プロが教えるわが家の防犯対策術!

チョムスキーの功績について、どうぞお教え下さい。

私が少しだけ知っていることは・・・・

「おなじ赤ん坊でも英語の環境で育てば英語を修得し、日本語の環境で育てば日本語を修得する」
「なぜ、それが可能かと言えば、すべての言語に共通する普遍的な文法があるからだ」

というような点だけです。

そういうことを少々知ってから、かなりの年数が過ぎましたが、現在の言語学界では、今もなお、チョムスキーの理論を追い続けているのですか?あるいは、すっかり別の方面にシフトしているのでしょうか?

貴重なお時間をいただいて恐縮ですが、簡単に現状を御紹介願えませんか。

御多忙な場合、<キーワード>だけでもお教え願えれば、自分で、ネットで調べてみます。

どうぞ宜しく。

A 回答 (5件)

>Everett の挙げる根拠はかなり弱いと言わざるを得ない。



これ気になってるんですよね。例えばParastic Gapとか、Bindngとか、affixationによる項構造の変化とか、
「コミュニケーション・ツールとして」のアプローチで記述できるのか疑問なのです。
    • good
    • 0

Syntactic_Structuresさんが書いておられることで合っていると思います。



ただ、「チョムスキーの理論を追い続けて」いる人はいません。参加して,チョムスキーに新たな提案をしている人はたくさんいますが。私もその一人です。「自分で、ネットで調べて」も、大した情報を集めることは出来ないでしょう。

定石通りですが、Pinker, "The Language Instinct"(「言語を作り出す本能」)をお読みになるのをお薦めします。和訳のタイトルはひどいと思うし、本文もだいぶ例文が削られていて、また、「統率」と「支配」を誤訳しているところもあるのですが、これが一番読みやすい啓蒙書でしょう。

今の理論は、「徹底的に余剰と無駄を省く」理論を目指しています。面白いですよ。
    • good
    • 0

言語学の歴史をひもとくのは面倒くさいので黙っていようと思っていたが、あまりにも誤解がひどいのでしゃしゃり出ることにした。



誤解1
普遍文法はチョムスキーの創案ではない。
チョムスキー自身がポールロワイヤルなど、普遍文法の歴史を書いている。
チョムスキーの貢献は、普遍文法に始めて形式と実質を与えたことだろう。


誤解2
生成文法が言語学の主流であったことはない。
もちろん、一大潮流のひとつではある。
しかし、アマゾン川もナイル川も揚子江も黄河もライン川もミシシッピーも、全て一大潮流だろうが、主流ではない。
同様に、言語学の論文や書籍がほとんど生成文法だったこともない。
チョムスキー自身は、いつも自分が少数派だと感じていると何度が述べている。
そもそも、言語には非常に多くの側面があるのに、普遍文法だけを追いかける方がどうかしている。


誤解3
反チョムスキーやアンチ普遍文法など、珍しくもないし、古くからある。
最近始まったわけではない。
チョムスキーは言語の普遍性は統語論にあると考えているが、意味論を研究したい人は、意味を中心にした言語理論を発展させた。
認知言語学がその一例だ。当然、普遍文法には批判的だ。
なお、認知言語学者の多くはチョムスキーの弟子であった。
チョムスキー自身は、いつも自分が少数派だと感じるのも、むべなるかな。

ちなみに、認知言語学は生成文法をしのぐ勢いで伸びているが、やはり主流とは言えない。
中心人物がいないのに、主要人物が多すぎるからだ。
認知文法、構文文法、みんなこの仲間。


誤解4
チョムスキーの最大の功績は普遍文法でも変形でもない。
言語学を科学にしたことだ。
仮説演繹的手法を徹底させたことだ。
自然科学なら当たり前だが、今でも、日本語は西洋言語学の理論で分析できるはずがないという思い込みから脱却できない人が多い。
はずがない、ではなく、できないことを証明しなければならないのに、とにかくできないに始まり、できないに終わる。
アホだ。
ただ、チョムスキー自身も言うように、言語学はまだガリレオ革命も経ていない。
言語学が自然科学になるにはあと最低でも100年はかかるだろう。

もう一つ功績を挙げるなら、認知革命を推進したことだ。
認知科学の最初期から参加している言語学者なのだ。




>現在の言語学界では、今もなお、チョムスキーの理論を追い続けているのですか?

上で述べたように、生成文法が言語学の主流であったことはないし、これからもない。
しかし、一大潮流ではあり続けるだろう。



>あるいは、すっかり別の方面にシフトしているのでしょうか?

昔から一番多い論文は、言語の記述だ。
よく知られている言語も、見たことも聞いたこともないような言語も、きちんと記述するのが、言語学の最大の使命だと言っても言い。
ちなみに、こうして記述された言語のひとつにピダハン語(Pirahã language)というのがあり、チョムスキー理論最大の危機、等といわれることがあるが、Everett の挙げる根拠はかなり弱いと言わざるを得ない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%80 …
    • good
    • 2

日経サイエンスの今年3月頃に出た号の記事です。


「チョムスキーを超えて 普遍文法は存在しない」
http://www.nikkei-science.com/201705_052.html

チョムスキーの普遍文法は疑問視されつつあるようです。
    • good
    • 1

「生成文法」と「構文文法」が文法の二大潮流といっていい。

    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/06/27 10:19

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!