「石造」が必要で、それが前提になっているなら、馬車も利用されたでしょうし、都市計画も発展したかもしれません。
やはり基本的に「石造建築物は風土に向かない」という指向が古来から強く働いたのが一番の理由でしょう。その理由の一番はやはり地震で次が湿度だったと思います。
No.5
- 回答日時:
東南アジアに自生する木は、曲っていませんか。
針葉樹がある日本に自生する木はまっすぐな物が多いのが、日本には木造建築が東南アジアよりも大型の木造建築が多い理由ではないかと思います。中東やエジプトには大木が少ないですよね。だから石造りが多いというのが理由になると思います。ただし、中まで石であるものは神殿や一部の物であり、大半は土で作って、表面はタイルに近い薄い柔らかい石でできていると思います。石造建築物と称していても工期と費用のために表面だけの事が多いのではないでしょうか。
いずれも、その土地に適した材料と文明の違いに基づくと考えます。
No.3
- 回答日時:
基本的には、手に入りやすい材料で作られたってことになるようです。
欧州でも木材が手に入りやすい地域ではログハウスのような木の家が主流だったりするようです。
日干しレンガって地域もありますね。
地震も関係あるかもしれません。インド亜大陸が下からぶつかっている辺りを除けば、ユーラシア大陸は地震の非常に少ない土地になります。欧州を真似て日本でレンガ積みの家を建てたら関東大震災でえらい目にあったってのは有名な話です。
早速のご回答ありがとうございます。
東南アジアなど条件的に日本似た地域でも比較的 石造建築物は多いのですが地震が日本よりは少ないのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
早速のご回答ありがとうございます。
条件が似ている東南アジアは何故 石造建築物が比較的多いのでしょうか?
日本ほどは地震がないからでしょうか?
ウェブページも参考になりありがとうございました。
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